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11月企画公演 節分・鉄輪
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公演情報
「
11月企画公演 節分・鉄輪
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アキラ(1498)
満足度
★★★★
11月の企画公演のテーマは「鬼の世界」
狂言も能も「鬼」が出てくる話だった。
ネタバレBOX
この日は、「おはなし」があった。
歌人の馬場あき子さんによる、舞台内容の解説と鬼の話。
その内容がとても良かったのだ。
「鬼とはいったい何であったのか」という話になったのだが、その話と今回の舞台がうまく
リンクしていた。
また、「鬼」という漢字についても、なるほどと思えた。
「鬼」とはそもそもは先祖であって、子孫に「福」を持って会いにきていた。しかしいつからか、「悪い」というイメージが付けられ、持って来た「福」は「内」に、「鬼」は「外」に、となったわけだ。
これは狂言の『節分』に重なる。
また、鬼は「境」に現れる。
川のこちらとあちらの境や、時間の境など。
だから、1年の境の「節分」に鬼は現れる(かつて節分は大晦日だった)。
「鬼」の漢字にはもともとは「角」はなかった。
角のない「鬼」の漢字は、鬼頭を被った子どもが座った姿であり、手には法具を持っている。
鬼面は「誰でもないので」、先祖の霊が降りてくる。つまり、イタコのような役割をしていたのが「鬼(角のない)」の漢字の意味だった。
それがいつからか、角が付いて悪い意味も付けられた。
この話は、能の『鉄輪』にリンクしてくる。
自分を捨てた夫を恨み、徐々に「角のある鬼」になる妻。
顔に血が上り、角が生えかかってくるのだ。
というように、「おはなし」がかなり良かった。
狂言の『節分』も能の『鉄輪』も、恐いのは「女」である。
『節分』では、鬼は女に騙され、宝を取られて「鬼は外」と追い出される。
『鉄輪』では、自分を捨て別の女と一緒になった元夫を恨んで出てくる。
顔には「生成(なまなり)」という、鬼になる一歩手前の面を付けている。
頭に血が上っているので、顔半分は赤く、角が出かかっている。しかし、まだ理性が少しだけ残っているので、額のあたりは白いのだ。
「生成」はあまり使われることのない面だという。
国立能楽堂に併設されている資料展示室に、それは展示されている(入場無料)。
休憩時間に見るといいかもしれない。
狂言『節分』は、鬼の人の良さ(笑)が滑稽であり、それが実に面白い。
鬼を騙す女は、最初は怖がっていたのだが、途中から立場ががらりと変わる様がいい。とても恐い。
能『鉄輪』は、面からだけでなく、夫への恨み、執念をも感じる佇まいが美しい。そして、闇に消えていく様は哀しい。
国立能楽堂の座席の前には、液晶パネルが埋め込んであり、上演中に簡単な解説や台詞(全部ではない)が表示される。
最近これを英語にして見ている。どう訳されているのかが面白いからだ。
「鬼」は「Daemon」と訳されていた。ほかに訳しようがないからだけど、どうなんだろう。
他の演目が見られる日も行きたかった。
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2014/11/17 18:05
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