満足度★★★
夜の部鑑賞
有名な作品の3本立てで、充実した内容で見応えがありました。
『御存鈴ヶ森』
俠客と若衆の出会いを描いた物語で、前半の盗賊との立ち回りでは顔や尻が削げたり、首や手や足が切れたりとスプラッター的な表現が目白押しですが、陰惨にはならずにコミカルに描かれていて楽しかったです。後半は動きの無い会話の場面が続きましたが、台詞回しに引き込まれました。
『勧進帳』
染五郎さんの弁慶デビューで、声も動きも安定感のある演技でした。最後の幕外では間の取り方に嫌味が無い素直な雰囲気があって印象的でした。吉右衛門さんの義経は台詞はあまりなく座っているだけの時間がほとんどでありながら存在感がありました。
『義経千本桜 すし屋』
源平の争いごとに巻き込まれて思い違いによる悲しい結末を迎える物語で、コミカルなやりとりが繰り広げられる序盤から、心の葛藤を描いた終盤まで場面転換が無いまま1時間40分程続きますが、求心力を失わない舞台でした。人間味溢れる権太を演じた菊五郎さん、権太の母おくらを演じた右之助さんが良かったです。
満足度★★★★
昼の部
昼の部は、「寿式三番叟(ことぶきしきさんばそう)」「井伊大老(いいたいろう)」「熊谷陣屋(くまがいじんや)」の三演目。一番良かったのは、染五郎さんんと松緑さんの三番叟!若々しく力強く、とても良い演技だった。吉右衛門さんの「井伊大老」も熱演で、会場ではすすり泣く声があちらこちらから。話し方も分かりやすくとても良かった。幸四郎さんの「熊谷陣屋」も、吉右衛門さんに劣らぬ名演!夜の部よりもバランスがよく、昼の部の方が楽しめたかな。とにかく染五郎さんの成長著しい顔見世公演でした。
満足度★★★★
夜の部
1.御存鈴ヶ森(ごぞんじすずがもり)
2.歌舞伎十八番の内 勧進帳(かんじんちょう)
3.義経千本桜(よしつねせんぼんざくら) すし屋
のメジャーな三演目
一番の見どころは、初弁慶の染五郎さん。それも源義経が吉右衛門さんで、宿敵富樫が幸四郎さんと言う、本当に最初で最後かもしれない共演。伝統を引き継ぐ作品としては、絶対に必要な作品なので、それも含めてしっかり観た。
また、三品目目の「義経千本桜」も自分の理解してストーリがあやふやだったので、今回しっかり観ておいて良かった。こちらも菊五郎さんのいがみの権太が秀逸。巳之助さん、右之助さんなどもしっかり演じていて見応えがあった