満足度★★★
本当の「渦中の人」は?
ある意味登場人物皆が「渦中の人」なんだろうけど、本来物語の中心となるべきは水無和己とその妻圭子の関係、加えて福地節子とその娘のぞみの関係だろう。全体の印象として宝くじの高額当選を求めて島を訪問した女性たちが絡むエピソードが長すぎて、逆に夫婦や母娘の関係が深く描き込まれていない。コメディ的要素も加えたかったのだろうが、あれもこれもだと物語の芯がぼやけてしまう。
満足度★★★★
余韻が心地よい
観光資源があまりない離島を舞台にしたハートフルドラマ。まず舞台セットはしっかり作り込んでおり、本当にその場にいるような感じになる。登場人物は、キャラクターと役割を明確にしており、物語をしっかり支えている。
幕開け暗転と波音で心落ち着け、最後も波音で余韻が…見事な演出効果だった。だだ、脚本・演出とも秀逸であったが、ラストが慌ただしく収拾がつかなくなった印象があった。
もう一幕 欲しかったような
登場人物 が 皆 人間臭い というか なんとなく以前から知ってるような親近感を感じる。その中でも 渦中の人 と ああ、このひとを中心に据えたのか と 後から合点がいき なるほどこの劇団さんらしいとも思った
ストーリーも かなり作り込んだ舞台も 楽しめたし 途中途中にある小競り合い或いは内輪もめみたいなのも面白かった。のに 後半、長さを意識してしまった。
最後、その「渦中のひと」が 一歩踏み出す 大切なシーンがありますよね。あれは いろんな捉え方があるだろうけど。
あのあとに 渦中の彼が どう現実と向き合うのか に 興味ある
登場人物は みんな好き。
ただ、2時間近い長さで 悪い言葉を使えば観客を拘束しておいて
あの猛ダッシュのようなラストは ないだろう。ぷんぷん。
もう一幕、やはり足りませんでしたよ。
私は そう思います。
満足度★★★★
たかが宝くじ、されど・・・
「渦中」という言葉の通り、とある僻地の島を舞台に、混沌としたカオスのように渦巻くコミカルな人間像を、丁寧に描いた作品という印象を受けた。親と子、夫と妻、島に暮らす男と女、そして島を訪れる女たち・・・それぞれが保有する苦悩。それらはひとつとして同じものが無く、それゆえに救いが無い。CASTの個性があまりに強く、おそらく最も大事なシーンの会話を聴き逃してしまった(涙)。1時間50分という長時間の大作は見応え充分。脚本、演出ともに、実に高尚且つハイセンスな作品であった。