渦中の人 公演情報 渦中の人」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 満足度★★★

    本当の「渦中の人」は?
    ある意味登場人物皆が「渦中の人」なんだろうけど、本来物語の中心となるべきは水無和己とその妻圭子の関係、加えて福地節子とその娘のぞみの関係だろう。全体の印象として宝くじの高額当選を求めて島を訪問した女性たちが絡むエピソードが長すぎて、逆に夫婦や母娘の関係が深く描き込まれていない。コメディ的要素も加えたかったのだろうが、あれもこれもだと物語の芯がぼやけてしまう。

  • 満足度★★★★

    余韻が心地よい
    観光資源があまりない離島を舞台にしたハートフルドラマ。まず舞台セットはしっかり作り込んでおり、本当にその場にいるような感じになる。登場人物は、キャラクターと役割を明確にしており、物語をしっかり支えている。
    幕開け暗転と波音で心落ち着け、最後も波音で余韻が…見事な演出効果だった。だだ、脚本・演出とも秀逸であったが、ラストが慌ただしく収拾がつかなくなった印象があった。

    ネタバレBOX

    本公演は、サスペンスという印刷文字があったが...ハートフルドラマとしての印象ほうが強い。舞台は、観光資源の少ない離島を大いに盛り上げようとしている住民とある目的を果たすためにやってきた宿泊客とのドタバタ騒動と、宿の夫婦の愛情を描いた話。この舞台セットが良い。舞台全体が旅館の雰囲気を作り出している。上手は宿の受付とテーブル席(食堂か)、下手が座敷に卓袱台が置かれている。
    この島には宝くじに当たるというジンクスのようなものがあり、金に困っている客がそのご利益を求めてやってくる。そのうち、宿の主人が施す念力に肖りたいと...この噂を街の観光興しに利用し、観光マップ、海運グッツまで拡販する。
    一方、旅館を切り盛りしている夫婦関係は危機に直面している。妻からは離婚届が突き付けられて、何故...戸惑う夫の慌て振りが滑稽である。旅館という場を中心に描かれる”サスペンス”ならぬ”コメディ”は役者の演技力も相まって観応えがあった。
    今後も楽しい公演を期待しております。
  • もう一幕 欲しかったような
    登場人物 が 皆 人間臭い というか なんとなく以前から知ってるような親近感を感じる。その中でも 渦中の人 と ああ、このひとを中心に据えたのか と 後から合点がいき なるほどこの劇団さんらしいとも思った

    ストーリーも かなり作り込んだ舞台も 楽しめたし 途中途中にある小競り合い或いは内輪もめみたいなのも面白かった。のに 後半、長さを意識してしまった。

    最後、その「渦中のひと」が 一歩踏み出す 大切なシーンがありますよね。あれは いろんな捉え方があるだろうけど。

    あのあとに 渦中の彼が どう現実と向き合うのか に 興味ある


    登場人物は みんな好き。

    ただ、2時間近い長さで 悪い言葉を使えば観客を拘束しておいて
    あの猛ダッシュのようなラストは ないだろう。ぷんぷん。

    もう一幕、やはり足りませんでしたよ。


    私は そう思います。

  • 満足度★★★★

    たかが宝くじ、されど・・・
    「渦中」という言葉の通り、とある僻地の島を舞台に、混沌としたカオスのように渦巻くコミカルな人間像を、丁寧に描いた作品という印象を受けた。親と子、夫と妻、島に暮らす男と女、そして島を訪れる女たち・・・それぞれが保有する苦悩。それらはひとつとして同じものが無く、それゆえに救いが無い。CASTの個性があまりに強く、おそらく最も大事なシーンの会話を聴き逃してしまった(涙)。1時間50分という長時間の大作は見応え充分。脚本、演出ともに、実に高尚且つハイセンスな作品であった。

    ネタバレBOX

    観劇はじめとおわりに流れる寄せては返す海の波音が心地よい。夫とうまくかみ合わない圭子役の「勝平さん」の表情が豊か。また、圭子の姉役の「辻川さん」の存在感は圧倒的。独特のオーラのある女性とお見受け。とても50歳とは思えない貫禄。ラスト、女で一人で育てたひとり娘に包丁を向けるシーンに胸が詰まった。

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