満足度★★★★★
久し振りの。
STRAYDOGさんでした。
相変わらずの華やかな舞台。昭和のにおいのする舞台。
今回は原作物という事で、原作を読んで行きました。
森岡さんの主人公への愛情が溢れていて、
原作で感じた虚無感は薄れ、21歳の若者の鬱積した感情と
寂しさ、悲しさがはっきりと表に出た、激情の2時間だったと
思います。
流れは、ほぼ原作通りでしたが、
原作を知らない人にとっては、ちょっと脈略が掴めない部分も
あったかなーと思います。
役者陣の個性もふんだんに生かされ、独特の雰囲気は
ちょっと、つかさんの芝居を彷彿させるものがありました。
照明の使い方とか、展開の仕方とか、そんな空気を感じました。
3日間観たのですが、2日目の夜が一番良かったかな?と
思っています。
主役の塩野くんは初の主演ということで、
勢いに任せた若者らしい芝居をしていました。
それが、主人公の「虚勢感」や「意地」みたいなものと
シンクロして、ラストまでの高まりを上手く表現出来ていたかなと。
勢い故の平坦になりがちな芝居を、周りを固める手練れの役者陣が
絡む事で、うまくカバーされていたように思います。
ネットの世界と現実の世界。それも命を掛けてのやり取りの
温度差とか理不尽さとか、くみ取れない事もなかったのですが、
若干、とっちらかった感じになってしまったかなと思いました。