ロミオとジュリエットのこどもたち 公演情報 ロミオとジュリエットのこどもたち」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 20141004
    (^・ェ・^)

  • 満足度★★★★

    ラブストーリー
    面白い。170分(休10分)。

    ネタバレBOX

    前半(70)
    ジュリエット(後藤まりこ)とロミオ(亀島一徳)の悲劇。
    後半(90)
    現代。ラブストーリーを探す探検隊の一人、古泉(亀島)の話。ラジオジョッキー笛(島田桃子)を通じてロミオの記憶と同化し、ジュリエットの元に到達、二人は再会する…。

    前半の駆け足な舞台が求心力に欠けるように感じたけども、舞台転換を経て、ロロな空気感に満たされる。「ラブストーリーを探す」ってとこにユーモアとロマンを感じる。終盤の、上からジュリエット、古泉(ロミオ)、ミス・ロマンティックレッグ(ジュリエットの死を悲しむ乳母)の紙ふぶきのシーンとか古泉が積み上げられていくブロックを登っていくシーンとか最高にいい。かわいいだけでなく、ロミジュリな哀しさがベースにある舞台だった。

    ミス・ロマンティックレッグを演じた伊東沙保はやはり上手い。紙ふぶきシーンだけでなくちょいちょいいい雰囲気で魅せてくれる。(自作の)ラブストーリーが灰になっちゃった悲しみシーンはグッときた。
    四世紀越しのストーカー・白鳥満月(望月綾乃)の届かない感もいい。古泉に恋するマキュマキューシオ(篠崎大悟)もいい存在感出してた。笛を演じた島田もジュリエットを演じた後藤も普通以上にかわいかった。
  • 満足度★★★★

    ラブストーリーのコラージュ
    『ロミオとジュリエット』をベースに様々なラブストーリーがコラージュされた作品で、後半の三浦さんなではのシュールで重層的な展開に引き込まれ、休憩込みで2時間40分程の比較的長い上演時間が気になりませんでした。

    前半は大幅なカットはあるものの原作に沿って演じられ、ロミオとジュリエットが死ぬラスト直前から独自の展開となり、休憩の後は三浦さんオリジナルのラブストーリーにまつわる物語となる構成でした。
    3階建てのセットの2階にはターンテーブルが設置されていて、前半はレコードをスクラッチするのに合わせて早回しのような台詞と動きで次々に進み、ロミオとジュリエットが初めて合うシーンは音楽と共に何回も繰り返されるのが印象的でした。
    クラシカルな装飾が施されていていたセットの表層が取り外され素の足場に変化することによって古典から現代に接続され、『トリスタンとイゾルデ』『金色夜叉』『タッチ』『東京ラブストーリー』といった古今東西のラブストーリーの断片が『ロミオとジュリエット』と被さり、幻想的な広がりが感じられました。
    後半は、女隊長が率いるラブレターを探すグループ、工事現場で働く人達、死者と繋がりを持つラジオDJとそのリスナーといったエピソードが同時並行し、カオティックな雰囲気が魅力的でした。終盤では愛が時代・場所・性別を超越した普遍的なスケールで描き出されていて壮観でした。クライマックスの吊り橋効果的なスリリングで高揚感のあるシーンが素晴らしかったです。

    前半と後半で色々な要素が関連付けられていたのが良かったです。前半で死ぬ場面が描かれずに時間がフリーズしてしまったジュリエットが後半では常に3階の中央で静かに佇んでいたのが効果的でした。後半でも『ロミオとジュリエット』の台詞やシーンが効果的に引用されていて、有名なバルコニーのシーンが印象的に変奏されていました。原作ではあまり目立たない、ロミオがジェリエットに会う前まで恋焦がれていた女性、ロザラインを大きくフィーチャーしていて恋の切なさを描いていたのが新鮮でした。前半の様々な場面で登場していたレコードと双眼鏡が聴覚と視覚を象徴する物として後半で扱われていたのも興味深かったです。
    後半は素晴らしかったのですが、前半は文体と早口のせいもあって台詞が聞き取り辛く、後半での引用が引き立たなくなっていたのが勿体なく思いました。

    音楽の使い方がただの雰囲気作りのBGMとしてではなく物語に密接した物となっていて、様々なラブストーリーの音楽がコラージュされて1つの曲になって行くプロセスの盛り上がり方が気持ち良かったです。

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