I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE 公演情報 I LOVE YOU,YOU'RE PERFECT, NOW CHANGE」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    スペードを拝見
     オフブロードウェイで絶賛を博したという作品だが、如何にもアメリカ的だ。というのも、ありとあらゆるレベルで管理された社会だからだ。大分以前にも書いたことがあるが、通常、どんな時代のどんな社会体制でも支配層が全人口に占める割合は5%である。然し、アメリカに限ってはそうではない。2%が残り98%を支配下に置いているのである。(追記2014.10.11)

    ネタバレBOX

     恐らく3S政策という言葉を聞いたことがあるという方は多かろう。日本を占領した米軍が、大衆の目を政治から逸らす為に用いた政策だと言われている。3つのSは、Screen,Sports,Sex其々の頭文字である。これらを解禁、流布させることによって、大衆は自らの意志で、それらを選んだと勘違いし本能の赴くままに身を任せる。結果? 明白であろう! まあ、このやり方に似たようなものだ。超管理社会であるアメリカは大衆にそのことを気付かせない方が良いと気を配る。当然だろう。2%では、98%に対抗することはできない。もし本気でマジョリティーが掛かってきたならば、負けるのはいかに権力があろうともマイノリティーである。問題は、マジョリティーに優れたリーダーが居らず、彼らを纏めることができないことだ。そのようにしておく必要がある。マイノリティーがマジョリティーを支配する為には。だから、幻想と快楽もしくは娯楽を与えて大衆の目が決して自分達、為政者の悪事に向かぬよう操っているのである。だが、如何に大衆が愚かであろうが、身体は、押しつけられた軋轢に素直に反応する。今作に評価すべき点があるのは、その視座であろう。即ち体制のイデオロギーを補完する挿話にブラックユーモアを加味しているのである。
    作品の作り方としては、各プロットを男と女をテーマとし独立した小品として次々に呈示してゆく手法を採っているが、その根底に広がっているハズの“何故、このような作品が出て来たのか? 成立しているのか?”と言う必然性をフォローする視座が、弱い。演者、演出共に深く考えるべき点であろう。
    それを考えた上ならば、男女が避けて通ることにできない性の問題を扱いながら、何故、健康的で、ノーマルなヘテロセクシュアルではなく、ゲイ、レスビアン、SMなど歪んだ性の形ばかりが描かれるのか? 自分なりの解釈ができるハズである。

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