ヴァルプルギスの羊 公演情報 ヴァルプルギスの羊」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 残念
    芝居自体は面白かったのだが、
    時間がちゃんとなってなかったのが非常に残念だった。

  • 満足度★★★

    アフターイベントが異なるので注意
     自分の拝見した回は、アフターイベントで短編の劇作品が1本入り、都合2作品を拝見した。日によってアフターイベントの内容が異なること、時間的に長いのは、全体タイトルに付けられているのとは別作品であることに、注意しておくこと。

    ネタバレBOX

    「Bz@may beせかい」
     ゲーテの「ファウスト」を下敷きにした、ということであるが、原作の精神性は総てスポイルされ、ただ、メフィストフェレスやホムンキュロスが登場するばかりで内容は全くの別物である。他人の為に生きる、という擬制を演じ続ける凡庸な男が、妻に離婚を迫られる。無論、妻には、既に男が居て、それも会社の同僚であるのだが、主人公である寿樹は気付いていなかった。凡庸な男らしく娘と遊ぶことを唯一の楽しみとしている。だが、離婚届を妻から突きつけられ、終に人生を降りるか否かの選択を迫られるのだ。そこへ、メフィストフェレスが現れて、契約を迫るのだが、寿樹は生きることを望んでおらず、大した夢も無い。
     然し、娘、真代にとって父は、特別の存在であった。姿の見えなくなった父を求めて、娘の魂は幽体離脱を起こし、父や、ホムンキュロス、悪魔や錬金術師、神とその僕たちのいる、亜空間へ迷い込むが。(上演中なので、ネタバレはここ迄)
    ★2つ
    「ヴァルプスギスの羊」 
     10歳で母を失くした少女は、男を吸い寄せる力があったとみえ、人生の早い段階で男に教え込まれた。その後は、自らの魅力を武器に一人立ちし、女を武器の商売を選んだ。描かれているのは母が亡くなって10年後の彼女の暮らしである。街の名士は彼女の馴染み客。名士の息子は、矢張り彼女の客だが、父とも関係している彼女にぞっこん、結婚を迫っている。彼女は、自らが穢れていると認識しているから、また、彼女の母もまた娼婦だった呪われた血、或いはであるが故の矜持から、甘ったれた坊ちゃんの求愛を蹴る。然し、彼は、市長である父を市庁舎で監禁。事件を起こした。この場に居合わせた彼女は、彼の持っていた凶器を自ら奪い、彼を罪から救った。その後、自由の身になった2人。結婚を再び申し込む息子であったが、今回もまた、拒否される。然し、今回の拒否は、今は駄目、であった。
     直前に演じられた作品が一応、ゲーテの「ファウスト」を下敷きにしている関係でワルプスギスが出てくるのである。尤も、魔女の祭典というよりは、娼婦の、穢れを重々承知している娼婦の、それ故の寂しさを描いた作品と言えよう。正月、お盆は、娼婦の自殺率が跳ね上がる。そんな統計の内実とは、何処にも居場所の無い寂しさを抱えた娼婦という賎民の哀しい在り様である。そして、このような哀しみを感じることさえ拒否している現代の売春婦たちの救いようのない地獄である。★4つ

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