臘月記 公演情報 臘月記」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★

    はじめまして
    なぜかわからないが、何か惹かれるものがあって前日に決断し、なんの予備知識もないまま観劇。受付で血のりを浴びても大丈夫か聞かれたときはびっくりしたけど、これは面白い!一発でハマってしまった♪開場中の物販や”結界”の配布等はとても良かったと思うが、入場するまでの運営スタッフの連携がいまひとつだったことだけがちょっと残念。

  • 満足度★★★★

    コアファン
    コスプレ会場みたいな。

    ネタバレBOX

    SMっぽい快楽に溺れる女性らによって昭和初期の退廃した雰囲気を醸し出し、菊の家という牛丼屋の若き124代当主、即ち昭和天皇を登場させて226事件に結びつけ、謀反兵を銃殺して血しぶき放水の場を設けることでアングラ色を強調するものでした。

    前方中央の3×3から4×4ぐらいの範囲でしょうか、宝塚でいうところのSS席と言うような辺りが血しぶきが掛かる席でした。血糊が掛かっても良いか否かを聞かれ座席を選択したのですが、実際は血糊べっとりではなくシャーシャーした血しぶきでした。さらにはもっと四方八方に撒き散らすのかと思っていましたが意外と狭い範囲への一点集中型赤っぽい水の放水でした。

    女子高生の格好をした人や浴衣を着た人などがびしょ濡れになっていました。終演後役者さんに拭いてもらうのが嬉しいのでしょうか。

    昭和の雰囲気、アングラ、ケバケバしさ、コアなファンの存在などからレティクル東京座を思い浮かべました。歴史的には虚飾集団廻天百眼の方が古いのですが、最初に観た方の手法が印象に残るもので、自分にとっての早い者勝ちについてはいつものことながら申し訳ない気持ちになります。
  • 満足度★★★★★

    自分はとても好き
    アングラというと現代口語演劇全盛の今はちょっとダサいというイメージかもしれないけれど、
    それは単にパッとしない人たちがパッとしない作品を作ってしまうことが多いだけなんだよなぁ・・。

    アングラはきちんと作ればカッコイイよ。
    ただし湿っぽくならないように。

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    少なくとも観るだけだって、つまんない服着て代官山歩いてるよか、
    観劇帰りに血糊ちょっと残ったまま帰る方が断然イカしてるんじゃないか?

    血糊ちょっと残ったまま電車乗ってたって、
    少なくともホームレスの人に臭いから降りろって説教してるサラリーマンのオッサンよりか
    全然人間的だと思う(縄張りかっつの
    自分は良いと思うんだけど。

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    その当時は最先端でも、今は見慣れた日常。
    形だけ真似してもダサくなるのが当たり前。
    別に再現するだけならお金とって見せるほどのものでもないんだよなぁ・・YOUTUBEにアップする程度で・・。

    そもそも口語演劇を作れば最先端かっていうと、そんなことは無いんだよなぁ。
    ダサい奴の作る作品はマームの真似しても所詮時間潰しでしかないんだよなぁ。

    廻天百眼は結構前から、すべてではないケドちょくちょく観てるし、岸田作品も読んでいる。
    その上で言うと、今回の作品はとても良く仕上がっていたと感じた。

    作品自体は、何よりとてもシンプル。

    役者の動きを生かすために戯曲があると言うか、
    役者たちが遊ぶための玩具が戯曲。

    ・・うん、それでいい。

    玩具にしてバラバラに引きちぎってしまうくらいで構わない。

    岸田作品はベケットよりは寛容なんじゃないかと思う。
    同じ位優れてはいるが。

    いや、正確に言うと深いところで結びついている。
    老いらくの生についての憧れがどこかに秘められている。

    劇中に出てくる政治的な要素はより表面的なモノのようにも感じる。

    観客席の最前列にいる女性たちも含め、役者の若い女優が
    若さなんて不要と言う言葉に共感していたように見える。

    これって、とてもシュールなんじゃないかなぁ。
    そして今の多くの若い女性の気持ちを代弁しているんじゃないのか。

    日本において、女性の若さと言うのは最強の道具であると同時に、
    自分たちを傷つけ血を滴らせる刃でもある。

    それは、今も昔も変わらない。
    いや、むしろ消費社会の発達した今の方がその被害・負担は大きいかもしれない。

    男性の読み手にとっては、
    過去の政治的背景を濃厚に反映した伝奇ロマンではあっても、
    現代の若い女性たちにとっては、
    生涯女性としての血を滴らせた、
    もうこの世にはいない大先輩でもある。

    若さなんて不要。
    ならいっそ、人目につかないところで枯れていたい。

    逆説的であると同時に美しい詩だ。

    女性にとって、永久に若くありたいと言う気持ちと、
    瞬時に枯れ果てたいという渇望は
    正反対ではあるが同じところから来ているんではなかろうか。

    ロリコンだらけの日本男性たちのただなかで。

    ネタバレBOX

    この舞台の面白さは、
    男優が演じる男性が、傀儡のような動きをするのに対して、
    女性が演じる男性の方はもう少し人間らしい動きをする。

    ある意味この演出はとても日本らしいとも言えるかもしれない。

    女優が語る女性としての言葉には艶やかさがあるものの、
    男優が語る台詞は傀儡のような動きを伴にして多少ぎこちなく発せられる時がある。

    台詞よりかは動きによって。

    生き生きと死体を演じる女優たちの動きによって。

    何を感じるかは人それぞれかもしれないけれど、
    自分はこんなにも瑞々しく爽やかな絶望に久々に出逢った気がして、
    ちょっと胸のすくような気がした(苦笑
  • 満足度★★★

    ネタばれ
    ネタばれ

    ネタバレBOX

    虚飾集団廻天百眼の【臘日記】を観劇。

    戯曲は岸田理生で、この劇団は寺山修司などのアングラを主に行っている劇団だ。
    劇場に入るや否や、客席に血のりがかかるので要注意!と防御用にビニールシートを配ったり、前席を陣取っている熱狂的なコスプレギャルがいたりと、アングラがやや秋葉的なノリで変だが、劇場は熱気ムンムンだ。
    そして久しぶりの小劇場で味わえる高揚感はたまらない。
    がしかし........、岸田理生のアングラ感をただの奇妙な世界観としているのが解釈の間違いで、背景に描かれる政治的背景をお座成りにしている辺りが世界観を全く駄目にしている、いや理解していないのではないのかと感じてしまう。世代的には岸田理生には関係ない、観た事もない世代のようだが、現代口語演劇が演劇界を席巻しているなか、このような反逆精神は非常に交感が持てる。
    次はオリジナルで勝負してもらいたいものだ。
    でも二度と観ないと思う。
  • 満足度★★★

    豆腐
    岸田理生作品は初めて。110分。

    ネタバレBOX

    話自体よくわからんようななんとなくわかるようなという感じ。セリフ部分の調子があんまりピンと来なかったかな。終盤のパフォーマンスな感じは、グッと良かった。若い年齢のキャスト勢でありながら、怪しげな空気が出てた。

    血のりのシーンは、客の血のりに対する姿勢で派手さが変わるんだろうけど、ややショボかった。機関銃の調子も悪かったみたいだし。作品の中でも結構見映えするような箇所なんでやや残念。
  • 満足度★★★★

    妖しい世界を堪能!
    女優主体の役者たちが和装をして繰り広げる、“昭和猟奇浪漫”ともいうべき妖しい物語を堪能。

    劇団員の知り合いなのか熱烈なファンなのか、前方席にはセーラー服姿のうら若き女子たちがスシ詰め状態で陣取り、熱気ムンムン(絶滅語)のなか公演はスタート。開演前の物販タイムではセーラー軍団のお目当てである美しき女優たちが元気な口上とともに威勢よくグッズを売りさばき、このノリのまま本番に突入するのかと思いきや、役者陣は幕が開くなりモードを切り替え、修辞を尽くした理生流のきらびやかでエロティックな長ゼリフを自在に繰り出し合いながら上述の如き妖しい劇世界を醸成。丸尾末広氏の漫画を彷彿させる退廃的で倒錯的なその世界に、氏の漫画をそのむかし愛読していた当方はグイグイ釣り込まれた。

    このなまめかしい劇世界を構築したのが平均年齢24歳の若手集団だなんて、にわかには信じがたい。。。

    ただ、その世界は完全なる作り事の世界。虚構性が強すぎるあまり我々の生きるこの現実との接点が感じられず、閉じられた耽美世界を万華鏡を覗くが如くに楽しんでいる感覚にとらわれ、その点に物足りなさを感じたことも率直に記しておきたい。
    満点にしなかったのはこれも一因。

    なお、男役の大半は女優陣が男装をして演じています。

    ネタバレBOX

    舞台にはタテ長の蚊帳のようなものが2つ。それぞれの中にこもったドラマー2人が叩き出すビートに合わせて和装の妖しき美女たちが歌い踊る合間合間のパフォーマンスのカッコよさにはシビれました。

    こうしたパフォーマンスをもっと増やし、今公演よりもっともっとレビューショー的色合いを強めたほうがファンもおそらく喜ぶし、たぶん私も喜ぶと思います(笑)。

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