Shampoo ~花の香り~ 公演情報 Shampoo ~花の香り~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    タイトルと内容の関係をもっと考えたい
     若い劇団で経験が浅いということが、シナリオ、演出、演技総てに出てしまった。

    ネタバレBOX

     シナリオについては、みのりの恋人、ただしが警察官の採用試験を六度も落ち、為に自暴自棄になってギャンブルに走る姿が描かれるが、破綻の描き方、内面の苦悩の描き方に深みが感じられない。予定調和で本当の破綻が無いのである。言葉との距離の取り方にも疑問が残った。表現は、裸の己に麻酔無しでメスを当て、切開し、施術する行為である。そのようなレベルで向き合うことが、最低限一度は必要だ。プロとアマチュアの差がこういう点にこそ出るからだ。
     演出では、役者の間の取り方に、更に気を配って欲しい。間については、会場内でのアンケートに書いた通りである。演技については、個々の役者陣の今後の努力に期待する。
     一所懸命だし、他人の意見に耳を傾ける謙虚な姿勢があるので、少し厳しいが、今後の為を思って書いた。初志を忘れず、精進して頂きたい。
  • 正統派、錆びず。キラリと光る明日を追い求め


    「残りモノには福がある」という。
    この格言が、クリスマス・プレゼントの交換会で、どれほどの少年少女を裏切ってきたか。
    想像に容易い。



    スミタ・ナオタカ氏は「正統派」だ。下手な踊りや笑い、事件に逃げず、ひたすら「ドラマ」を伝えている。
    たしかに「叫び声」は小劇場のボリュームではない。「うるさい」と感じた観客も60㌫以上にのぼったはずだ。

    しかし、スミタ・ナオタカ氏は、そうした台詞使いであっても、「激情」ではなく、むしろ「場を鎮めさせる」のだ。「ヒューマニズム」が彼の基盤にある。



    「夢を追いかけているのか、
    夢に逃げているのか」


    この台詞が一番、素晴らしい。


    普通なら国家試験を5浪した男を「現実から逃げている」と断罪する。スミタ・ナオタカ氏の記す「夢に逃げている」はニュアンにおいて近いが、夢に向かい努力する人間しか解らぬ文章だと思う。


    浪人生活を続け、町工場就職を拒む葛西 正(スミタ ナオタカ)。彼女想いの男だ。雑貨店を飛び出すシーンは どうしても同情してしまう「寂しさ」がある。これはスミタのぽっちゃり体型ゆえかは不明だが、「背中で語る」ことを地でいく演技だ。

    「現実」を直視していなければ、毎日憔悴することもない。
    「パチンコ依存症」人間は「現実」を耐えられない弱さだろう。

    ネタバレBOX


    上演時間は1時間05分ほど。

    「ストーカー殺人」が かなりシリアスな題材であるが、演劇的クライマックスを欠落した「物足りなさ」も実感した。
    弟・葛西英彦(川野 洋)が彼女の黒下着を所持していたとすれば、それを付箋とし、「嫉妬心」から第二の事件が発生しても 良いクライマックスだったろう。
    「正統派」演技は認める。
    私が要求したいのは脚本(展開の持って行き方)である。



    終演後の挨拶は30劇団に1.2あるかないかの感動スピーチだった。
    彼らは舞台と同じか、それ以上の分量で観客をハートフルにさせた。
    昔ながらの定食屋のように「自分の頭で考える」役者たちだ。



    「こんなに たくさんの方に毎回ご来場して頂き、本当に、本当に嬉しく思います」


    これが、「正統派」である。
  • 満足度★★★

    夢を追っている若い劇団
    本公演初日の初回を観劇致しました。
    まだ若い劇団で、緊張も伝わる中、皆さん熱演でした。

    ネタバレBOX

    私たちは、「夢」を追っているのか?「夢」に逃げているのか?
    ぐっと来ますね、この説明文!
    舞台中にも出てきますが、誰もが一度は考える事でしょうか。
    主役の男性の方は、警察官になる夢はあきらめますが、女性の方は引き続き、夢を追います。その女性の追う夢とその女性との未来が男性の新しい夢になるような終わり方でした。
    皆さん、熱演でしたが狭い舞台だった事もあり、少しセリフに熱が入り過ぎて声が大きすぎた個所もあったかな。

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