しゃっふる 公演情報 しゃっふる」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★

    切れ味勝負なお芝居に自分も斬られた・・・
    スペード回「見栄も強欲も不安の顕れ」を観賞。

    ギャラリー(20畳ほどのビルの1フロア)内に、
    観客席(折りたたみ椅子)に囲まれる形で仕切りもなく
    真ん中にソファやテーブル、お酒のたぐいなどが用意されている。

    そして、大学のゼミで一緒だったメンバー達が
    同窓会としてレストランに集まり、
    食事も終わってそれなりにお酒の回っている状況、
    でスタート。

    劇場型の舞台とはまた違う、同じ目の高さ、
    同じ部屋の中でのお芝居に、
    まるで「本当の同窓会」を、
    見ているというより壁の花として自分も
    参加しているかのような空気感。

    そして・・・

    「物語」としてのお芝居ではなく「同窓会」という演技、
    そこから30分以上をかけて演じられるメンバー達の
    (表面上の)大人としての自分たちの
    「今」についての語り合いから、
    一気に主題に迫る怒涛の流れ、
    主人公(なのか?)の最後の締めに、
    自分もズバッと斬られてしまった、という感覚でした。

    ほんと「何を見せたいのか」というオチひとつで
    勝負するタイプのある意味すごい空気感を持ったお芝居でした。

    ネタバレBOX

    同じ大学のゼミ生だった仲間達が数年ぶりに同窓会に集まり、
    ゼミ仲間の1人の旦那のレストランを貸しきって、
    食事も終わりそれなりに酔いも回って話もはずむ
    (一部メンバーは遅れていてまだそろっていない)。

    ゼミ生時代の昔話やそれぞれの今の生活
    (仕事、結婚、子供、お店を出した、夢を追っている、など)に
    ついての語り合い、それがギャラリー中央7,8人の
    演者達の間で繰り広げられます。

    まさにほんとに「同窓会」、
    ・ 酔いが回って話がはずむ者
    ・ 車で来たから、と酒は飲まず落ち着いている者
    ・ (雰囲気的に)みんなからちょっと浮いた
      (というか距離を作って)連中を見ている者
    などで、

    ・ 「同窓会」に新しい人が登場する度にその人が話の中心になったり

    ・ それぞれ数人の会話のグループ(2グループ)に
      分かれてバラバラにリアルな会話を始めたり

    と見ているこっちは誰を主軸として追ってよいのか、
    誰の話を聞いたらよいのか分からず混乱してしまう、
    まさに「同窓会」という空気を同じ部屋で
    (自分も距離を置いて)見ている、という感じでした。

    この時点では「この後どういう形に展開する?」と少々の不安も。


    その中で
    ・ 公務員生活も大変
    ・ 結婚して幸せ
    ・ 子供も生まれて幸せ
    ・ 震災で「大切な人」について考え、結婚を決意した(レストランの店主)
    ・ お店を出してなんとかがんばっている
    ・ 役者/芸人としてたまにTVに出たりお芝居もしつつ、
      アルバイト生活を続けている
    など、それぞれの「今」が明るい方向で語られます。

    しかし、フリーのカメラマンを続けているという1人の男が、
    その輪からどうにも浮いた雰囲気を出しています。


    そして、同窓会の主催者だったゼミ生仲間の男性と女性が
    「実は自分達は付き合っていて今度結婚する、
    それをみんなに報告する為に今回この同窓会を開いた」
    というお話にみんなが更に盛り上がります。

    ※ この後、またグループに分かれて会話している中で
      フリーのカメラマン(多分主人公的な立ち位置)に対して、
      「○○と付き合ってたんじゃないの?」と
      話しかける女性など少し不穏な会話が聞こえてきますが、
      それも「同窓会」の演技の中でバラバラに繰り広げられる
      会話の中にまぎれてしまい、重要な話だったのか、
      それとも単なる昔話の1つだったのか、
      この時点ではまだ判断がつきません。


    そして、
    ・ 酔いつぶれて眠ってしまう女性
      バイト疲れで眠ってしまう男性
      それを介抱するメンバー

    ・ 子供が熱を出したと心配し、家へ帰る事にした男性と、
      「自分は酒を飲んでないから車で送るよ」と、
      「後でまた戻る」といって出て行く男性

    そうやって同窓会の場から人がほとんどいなくなった時、
    フリーのカメラマンが1人、楽しい雰囲気に混ざらず距離を
    置いていた理由が分かります。

    結婚を発表した男女の女性の方は、
    このフリーのカメラマンの元恋人でした。

    まず、結婚する男性(友人)の方が部屋に戻ってきて、
    カメラマンと「(カメラマンの)昔の彼女と結婚する事」について
    少し話をしますが、カメラマンは「気にしてない」というそぶりを見せます。

    次に入れ替わりで部屋に戻ってきた彼女とカメラマンとの会話で、
    ・ 当時彼女はカメラマンとの結婚も考えていた
    ・ 「何故あんな事をしたの?(浮気か何かをされた?)」と
      彼女から別れを決意、実際に別れた事
    ・ 「あんな事をした」理由としてカメラマンは
      「フリーでこれから起業など色々な事を考えている自分に対して、
      ”結婚”する事で”(足)カセ”がつくのが怖かった」

      ※ 自分も「結婚して女房子供を養ってく自信なんてないし、
        自分のやりたい事をやるだけで精一杯」と常日頃から思っているので、
        この”(足)カセ”という言葉がなんとなくしっくり来ました。

    と、さっきまでの喧騒が嘘のように段々と場の空気が暗い方向に向かいます


    そして、遅れてやってきた通称おっさん
    (ゼミ生の中で1人だけかなり年長だった為このアダ名がついた模様)。

    結婚の話に喜び、カメラマンの勧めでお酒を飲みますが、
    おっさんは「絡み酒」で有名な人物でした。

    そこへ車で友人を送った男性が戻ってきて、
    おっさんに「ひさしぶりじゃないか!」など親しげに話しかけますが、
    おっさんの方は「お前俺に謝る事があるんじゃないのか!?」などと
    激昂します。

    カメラマンに「言うべき事は腹に溜めずに言った方がいいぞ」などと
    更におっさんは煽られ、
    かつてゼミ生時代自分(おっさん)の研究成果を男性が盗用した事
    (雰囲気的には事実のよう)について怒り、
    男性と取っ組み合いの喧嘩をしようとして仲間たちに止められます。

    そして男性は「どっちにしろ過去の事だろ、付き合いきれない!」と帰ってしまいます。

    そしておっさん自身も帰ってしまいます。


    周りのメンバー達はカメラマンに「なぜ、おっさんを炊きつけた!」と怒り、
    おっさん達の後を追います。

    そして自ら同窓会をぶち壊し、最後に残されたカメラマンが1人、
    「みんな誰かのせいにしてるじゃねーか!」とつぶやくとともに
    場が暗転して終劇。




    まず、自分もフリーで仕事をしている身なのもあり、
    フリーのカメラマンの心情が少し分かるような気がしました。


    そして、前半「同窓会」の中で
    ・ 結婚しての幸せだったり
    ・ 生まれた子供の可愛さを語り、
      熱を出した子供を心配して帰る者だったり、
    ・ 震災で大切な人についての事を本気で考え結婚し、
      一緒にレストランを始めた者だったり、
    ・ 花屋を経営するだけで精一杯で結婚なんて考えられない、
      と言う者だったり、
    ・ 夢を追って芸人を続けていたが、田舎の両親が心配で
      もう故郷に帰ろうか迷っていた者だったり、
    というそれぞれのいい話部分についても
    (全部が全部ではないと思いますが)

    このカメラマンの「みんな誰かのせいにしてる」が
    引っかかってくるんじゃないのかな、という気持ちにさせられてしまいました。


    表面上の「今の幸せ」について語るゼミ生仲間達に対して、
    「本性(ほんとにそうなのかは分かりませんが)」的な部分を
    指摘したカメラマン、
    自分自身、このオチにざっくりと斬られてしまったような気がします。


    場所的な条件からも「物語性」のあるお芝居は難しいと思いましたが、
    こういう形の演技で「雰囲気」を観客と共有し、
    伝えたかったメッセージをオチとして斬りこんで来るお芝居、
    これはこれでかなり「上手い」んじゃないかな、という気がしました。
  • 満足度★★★★★

    しゃっふる
    『見栄も強欲も不安の顕れ』『時間と責任に追われる幸福』両方観て来ました☆順番はすぺーど→くらぶ→すぺーどです。
    『見栄も…』は会話劇って言う形式なのかな?初めて見る演出だったのでスピードに戸惑いました(汗
    序盤は台詞追うのを諦め感情、表情、雰囲気を追っていました。ですがそれがあの場に入り込める良い要素だった気がします。
    人間関係やタイトルのそれを各キャラクターが確立していて個々に移入して観られました、一回目は。
    二回目はあるキャラクターを中心に見ると全体をどこまでも俯瞰で観る事が出来て多面性を感じ、ある瞬間にフッと最初の面に戻るような正にしゃっふるされてしまいました!(ドヤ!)
    『時間と…』は主人公に感情移入しまくってしまった(汗
    軋轢、摩擦がヒリヒリ感じられますw
    そして今しゃっふるされた瞬間が俺には絶望的でした
    丁寧な描き方だった印象で俺は好きです。

    ネタバレBOX

    すぺーどはスガワラ中心で観るとカチっとハマります。キャスト観ても主人公はスガワラかな?
    くらぶは理解していない事が多いけど(汗
    イナバは研究室引き継いだ気がするなぁ
    ラストで室長の椅子に座るのが苦悩の表現というだけでなく室長になると暗示している感じがしました。
    そう考えるとしゃっふる感が増して面白いです♪
    まぁ、どうなんでしょう?w
  • 満足度★★★

    ぼくたちの失敗にゃんちって
     大学卒業後、久しぶりの飲み会に集まった面々。現役生でも既に29歳。晩婚化した昨今と雖も既婚者も多く子持ちもいる。また中には7年ぶりに皆に会う者も。偶々、仲間の一人がレストランオーナーと結婚した関係で、その店で貸し切りパーティーをしている最中だ。他愛ない話が続き、互いに腐し合ったり、近況報告をしたり、この店のオーナー夫妻のなれそめ話に花が咲いたりと話は弾むが。(追記後送)

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