満足度★★★
現代的で原始的
ダンスの中村恩恵さんと打楽器奏者の加藤訓子さんがルカ・ベジェッティさんの演出の下でクセナキスの曲でコラボレーションした公演で、踊りと太鼓という原始宗教を思わせる組み合わせから生まれる高揚感が印象的でした。
打楽器6重奏『プレイアデス』は加藤さんが全てのパートを多重録音した音と映像が流され、加藤さんは演奏しないパフォーマーとして出演していました。4つの部分からなり、『総合』では舞台上に散らばって置かれた打楽器を2人が上手にセッティングして行き、『メタル』では加藤さんが下手奥に佇む中、中村さんが幅4m×奥行1m程の照らされたエリアの中で踊り、『鍵盤』では前半は映像のみで後半からダンスが加わり、『皮物』では加藤さんが楽器やバチを持たずに音に合わせて踊る様にエア演奏するところに中村さんが介入するという展開でした。
『プレイアデス』から切れ目無く、同じくクセナキス作曲の打楽器独奏曲『ルボンa』が生演奏され、録音とは異なる臨場感に圧倒されました。『ルボンb』では中村さんも激しいダンスで加わり、ジャズのソロバトルの様でスリリングでした。
『プレイアデス』は音楽もダンスもそれぞれは良かったものの総合的なパフォーマンスとしては何故かあまり楽しめませんでしたが、『ルボンb』は強く引き込まれました。
出演者2人、上演時間1時間強でチケット代6000円は、世界的に活躍するアーティストとはいえ少々割高に感じました(そのせいか、大きな会場でもないのに空席が結構ありました)。