白い象が夢を見るとき 公演情報 白い象が夢を見るとき」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-1件 / 1件中
  • 満足度★★★★★

    考えさせられる
    最前列、上手端より観劇。
    想像はしていたが重い話であった。
    舞台の内容は素晴らしい出来。

    ネタバレBOX

    比較的若いキャスト陣と見受けられたのでどうなるだろう? と思っていたが心配は杞憂に終わった。
    リアリティに溢れ、観る側を惹きこむ素晴らしい芝居を見せてくれた。

    難病に冒された女性。医者を目指す女性の弟。画家を目指す女性の恋人。画家の夢に反対する恋人の父。女性の助けになるために現れたホームヘルパー。女性を診る医者。女性の弟の力になろうとする友人達……他にも、登場人物がいる。
    出番が多くても少なくても、興味を惹かれない登場人物は居なかった。
    脚本や演出も優れているのか、物語のテンポも良い。笑いも笑えないシーンの方が少ない。とても練られていると思う。
    自分が、何をしようとしているのか。それが、一体どういうことなのか。それらをよく理解されて演じられていたのではないだろうか。
    だからとても真実味があった。感情移入できた。

    照明や音響も非常に力が入れられていた。
    星のような照明。無数の四角い穴を通した照明。ツタのような照明。最後は客席をも巻き込み、舞台を盛り上げるのに工夫が凝らされている。
    終盤、寝たきりとなった女性と恋人は結婚する。立ち会う弟。
    みんな、追い詰められていた。弟は金も性根も尽き果てている。
    照明が青に変わり。寝静まった女性と恋人をよそに、弟が動き始めたとき。
    「やめろ。」と口走りたくなった。
    終盤のシーンは全て美しい。
    女性の為に恋人が描いた巨大な絵に、恋人と女性は消えて行った。女性を殺し、自らも命を絶った弟を残して。
    これも美しい締めくくりだった。

    これが旗揚げ公演だと言うのだから驚き。
    これからどんな芝居を作っていくのか興味が湧く。

    ピンとこなかった所。
    弟が医大を辞めたと言い放ち友人達に責められる。そこで笑いを絡めたところ。笑いは面白いけど……序盤から暗くはしたくなかったということか……
    弟が女性を殺してしまう。その直後の女性の独白。直前が予想がついていたとはいえ衝撃的なシーンなので耳に入ってこない。台詞の発し方がリアル寄り過ぎて聞き取ろうとしても難しい。パンフにも書いてあった台詞のようだったが……

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