満足度★★★★
Q初体験。面白い!
ガールズトーク演劇。
他の作品は観てないのでなんともいえないが、本作についてはこう括って構わないのではないだろうか。
短編2編から成る本作は、2作品とも、女優たちが自分の性やカラダ、恋愛などについて赤裸々に語り合う内容で、男性客たる私は興味津々で鑑賞。テーマがテーマだけに、扱い方を間違えると客を不快にさせかねないが、両作とも、交わされる会話は飛躍と逸脱に富んでいて楽しく、クスクスと笑いながら最後まで堪能できた。
笑いにくるまれていながらも、女優たちの交わす話は女にとってとても大事な恋や性に絡むものゆえ切実で真に迫り、たびたびハッとさせられたことも付記しておきたい。
満足度★★★★★
男の自分が評価するのは・・
完全に分かってるって訳じゃないのは十分承知(苦笑
大昔フランス人に
「メビウスやビラルのメタファーの意味全部わかる?分からないのに面白いってどういうこと?」
と言われたりもしたんだけど、
でもやっぱ面白いものは面白いと思う。
完全に理解できなくても、ビアンの人たちの感覚っていうのはいつもとても興味深い。
日常的に絡む機会は全くないが、以前音楽イベントのまえのトークショーでビアンの人たちの話を生で聴いて、こんなにも身近にいるっぽいのに、自分にとって全く闇の彼ら?の感覚が面白いと思った。
それについて、何がどうと自分から発言することもあまりないだろうけど、
この作品は少なくともエンターテインメントとして非常に面白い作品になっていたと表明する(笑
ビアンの人たちの心の中が完全に男なのか、それとも
女性の一種の形態なのか、という議論は後回しにして、
自分が注目するのは、女性という非常に多面的な生命の姿だ。
男性が洟を垂らして木に蜂蜜を塗って昆虫を待ち構えているうちから、
彼女たちの心は既に老成している。
男性が繊細で硬直した人生に固執し絶望するころには、
女性たちは既に未来に目を向けている。
男性にとってゲイというのは完全に異質の存在かもしれないが、
女性にとってビアンというのは女性の中にもある一つの形態かもしれず。
自分が女性について面白い、と思うのは、
女性たちがお互い自分たちの多面性を理解し合って、
色んな顔を見せ合うのを楽しんでいるのかな?と思うところだ。
男性同士の場合、
「ある一つのキャラクター」
が定着したりする男性は、状況に応じて自在に他のキャラクターを変える、ということはあまりないように思う。
あるとすれば、表と裏といった使い分けの場合がほとんどだと思う。
それに比べると女性は、はるかに多くのキャラクターの使い分けを女性たちの組み合わせに応じて楽しんで、
別のグループに属すると全く別の顔になったりする。
「男性の観客の目を意識しているのかな?」
と思われる女性の演出家の場合、意識してなのかわからないが、
女性の多様な面を出すのを躊躇ってると思われる場合がある。
物語として落ち着ける場合、
その方が当然まとまりもいいため
構成を複雑にしても理解しやすくなり、
戯曲に対しての社会的な評価も上がるかもしれないが、
人間の本質的な姿の描写という面では物足りなさも残る。
男性に見せるひとつだけの面だけでなく、
一緒にいる女性(あるいは子ども)に応じていくつもの面を持つのが
一般的であるように
自分には感じられるからだ。