タイジの記憶 公演情報 タイジの記憶」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★

    Huits closと比較すると
     Sartre Huits closにインスパイアされた作品だが、Huits clos同様出口は閉ざされる。その原因は殺人である。
     若い役者たちのチャレンジは認めるが、認識が浅すぎる。

    ネタバレBOX

     流星群を眺めながら、タイジは病気が進み「恋人のことを忘れたら殺してくれ」と頼んだ通り、彼女はタイジを殺害した。Huits closと似た設定で、閉じ込められた所から始まり、登場人物の科白などで観客に分かる設定だが、サルトルほど、自意識と外界の鬩ぎ合いは無い。もっとだらしない。ただ、彼女に縁のあった者たちが集められ、閉じ込められた。後戻りできない密室に。Huits closと根本的に異なるのは、サルトルの場合、死者達は少なくとも常に覚醒しており、そのことが他者という地獄へ繋がるのに対して、今作では、死者達の意識が途中途切れており、罪の意識に苛まれ続けるという地獄の前提条件が根本から痛めつけられていることである。当然のことながら、その後の設定、論理展開がやわなので救いなどという馬鹿げた落ちがつく。
     物語の詳細を書く気にもなれない。もっと、哲学というより生きることを勉強し直して欲しい。
  • 満足度★★★★

    通俗で青臭いけれど魅力的
    サルトルの『出口なし』を、今どきの若者的な感覚のなかで置き換えた脚本はとてもよくできていると思った。また若いけれど演技力のある俳優が揃っていて、芝居としての完成度はこれまで私が見たこの劇団の三本の芝居のなかで最も高い。主役の琴美役の女優は竹垣萌香はとても可愛らしいし、靖子役の塚本皆実はとても達者な俳優だった。70分、エンジン全開で突っ走る芝居だったが、展開にうねりとスピードがあり、単調にはなっていなかった。

    空席のある客席がもったいない。

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