珈琲法要 公演情報 珈琲法要」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
1-3件 / 3件中
  • 満足度★★★★★

    濃くて突き刺さる
    驚きと笑いに満ちた物語のおかげで、暗くて重い物語を構えずに受け止められました。津軽弁も楽しい。3人芝居で、三様に難しい役を自然に演じられてるなと思いました。そして3人の周りにいるだろう、たくさんの人達までも浮かび上がってきました。観劇後に、パンフの山田さんの言葉が突き刺さる、今演るべき公演だなぁと思いました。どんな絶望的な境遇でも、笑いがある事がどれだけ救いになるだろうと思いました。

  • 満足度★★★★★

    歴史の一コマ
    よくぞ津軽藩士の日記が残っていたものと思います。そして、よくぞ掘り起こしてくれました。

    ネタバレBOX

    蝦夷地警備に駆り出された津軽藩の人たちの話。

    そこにはロシア人であれ和人であれ、土地所有という概念を持ち行動する人間を憎むアイヌ民族の思想があったことを忘れてはいけないとつくづく思いました。

    津軽藩士や同じく駆りだされた津軽の農民は冬場味噌と白米で過ごし、脚気に罹って大多数が死にました。アイヌの女の父親は和人との戦いで死んだという過去がありましたが、今回の出兵では特にもめた様子はなく、アイヌの人を世話係として雇っていました。であれば、せめて干物の魚とか買えなかったのかと悔やまれますが、彼らは必要以上の動物や魚は捕獲していなかったのでしょう。

    女が脚気でいずれ死ぬことが分かっている津軽の男の口をふさいだ行動は恨みからなのか、楽にしてやろう的な考えからなのか悩ましいところでした。殺し切れなかったところをみると、和人に対する恨みはあるものの、冗談の一つも言い合った男には最終的には手が下せなかったということでしょうか。

    元気なご老体は樺太まで行ったとのこと、土地所有に拘る和人で申し訳ないですが、彼らが斜里や樺太まで行ってくれたお陰で今の日本が形作られているのだと思うと感謝の念に堪えません。

    すり鉢ですったカーヒィーはいい香りでした。
  • 満足度★★★★★

    この時代・・
    ロシア人をアジアの人々が恐れたのは良く分かる。

    赤鬼のような顔をして人を食う、とか言われても、
    実際、ロシアの探検家(=略奪者)たちは、
    海の向こうのアムール川流域なんかでそれに近い行為を行ってきた。

    国家という形態を持たなかった少数民族などは、
    今では言語に至るまで焼尽して、痕跡すら残っていないものも多い。

    ・・じゃあ、日本人はどうだったのか、と言われると、
    アイヌ人などに同様の行為を行っていた。

    あの世のような場所に送られて、
    木の葉のように人の命が散る、
    そんな姿を知床の神々はどう思っているんだろうか?

    高校生の時、読んで感銘を受けた
    ディーノ・ブッツァーティ‎「タタール人の砂漠」を思い出した。

    企業に悲惨な土地に出向を命じられているサラリーマンと重ねても興味深いのかも・・。

    ネタバレBOX

    こんなにも絶望的で悲(喜)劇的な状況なのに、
    珈琲がコミカルな小道具として登場するのが面白い。

    津軽弁の独特なリズムが物語に潤いを与えていると思う。

    脚本買いました・・(笑

このページのQRコードです。

拡大