百合鴎 公演情報 「百合鴎」の観てきた!クチコミ一覧

★ 満足度の平均 ★ ★ ★ ★ ★ 3.0
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  • 実演鑑賞

    当日パンフによると、『隅田川』など複数の古典演目を原案としているものの、それらに着想を得た「新作書き下ろし」に近い一作。その文言に強く頷けるのは、観劇体験として強烈に「現代都市生活」を感じること。2026年東京で上演される意味を提示した一作と言えます。戯曲内のワードセンスも、内容も、高い知性が感じられ、戯曲付きチケットが人気なことも頷けます。観劇後に戯曲を読み直すことは、鑑賞者の楽しみになるでしょう。一方で、私たちの日常生活に置き換えると、あまりに察しの良すぎる会話が続くため、かなりの集中力を必要とすることも事実。ほぼ無駄な台詞がなく、常に高い理解力、推察力が求められるので、観劇前にコンディションを整えられなかったことを後悔しました。平たく言えば「頭を使う観劇」。疲れはしたものの、ひとつの作品としっかり対峙できた、心地良い疲労でした。こういう観劇体験も、この団体の特徴のひとつだと考えます。

    ネタバレBOX

    劇中の演出でひとつハッとしたのが、人を殴る時のシーン。武器に見立てた小道具(棒状の日用品など)を振りかざし、頭上付近でポトリと足元に落とす。最初は「ん?」と思ったけれど、これが劇中における「人の殴り方」と気付き、なるほどなぁ…と思いました。演劇における暴力シーンを、このような演出で見たのは初めてで、こういう点も現代演劇らしい特徴だと感じます。演劇は時代と共に姿かたちを変えるもので、新鮮な試行錯誤を見た気がしました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    場面転換やシーンごとの吸引力はなかなか良いものがあったんですが。
    全体的には、わかりにくい、物語の筋がつかめないって印象が強かった。
    一人の役者が複数の役を兼ねるってのは演劇の面白い表現の一つですが、この作においては混乱のもとだったかも。
    全般的には意欲的で好感度はある芝居でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「群像劇で浮かび上がらせる『世界』」


     謡曲「隅田川」や歌舞伎「法界坊」「忍の惣太」をもとに、隅田川近くの劇場で上演された群像劇である。

    ネタバレBOX

     行方不明の我が子を探す葉名(菊池佳南)、闇バイトの指導係である操舵(藤家矢麻刀)、奔放な海(原田つむぎ)と二三(金定和沙)のカジュアルな関係など、さまざまな人物たちが入れ替わり、出演者が数役を兼ねる。一見なんのつながりもないように見えてあとあと因果関係がわかるという筋は、作者が原案作品から獲得した点であろう。とはいえ7名の出演者に演じ分けさせるにしてはあまりに役柄が多く、見続けるにはかなりの集中を要した。待機(藤家矢麻刀・二役)と海の権力勾配や、二三との三角関係のくだりは印象に残った。

     群像劇で隅田川のミクロコスモスを浮かび上がらせようとした作者の意欲は高いが、それに見合った強度の作品世界が立ち上がったのかは疑問に感じた。

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