ツレがウヨになりまして 公演情報 ツレがウヨになりまして」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-11件 / 11件中
  • 満足度★★★★

    ぶっ飛んだ~★☆
    ぶっちゃけ、鈴木ちひろさん目当てで観劇した♪笑の内閣は初めてで、正直ぶっ飛んだ!!放送コードギリギリ・・いやいや完全にアウト~★☆な展開に大笑いしながらも『このネタに笑っていいのか?』『このネタで笑ってる俺ってどうよ?』と自問自答しながらの観劇となりました(^-^ゞ
    まぁでもいっぱい笑ったなぁ~★☆出来れば大阪で公演して欲しいな♪鈴木ちひろさんのDVDを物販で買って帰りました♪♪

  • 満足度★★★★

    社会とがっぷり四つに組むドタバタ喜劇
     笑の内閣の過去作品は『非実在少女のるてちゃん』と『65歳からの風営法』永田町公演を拝見しています。『ツレがウヨになりまして』は、ネット右翼になった若者とその恋人の女子大生を軸に、日本で起こっている反韓運動を時事ネタてんこ盛りでわかりやすく描くドタバタコメディーでした。

     黒い幕で囲まれた舞台の中央奥に、少し斜めに張り出した台が置かれています。後で黒いソファなどが出てきましたが、装置と呼べるようなものはほぼそれだけだったでしょうか。今公演は再演である上に、多地域ツアーの最終地ということで、俳優の演技に安定感があり、これまでに私が観た作品に比べると全体的に素人っぽさが減って、空気の密度も高かったです。

     とはいえ俳優さんはもっと稽古して欲しいし、人物の配置や場面転換には大いに改善の余地があるし、美術や衣装の詰めも甘いです。ソファの黒ガムテ貼ってる感はどう受け取ればいいのか…最初は戸惑いました。でも、そういう品質は決して重要ではないんですよね。笑の内閣のお芝居は、市井の人々の、市井の人々による、市井の人々のための社会派喜劇として最高峰かもしれません。だってすっごく面白かったんだもの!

     お芝居が始まる前の開場時間はずっと、劇団主宰の高間響さんが舞台に立って前説をされていて、それも面白かったです。CoRich舞台芸術まつり!のことも紹介してくださいました。
     終演後は大賑わいの物販スペースで公演パンフレットを買いました。脚本は売り切れてしまったので、代金を支払って後日配送にしてもらいました。過去公演のDVDを数本、お土産に買って帰る方もいらっしゃいました。もっと深く知りたい、そして家族や友人にも知らせたいという気持ちになる作品だったのだと思います。

    ネタバレBOX

     幕が開くなり高間さんが、米国国歌の音楽にのせて「君が代」を歌いました。最高。

     女子大生のあおいは「国よりも私を愛して」と歌いますが、恋人の蒼甫は「女の代わりはいっぱいいても、祖国の代わりは無いんだぞ」と言い、2人は別れてしまいます。でも最後には「日本がどんなにダメな国でも愛するのと同じように、私は蒼甫がどんなにダメ人間でも愛してる」というあおいの思いが通じます。主題歌『ツレウヨのテーマ』の蒼甫のパートは「(女の)代わりはあっても 君の代わりはいないから 日本より君を取り戻す」となります。

     「愛する日本を守るために、日本に頼まれてもいないのに韓国を殴ると、日本に嫌われる」という、日本を擬人化したたとえ話が秀逸でした。尊王の志をもって反韓運動をする蒼甫を、天皇陛下(が乗り移ったスーパーの店長)が説得するなど、タブーとされがちな題材をギャグにするセンスがかっこいいです。

     あおいが鞄からマイクを取り出して突然歌い出すのは楽しいですね。デュエットになったのも良かった。LED照明で歌の場面を盛り上げるあざとさも良いです。ただ、マイクの取り出し方の工夫と稽古はもっと必要だと思いました。劇団☆新感線のおポンチ系作品を参考にしてもらいたいです。
     選曲も狙いがしたたかでしたね。山口百恵のナツメロ、竹内まりあ「元気を出して」、大塚愛「さくらんぼ」など。あおいの友人の中道役の高瀬川すてらさんは歌がお上手でした。
     
     細かいことですし作品評価には全然関係ないのですが、在学中の娘の同棲を刑事である父親が許していたのはなぜだったのかしら。私は婚約前の同棲には反対なので、許可する根拠が知りたくなりました。
  • 満足度★★★★

    実はお手本どおりの構成
    テーマ性に注目が行きがちだが、実はエンターテイメント的な意味での構成がしっかりしていて評価できる。色々な部分が甘いと言えば甘いが、小劇場魂というか、勢いと思い切りの良さで十分カバーされている。わざわざ京都まで見に行った甲斐があった。

  • 満足度★★★

    傷つけないために足りないもの
    全体をとおして作、演出の高間響のスマートさがよくわかる脚本だった。前説もおもしろかったし、アフタートークの進行もきっちりしていた。韓流ネタのみでよく引っ張るな、という執念をも感じた。物語の骨格や俳優たちの佇まいには、国内ツアーを回って出来た強さもある。

    ただ、この作品自体は「教育的」であって「啓蒙的」ではない。「ネトウヨ」の生態をお勉強する感じで、そこから発展はしない。箱の中のものを観ている感じ。笑いが一番大切、というように高間さんは応募書類に書かれているが、笑いに変える時にも、それが「軽蔑」を含むものである時には慎重にならなければならない。本作では、ネット右翼の極端な思想が、誰かを傷つけている可能性への配慮が汲み取れない。

    笑の内閣、というユニットの名前どおり、世相を笑い飛ばすのがこの団体の強みで、風営法や青少年保護法をテーマにしてきたこれまででは通用したことかもしれないが、韓国人、朝鮮人という明確な「人」としての攻撃対象がある嫌韓流の台詞は、この作風で扱うにはきつすぎるモチーフのように思った。在日コリアンの人がこれを観て同じように笑えるか、と考えてしまった時に、私の答えはノーである。そして、その繊細さに対して「あなた方を傷つけるために作った作品ではないのです。」という余地を示すことも出来ていないのが残念であった。

    ネタバレBOX

    あおい役の鈴木ちひろがかわいいし、歌がへたすぎないのがチャーミング。デートDVDを発売するだけある。彼女たちが歌う歌の選曲もよかった(イミテーション・ゴールド、愛が生まれた日、さくらんぼ等等)。盛り上がる。若い同年代の俳優が、あおいの父親という無理な設定も突っ切る腕力と切れ味がある。蒼甫役の清水航平の目のイっちゃってる感じといい、金村役の由良真介の誠実さといい、萌えた。
  • 満足度★★★★

    この熱気に期待!
    時事ネタ、社会の課題に触れつつも、仕上がり自体はウェルメイドな青春ラブストーリーだったと思います。

    目新しい実験性といったものはありません。
    ですが、むしろ、このウェルメイドさと、集中力と熱気を同時に感じさせる客席が相対する空間には、何か新しい演劇受容(と供給)の芽があるのでは、とさえ感じさせるものがありました。

    そう考えると……高間さんの前説(これは笑えた!)、本編、刺激的なアフタートーク、という構成も練られていますね。3つ揃っての「笑の内閣」という気もします。

    特に私が観劇した日は、京都第一初級朝鮮学校のオモニ会の代表であった金尚均さんがゲストで、当事者としての体験談や芝居と違う実状(批判でなく)を語ってくださり、この芝居を起点にさらに別の視点を得ることもできました。

  • 満足度★★★★★

    早くも今年のNo.1ではないか。
    コメディの原点は風刺にあると考える私にとって、最新の話題やアルアルを絶妙に取り込んだ笑いが近年減って来ていることが非常に残念だったのだが、やはり笑いの内閣は別格だ。

    時間が経っているので中身への言及は改めてしないが、取り上げるトピック、取り上げ方の上手さはさることながら、作品の基調には市井の人々への一貫した優しさが流れていることが、作品の毒にも関わらず、観客が気兼ねなく笑いに身を委ねられる理由だろう。

    楽しい時間を過ごした。

  • 満足度★★★★★

    初の京都で観劇
    出張先でたまたま日程が合ったので選んだのだがとんでもない、素晴らしい作品だった。東京公演もあったのに気付けなかったのを後悔しつつ、京都で観れて本当にラッキーだった。前説&アフタートークもとても良かった。思想云々に引っかかる人もいそうだけど、エンターテイメントとして完成された、見所満載な作品。ちなみに私は”中道真実”(高瀬川すてら)に釘付けだった。

  • 満足度★★★★★

    恐ろしい方々・・・・
    再演であるはずだが色々と盛り込まれ、まるで新作の感じさえある。
    過激な言葉の羅列に、舞台の切り口が鋭さを増す。
    やはり高間さんの言葉の使い方は天才的だわ。
    人がつけ込んではいけない部分を、
    易々と蹂躙する。

    私生活はまったく謎ではあるが、
    ここまで 『バサラ』 なパフォーマンスを駆使されると頭が下がる。
    言ってはいけないタブーの境界線を軽々と越える。


    谷屋俊輔さんの男塾、富樫見参!(笑)
    ドンキ○ーテで999円(これくらいの金額だったはず)で買ったという、
    ローラーで腕立て伏せ。
    客席にふられた瞬間に巻き込まれる恐怖を覚え、
    視線を外した。
    幸い気づかれずに誤爆を免れた。
    よかった。(笑)

  • 満足度★★★★★

    困った隣人もただの人
    考え方そのものについての考察は最小限にして、思想はそれぞれ自由だがそれでも君は迷惑だ(そもそもこっちが自由なら向こうもそうなのだが)、という事実を愛国と恋愛を引き比べる卑近化と笑いにより愛国有理のベールを剥ぎ取って提示した。再演でさらにブラッシュアップされている。

  • 満足度★★★★★

    笑の内閣の真骨頂!
     社会を風刺するとか批評性社会性よりも、笑の内閣の遊び心に感心した。同じ遊ぶならちょっと危ない遊びをしたいというような感じ。後一歩踏み込んだら危険というぎりぎりのところを絶妙なバランス感覚で切り抜けているところにこそ高間響の真骨頂がある。

     あれだけ話題の時事ネタを使いながら、そこに主義主張は(あえて)盛り込まず、右を切り左を笑い、縦横無尽に笑い飛ばすその切り口はお見事。

     しかし、その裏で主宰の高間響の冷徹な眼が気になった。客席で笑っている観客さえも、冷静に観察しているようなまなざしは役者の眼ではなく、舞台上でも演出家であり脚本家のまなざしだ。私は客席で大笑いしながら、笑っている観客こそがこの作品における最も風刺の対象ではないのかと背筋が寒くなった。

  • 満足度★★★★★

    おもしろかった
     思想的主張をたっぷり注いだ上で、ちいとも説教臭くない作品として面白いものに仕上げる高間さんは素晴らしいなあ!と関心しきりです。
     あと、ヒロインの人が滅茶苦茶かわいいです。

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