賞味期限の切れた毒薬 公演情報 賞味期限の切れた毒薬」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★

    表現に纏わる仕事
     避暑地に集った文人墨客の通信紙として新聞の体裁で発行されていた媒体を基に発展的解消を遂げた結果として定着したタウン誌、スートラは、その長い歴史の中に、複雑な人間関係をも孕み込んでいた。1年10か月前に休刊となったが、休刊迄、前編集長、セイさんが膵臓癌で辞めた後を継いでかおるが編集長を務めた。然し、彼女は最終号の編集作業中、理由も告げずに失踪。編集部員との間に齟齬が生じていた。

    ネタバレBOX

     舞台は、セイさんが亡くなった葬儀の後、かおるの声掛けで編集部員全員が集まった編集拠点のカフェ・スートラで展開する。かおるは、自分が、失踪した原因を皆に明かす。それが、メインストリームになるのだが、編集者出身の自分にとって面白かったのは編集会議のぶつかり合い。あとは、良くある男女関係のいざこざと子供が抱えるに至った複雑な関係で、申し訳ないが自分には、既に処理済みの問題故、余り興味が持てなかった。
     編集者出身の自分として基本的に個人的にどんな事情があろうが、編集者は、個人の事情を理由に編集をすっぽかすべきではないと思っている。いくらタウン誌でもである。本来、表現者は永遠と戦い、編集者は表現者と伴走する以上、他の業界の規則などに縛られていてまともな仕事などできるわけはないのだ。その辺りの事情を感じていればこそのタイトルかも知れないが。
     家族? 関係ない! これが、我々がバリバリ働いていた時、男の実感であった。
     
  • 満足度★★★

    メリハリ欲しい!
    過去(回想)と現代の切り替えは解かりやすく、ストーリーも興味深かったのだが、どこかでもう少しドラマチックな展開をいれるなどメリハリが必要ではないか。

  • とても丁寧な作りの作品
     テンポがややゆったりで一本調子な感や話のつながり上であまり意味のない場面もありましたが、話の展開を握る過去と現在のシーンの切換はとてもスムーズでわかりやすくなっており作者の観客への心遣いや誠実さが感じられるとても丁寧な作りの作品になっていたと思います。

  • 後半は良かった
    前半は状況説明などのシーンばかりで少々退屈したが、後半になってストーリーが展開し始めると面白くなった。
    ただ、どうも「行き当たりばったり」の印象がある。話の内容は面白いので、ストーリーの組み立て方が改善されるともっと良い作品になったと思う。
    演技に関しては上手い役者さんが多いが、全体的に役作りが守りに入っていた。もっと柔軟な役作りが出来れば、もっと印象に残る演技になったはず。また、「記号的な演技」(パターン化された演技、「老人は腰を曲げて杖をついている」みたいな演技)も少なからずあった。役者さんの技量の問題なのか演出の指示なのかは不明だが、この作品にこの役作りは判断ミスだと思う。

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