本当のことを言ってください。 公演情報 本当のことを言ってください。」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.7
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  • 満足度★★★★★

    口に入れるものについて深く考えさせられた
    前半の進行速度や喫煙などマイナス要素も多くあったが、
    後半のドラマやメッセージ性の強さに感動を覚えました。

    約2時間10分

    ネタバレBOX

    ラストの会長の「自分の子供に腹いっぱいおいしい肉を食べさせたい」と始めた会社が、家族経営の各家族が自分の子供に自社製品を食べさせていないというところと、高沸したサッカーチケットエピソードで利益追求で金に不自由の無い生活を送れている経営家族の背景を描いたところがリアルに感じたです。
    スーパーの話でもある、自社製品を従業員が買わない会社は危ないと・・・。
    自分の子供に自社の製品食べさせたくなかったから積極的に学校関連に売り込みに行かなかったと話すところや、自信を持って自社製品を売りたいという情熱があった分、裏切られた思いで内部告発する新人営業さんの思いは強く胸に響きました。
    それにしても、工場内での作業内容の説明はホラーレベルでありました(-_-;)。
  • 満足度★★★★

    畑澤聖悟さん新作。
    食品会社を舞台に食品偽装問題を描く直球のドラマ。「食品の裏側」 (安部司著)で知った実話とぴったり。題名どおりのセリフが発せられた時、涙出た。次男の言葉に現代の企業の経営姿勢が表れているように思う。約2時間10分休憩なし。

    ネタバレBOX

    本当のことって何かと考えた。まずは死だなと思った。でもこの会社のように、営業さんの死さえも無視して、なかったことにしたら?滅びるしかないよね。それでも自分の命は続くから、生きていかなければいけない。
  • 満足度★★★★★

    創作劇としての完成度は高い


    食品偽装事件は後を絶たないし、最近、「週刊文春」が、特集を組んでいたのを見るにつけ、気にしていたら、何も食べられない病に陥りそうな昨今ですが、たまたま今日やなせたかしさんの「100年インタビュー」の再放送を観たばかりだったので、オリエントミートの会長がやなせさんと重なり、そのため、会長の娘瑞穂やその息子次郎の行動に、現実性がないような印象も感じてしまいました。

    ただ、あくまでも、創作劇だという視点で観れば、相当よくできた芝居であることは間違いありません。

    昴の役者さんは、どなたも演技者としてのレベルが高いので、こういうリアルな告発芝居は、固唾をのんで観られ、いつも見応えがあると感心します。

    どうも、青年座風な芝居作りだと感じたら、演出は黒岩さんで、納得しました。
    かつて、青年座で上演した、スーパーマーケットを舞台にした作品と、雰囲気が似通っていました。 

    尚、この舞台を観た数日後に、阪急グループのホテルレストランの偽装が明るみに出て、関係者の謝罪会見の台詞が、あまりにも、この芝居さながらだったので、一人で、大受けしてしまいました。

    高級ホテルや、大手スーパーマーケットまでがこの騒ぎでは、まさに事実は小説より奇なり。本当のことを言う日本人は、我が国にどれだけいるのだろうと、気持が暗くなるばかりです。

    ネタバレBOX

    弁護士と、謝罪会見のリハーサルをする場面は、「謝罪の王様」にも共通する面白さがありました。

    食肉偽装の内容は、WOWOWのドラマ「震える牛」にも似て、かなり具体的なので、観劇後は食事したくなくなりそうな気持になるかもしれません。

    戦後、娘においしい食事をさせてやりたい一心で、食肉会社を創業した会長役は、ご病気の北村さんに替って、小山さんが演じられましたが、この役にピッタリで、見事代役を務められたと思いました。

    同級生の弓子の頼みで、何も知らずにこの会社に勤め、敏腕営業部員として活躍する内に、会社の暗部に気づき、内部告発に踏み切るしおり役の市川さんは、激して台詞を言う時、初日だということもあってか、何度か閊えるところもあったのですが、それがかえって、ドキュメンタリーを観るような臨場感を産んでいました。

    役者さんも、全員、好演されていますし、脚本にも、演出にも齟齬はないのですが、ただ、こういう実に誠実な企業人の会長の親族が、幾らコスト削減のためとはいえ、平気で、従業員に濡れ衣を着せたり、子供や孫にも食べさせられないような、口にするのもおぞましい食肉偽装をするだろうかと、人物キャラクターの設定には、どうしても疑問を感じてしまいます。

    人格のDNAって絶対あると信じている私としては、この会長から、瑞穂のような娘は絶対育つ筈はないと思うので、あくまでも、創作劇としては、満点という評価でした。

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