ペンション百万石 公演情報 ペンション百万石」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    あまり状況説明が詳しくない・・・
    まぁ人の人生の覗き見芝居の様相でしたが、
    できれば進行説明補足役のピエロさんが欲しかったなぁと感じました。
    登場人物の多い群像劇風でしたが、いまいち全ての人物達の相関関係を把握できなかった・・・寒くなってきて灰色の脳細胞も活動鈍化してきたみたいです・・・・(-_-;) 舞台セットも綺麗で効果音などもしっかりされていましたが、とにもかくにも空調が効き過ぎて寒かったです。

  • 満足度★★★★★

    事件らしい事件起こらずとも演劇は成立するか
     山梨に在るペンション百万石は、ちょっと変わったペンションだ。天文台があるのである。というのも、このペンションを始めた2人が大学の天文部出身で、空気の澄んだこの地にペンションを立てた時に、自分達の趣味も取り入れ、こんな設計にしたのである。無論、星や宇宙に興味のある人々には、それだけで有名でもある。

    ネタバレBOX

     現在は創業者2人の内1名が3年前に亡くなり、1人は、父が亡くなった為、家業を継いで現在ではホテル王と呼ばれる存在だ。だが、ペンション営業は現在もしている。亡くなった創業者の1人であったとおるの妻、花が切り盛りしているのである。花には、何くれとなく手伝いをしてくれる取り巻きがいる。
    もう一つ、このペンションにはユニークな設備が整っている。FMのラジオ放送局があるのだ。DJは、2人。元暴走族のリーダーで、今でも一声掛ければ500人の元メンバーを集められると噂される一平、僧侶の丈助である。何でこの放送局ができたかというと、一平の妻、ミキが遠くの病院に入院した際、仕事を終えてから見舞いに出掛けることが不可能であった一平は、ラジオを通じて、妻に声を届けるということを始めたからである。その後、もう1人のパーソナリティーとして丈助が加わったというわけだ。
     そうは言っても順風満帆とばかりは行かないのは当然である。花の息子、裕也は東京へ出ていたが、戻ってきた。また東京へ戻るのか、或いは恋人候補のこずえに結婚を申し込む為か、何れともつかない。また、戻ってペンション経営を継ぐ、という目もあり得るのである。
     更に、一平の弟、順平は、こずえと結婚するのではないかとの噂があった。但し、これは事実無根であることが直ぐに分かる。
     こずえはそのスノーボードで国体に出場経験を持つスポーツウーマン。シンガーソングライターとして活躍する久美も久しぶりに故郷に戻り、仲間の集まる百万石に投宿、付き人のケンも一緒である。その他、アルバイトをしながらチャリンコで日本一周をしている太一。口では強がり言い、日本一周が目的でカッコイイと豪語するが、本当は、自分の生きて行くべき道を模索している若者である。順平は高校時代、学校を止める為に校長先生を殴って退学。浩介は、天文好きが高じて夜は星を観察する研究者だが、天文台のあるこのペンションの家族同然の常連。父は松山で新聞社を経営する。後継者問題が、彼にも振りかかって来た。浩介と広見との掛け合いは、広見が、実は実家を継いでホテル王となった男だけに迫真の演技である。
     百万石に出入りする人間のうち、花が唯一、星野さんと苗字で呼ぶ義郎は、花の再婚相手として選ばれたいのだが、ずっと待ち続けている。無論、花の方でも勘づいているからこその苗字呼びなのである。
     だが、花は、広見に惹かれ、広見も花を悪く思っていない。ただ、花はかつて共同で始めたペンションの共同経営者、とおるの妻だった女性である。
     適当に馬鹿馬鹿しい意地の張り合いや、照れたり、優しすぎて煮え切らなかったりの態度、そんな中で繰り広げられる女性心理や、男の立場などをきめ細やかに描き込む点に、この劇団の特色があるように思う。最も、難しい題材に取り組み続けるこの劇団をこれからも見守ってゆきたいものである。
     ところで、今作、事件らしい事件は何も起こらない。謂わば、日常風景を日常風景として描いた作品である。それだけに、非常に高度なレベルを保てなければ、演劇として成立し得ない。無論、それは、演技のみならず、演出、シナリオ、音響、照明などの用い方と効果、舞台美術など総てに亘ってである。最終部分で、綻び掛けたり、すれ違いになる危機を孕んでいた関係も総て丸く収めるのも王道とはいえ、この緻密で丁寧な作りなしには説得性を持たない。例えば、珈琲カップ一つ、客に出すにも、手伝いに来ている連中は、取っ手の向きを意識していないような置き方をし、花は、規則性のある置き方をするといったような細部にも、それは表れているのだ。
  • 満足度★★★

    鼻持ちならない
    偉そうな大人でした。

    ネタバレBOX

    40代になったばかりでしょうか、もしかしたらまだ30代かもしれません、DJをしている僧侶と元暴走族の酪農家の二人は偉そうな大人でした。

    僧侶が自分探しの旅を続ける若者に、大人は命を削って生きているんだなんて言っていましたが、尊大で反吐が出そうでした。そりゃ、自分探しの旅って何だとは思いますが、他人に迷惑をかけているわけでもなく、自活している若者に対して言う言葉でしょうか。

    元暴走族の酪農家も、手伝ってもらっている弟に対して何とも偉そうでした。他人の役に立つことが人の道のような考えを持つことは立派ですが、高校生になった自分の息子が跡取りとしての意識を持つようになり、如何にも弟が邪魔になったという感じでした。弟も、牧場を支えていたわけでそんなに卑屈にならなくてもいいものを、しかも獣医の大学に行くことになったのですからもっと堂々としていいはずなのに、威圧的な兄のせいでこうなってしまったみたいです。

    天文学研究家の長期滞在者は、地方紙の社主を父親から引き継ぐことになりました。何とも甘い新聞社です。このペンションを始めたときの共同経営者が今ではホテル王とは恐れ入った設定でした。

    ところで、ここの経営者の名前が前田、このホテル王の名前が加賀ということでペンション百万石としたそうです。実際にはどこなのでしょうか、日本一星が綺麗に見える場所は結局分からずじまいでした。

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