某日快晴ワレ告白セリ 公演情報 某日快晴ワレ告白セリ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-6件 / 6件中
  • 満足度★★★★★

    タイムカプセル
    台詞の中に歌謡曲の一節を入れたり、乱闘シーンでも工夫が見られたり、映像使用も巧み、1988年昭和の終わりまでに中学、高校生活を送った人は特に深くみられたのではないか。誰でも1度は経験した甘酸っぱく、ほろ苦い学生生活。
    共感できる部分随所に有。冒頭の配役キャラをひとりひとり紹介していく手法は話を追っていく上で非常に解り易いです。そして無理のない笑いを呼ぶ台詞は素晴らしい!
    上演後の拍手多かったです。観客は通路の座布団席まで使用の超満員の良いお芝居でした。

  • 満足度★★★★

    ノスタルジーな感じの話でありました
    乳幼児さんまで観劇できてる回でした

    熱い青春=中二時代の話です
    アクションシーンは「火山高」みたかった(^^)

    本編は90分位で次回作の映像に
    キッズシアター(プレゼント付)含めて約2時間ぐらいでしたかねぇ

  • 満足度★★★★

    しょっぱくて
    甘酸っぱい切ない物語。個人個人は強烈な個性でしたが。

    ネタバレBOX

    『聖火の献立』では、社会問題に対するツッコミ方が足りず、ただドタバタして子供受けしていただけだったのでその後ご無沙汰していましたが、今回は社会を二分するような問題を取り上げているわけでもなく、強いて言えばいじめの問題があったかもしれませんが、切ない中学生生活を素直に笑いに徹して描いていたのでこちらも素直に楽しむことができました。

    彼は今でも詩人なんでしょうか。新作も聞かせてほしかったです。憧れの人がその後交通事故で死んだというのは、ちょっと安直に殺しちゃったという感じでした。

    ガオーガオーと吠える斎藤啓子さんの強烈なキャラクターは存在感がありました。
  • 満足度★★★★★

    傑作 対絶べし観る
     オープニング、映像用の幕が準備されると、揺らいだ画面に最初に現れるのは、雲に関する表現。その後、学校時代、誰の脳裏にも印象的なシーンのパーツや切り取られたシーンが映し出されて、思わず自分の学校時代に呼び戻されてしまう。巧みな導入部だ。

    ネタバレBOX

     有田のクラス2年2組には、転校生遠山がやって来た。博多からの転校である。中々可愛らしいこともあって、クラス中の人気者になるが、クラスの女子が、入部を勧めたり親切のつもりで色々誘いを掛けたのを断ったのが、きっかけで苛めが始まる。テニス部部長の橋本は、新聞部部長の逸見に好かれていることを悪用して、校内の情報を操作し、人気など全然なかった学級委員を既に生徒会長に就任させた実績を持つ。対立候補に関する悪評を流したのである。それも、小部数の新聞を、口が軽く噂好きな連中にこっそり渡し、噂を広めさせるという巧妙な手口で。結果は歴然たるもので、全然、人気の無かった学級委員が生徒会会長になった。その手法を今回も使った。おまけに、クラスで、露骨な苛めを開始する。恰も、自分達も噂を通じて遠山の素情を知ったとでもいうような顔をして。
     一方、偶々、書いた詩を音読していた有田は、遠山に詩を聞かれてしまう。中々詩才に富んだ作品だったので、彼女の気に入られる。また、遠山は飛行機雲が好きで、良く窓外を眺めたりもしていたので、当然、屋上へも良く上がってきた。有田は天文部の部長(と言っても部員は彼だけなのだが)なので、屋上へは矢張り天体望遠鏡を持って良く上がっていた。そんなこんなで、有田と遠山は親しくなった。其処へ、苛めである。有田もクラスの不良達からパシリとして使われ苛められてきたのだが、彼女への思いが、彼を強くし、我慢をしてやり過ごすという生き方を変えさせた。彼は、彼女を庇い、苛めている連中に注意をしたのである。不良の方でも、遠山に思いを寄せていたので、腰巾着が、お膳立てした、彼女に取り入るチャンスを奪われて切れ、有田を殴る。その場は、スケ番の風格を持つ真鍋に止められてそのまま収まったが、本当の喧嘩と妄想癖のある有田の妄想シーンとが、挟み込まれて笑いを誘う辺り、流石にタッタタ探検組合の作品である。
     場面転換がかなり多いので、暗転が結構あるのだが、ちょっと深読みすると面白い。この暗転に場面転換だけを見るのでなく、秘密保護法案を重ねて見るのでる。すると、暗転によって、見えなくされた情報を、当に暗闇の中で想像している近未来の我々の姿が映し出される。シミリとしては、直接の当てこすりが出てくるが、この暗転をメタファーと読むことによって不気味な我らの未来が暗闇によって照射されるのだ。闇が、逆にヴィジョンを見せるのである。
     物語は、更にエスカレートした苛めを巡り、有田が、心ならずも漏らした一言で遠山が深く傷ついてしまうことにも及ぶ。「可哀想」という言葉が、彼女の自尊心を深く傷つけてしまったのである。それは、彼が彼女を庇う過程で発した一言だったのだが。屋上で有田は、何とか彼女を元気づけようと詩を献上する。本好きでデリケートなメンタリティーを持つ彼女は、有田の心を理解し、何とか気持ちを収めてくれたが。彼女はまたもや転校することになってしまった。保健の先生が、そんな彼女が書いた25年後への手紙を預かり、英語の授業中に持ってくる。そして、未だ間に合うだろうからと言って彼女の出発したことを告げる。この時、英語教師は授業を邪魔したと怒って保健の先生や有田を押しとどめようとするが、体が小さく小心だと侮っていた有田が遠山を庇って自分達に歯向かって以来、苛めなくなっていた彼は、英語教師を止め有田は駅迄、生まれて初めての一所懸命さで走る。だが、彼女の出発を見送ることはできなかった。1年後、彼女は交通事故で亡くなる。その24年後、廃校の決まった母校に来た有田は、皆から集めた本物の手紙を隠し場所から取り出し、彼女の手紙の封を切る。其処には、彼女の感謝の言葉と彼への好意の言葉が書かれていた。ところで担任教師に渡した25年後の自分への手紙の中味は人数分の呪いの手紙であった。
  • このスローはエンタメ性を備えた、淡い〈しおり〉である
    学園コメディで たくさん笑った後、清々しい「青空」のような余韻をくれた。40代は迎えておられるだろうオジさん、オバさん達も、学ラン服を着用し、「中学生」を演じる。この年齢差をコメディ(笑い)へ転換するのかと思ったら、一度もネタにしなかった。まっすぐ、軸をぶらさず、青春の一頁を記すのだ。

    隣の席にいた若い女友達二人のうち、その一人は「舞台(演劇)とか初めて」らしい。何のことはない、開場中に 話していた内容だ。「初観劇だったら、どのような見方をするだろう」という視点に立ち、本作のコメディだとか、淡い青春像を考えると、彼女は 極めてよい巡り合わせをしたのではないか。なぜなら、オジさん、オバさんが汗を流して中学生を演じる姿は「演劇の醍醐味」だったからである。


    私は高校演劇を頻繁に観る。今、まさに演者が向き合っているテーマを、演劇という表現方法で「大衆の面前に訴える」ことはセンセーシュナルでもある。例えば、教育委員会の お偉い方を前に高校生の性問題、あるいは末期ガンの少年と看護婦のキス•シーンまで見せるのだ。高校生は やってはならない校則すら、「演劇という通行手形」が上回る。しかも、文化的であり、精神的であり、また大衆的であるジャンルなど 他に 知らない。もう一度いう。可能にするのは「演劇という通行手形」だ。


    私が示した「演劇の醍醐味」と「演劇という通行手形」は、油と水のごとく正反対だろう。実際のところ、オジさん、オバさん達が高校生を演じても、高校演劇のようにはいかない。8月国立劇場で行われた第24回全国高等学校総合文化祭優秀校発表公演の沖縄県八重山高等学校演劇部の学園コメディに比べると、登場人物への「愛着」は湧きにくい。ただ、オジさん、オバさんが 負けない点も存在する。それは、3人掛かりで持ち上げるアクション•シーンだった。この時、スローモーション効果を多用していたが、ややダンス•スタイルも取り入れた結果、今までの、そして高等演劇に少ない、学園コメディのTHEエンターテイメントが炸裂する。


    ※バレてないネタバレへ

    ネタバレBOX

    当初、生徒の紹介に始まるシーンは疑った。コメディは 次々に新たなキャラクターが登場する展開こそ話も膨らむはず。1時間40分の上演時間だと、冒頭で紹介しておかないと、有田真之介(谷口有)と遠山弓華(小山梨奈)の淡い青春像が描けない為か。すなわち順当な構成だった。
  • 満足度★★★★

    定番的な展開なれど笑いのツボを押さえた サービス精神溢れる舞台
     今から25年前にタイムカプセルに入れた手紙と共に、心に引っかかりのある男子中学生が淡い思いを抱いていた謎の美少女の転入から転校までの中学時代のある短い時期を回想するという物語で、物語の展開自体は定番的で安心してみられるものでしたが(手紙の朗読の後のあのシーンはちょっと微妙でしたが)、登場人物の中学生や先生たちがとてもよく設定されていて俳優の方々も実に生き生きとした演技をされ独特の味わいのようなものが滲み出ていてとてもよかったと思います。笑いのツボをきちんと押さえた演出が見事な、観客の方々に気持ちよく楽しんでもらいたいという劇団のサービス精神が溢れた実に楽しい舞台でした。

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