マクベス、あるいは、日本語のこの100年 公演情報 マクベス、あるいは、日本語のこの100年」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    無題779(13-207)
    19:00の回(曇)。18:38会場着、受付、2階へ上がり靴を脱ぎまた上がって、急な階段を下りる。方向感、高さの感覚を喪いながらようやく会場に入るとほとんどのお客さんは着席、促され少し奥の椅子に。改めて見回すと、(入って右)壁沿いに椅子席(1列)、舞台にはパイプハンガー、脚立、木製の机と椅子、松葉杖、お客さんの靴(!)が開演時間には全部、床に穴が開いています。どう組み合わせてもなにか「ひとつ」のものにはならない「いつも」の情景。

    6月の某会場で、偶然、角本さんと隣どうしになりました。2回(3月、5月と)行けなかったのですが、ようやくです...もっとも直前まで「絵空箱」だとばかり思っていたのでした。此処は初めてです。19:00開演~21:45終演。

    マクベスは2回観たことがことがあり(但し、相当変わった演出のものと&ダンス)、原作も読んでみました。が、そんなことが吹っ飛ぶ異色さでした。数百年遡った時代の「書」をみているようなセリフ(節回し)。身体の動きと手にする小物、照明、BGM。虹の7色を凝縮し混ぜこぜにしても溶解することなく鮮明な色合いを保っているように感じました。私の感覚は、動くもの、光るもの、聴こえてくる方向に無条件に反応するのですが、そのような焦点の移動は他の部分を見失いかねないことでもありました。「次」がどうなるのだろうという余裕すらない時間の移ろい、毎秒が分岐点のようでもありました。

    他にないモノだと思いますし、(私にとって)体内を浄化するのに一番効くのでした。

    ネタバレBOX

    片方の精度(焦点)を上げると、もう片方の精度(焦点)が下がる。不確定性原理みたいな空間と時間。調和しているのはBGMだけ…なのに雑(?)音が重なる。観客は壁に同化したかのように無言、床は雑多な様子でうごめき、階下へ通じている「穴」からはお客さん(遅れてきた方らしい)が現れ席に着く。デジタルなものがない空間、照明の位置さえ脚立に登って動かす…いや、ノートPC、アップルのロゴマークだけはじっと会場を見つめていました。

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