ブロードウェイミュージカル「メリリー・ウィー・ロール・アロング」~それでも僕らは前へ進む~ 公演情報 ブロードウェイミュージカル「メリリー・ウィー・ロール・アロング」~それでも僕らは前へ進む~」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.0
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  • 満足度★★★★

    若い俳優さんたち
    前のかたのおっしゃるとおりかなと思いました。
    若い役者さんたちはきっとこの舞台をよい経験としてますます活躍していかれるのでしょう。
    全員20代ってアフタートークでいっていましたもの。

  • 満足度★★

    表層的な脚本と女優陣の演技
    一家揃って、大の小池徹平さんのファンなのと、信頼する唯一の劇評家の方が、賛辞を書かれていたので、大変楽しみだったのですが、今回ばかりは、Hさんの劇評とは、真逆の感想を持ちました。

    ソンドハイムの楽曲は、彼にしては、親しみ易く、耳馴染みの良い曲が多く、満足でしたが、脚本がまず浅薄この上ない気がしました。

    人間描写も、エピソードも、既成の劇作と比べても、独創性もないし、深みも感じられませんでした。如何にも安易に頭で考えたというエピソードの積み重ねで、登場人物の葛藤が、安っぽく映りました。

    その上、これは、演じ手の女優さんのせいと言うよりは、キャスティングされた方の選択が間違っていたと思うのですが、役を掘り下げる演技力のない方が、まるで御自身とは共通性のない役柄を演じているために、作品のレベルをかなり下げてしまいました。

    20年の歳月を掛けたストーリーにも関わらず、誰も、舞台上で、年月の変遷を体現して下さらない。メークとかを変えないでも、表情や仕草や舞台上の佇まいで、その人の人生を演じきる技量のある役者さんはそもそもあまり存在しないとは言え、このあまりにも変化なしの20年にはちょっと唖然としてしまいました。
    脚本にも、演技にも、あまりにもリアルさがないので、登場人物の誰一人にも共感することができず、ずっと傍観するのみでした。

    それを証明するように、客席の拍手にも、観客の熱は感じられませんでした。

    でもでも、やはり、小池さんは、芸能界の奇跡!
    彼のお見送りを受けた観客は、老いも若きも、皆ルンルンで、「可愛い!会えて良かった!」と叫び、幸福感に満ち溢れて、帰路についたようでした。

    初ミュージカル出演で、しかも、難曲のソンドハイムを歌いこなせるかと、内心心配でしたが、美しく力強い声で、熱唱され、小池さんの歌唱が、実は一番胸に沁みました。

    ネタバレBOX

    最初のシーンから、あっと言う間に、全員が着替え、タイムスリップする手際の良い幕あきに、これは素敵なステージになりそうと期待感が高まったのですが、その後がいけませんでした。

    映画でも大成功を修めた作曲家のフランクが、成功と裏腹に、精神的な挫折感で打ちひしがれている場面から始まり、だんだんと、時代が遡って行く構成で、最後には、彼が再生する話かと思いましたが、仲の良かったチャーリーとメアリーと、3人が出会うシーンで、幕が下りてしまい、何だかはぐらかされた気持になってしまいました。

    結局は、昔は良かったねというだけの話?昔の充実感を思い出して、今のフランクに何らかの光明が見出せるのなら、少しは共感もするし、「それでも僕らは前に進む」という題名にも説得力があるんだけれど…。

    フランクが、何故、こうなってしまったのか?どこで間違えてしまったのか?と過去を振り返って、反省し、新たな活路を見出すエンディングでなければ、この作品の上演意味が不明な気がするんです。

    映画の大スターなどという役柄は、昨日今日女優になったような方には、はっきり言って務まりません。それなりのオーラや、演技力が必要になる役。このキャスティングは、役不足ならぬ、役者不足でした。
    彼女が、精一杯大袈裟な演技で、大女優を演じようとすればするほど、作品そのものがどんどん浅薄になるばかりで、観ていて面映ゆくてなりませんでした。

    メアリーの宮澤さんも、3人が出会った頃の少女時代は溌剌としているけれど、後年のアル中の劇評家の演技は、まだ学芸会レベル。
    女優陣には、かなりハンデのある役柄で、皆さん、お気の毒な感じさえありました。フランクの最初の妻、ベラを演じた高橋さんは、その中で、一番等身大の演技で、光っていました。結婚前と、夫に浮気されて、離婚の裁判沙汰になった時の女としての気持の変化もきっちりと演技表現されていましたし。

    最初は純粋に、素敵なミュージカルを作りたかったフランクが、野望に燃えて、どんどん人間的に、レベルダウンする反面、変わらずピュアなままのチャーリーという表現のためか、彼のスニーカーだけはずっと同じ靴でしたが、これも演出的に作為があり過ぎ、リアリテイには欠けた気もします。

    同じアパートに住む3人が出会うラストシーンの雰囲気がとても素敵だっただけに、今現在に光がさす構成だったら良かったのにと、とにかく残念でした。
    後に、チャーリーの妻になる女性の登場のさせ方も、さりげなくて、上手い脚本だったと思います。

    ただ、これは芝居の本質とは無関係ながら、フランクとチャーリーが、若い時代に、ケネディの大統領選を応援するプロパガンダ的な芝居を打つ場面があり、キャロラインさんが駐日大使として来日される目前なので、いろいろ当時を思い出して、感慨深い気持ちになったりしました。

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