満足度★
残念
取り上げた題材は良いと思いますが、演出が素人すぎてこの劇場で4200円ものお金が取れるレベルではないかと…。
前評判に期待しすぎてせいもあるかもしれませんが、照明のあたりが悪く役者さんの表情が全体的に見えなかったり、無駄に感じるブルー場や暗転がやたら多く長かったり。
セリフ運びも単調で、何か感情が高ぶれば叫んでばかり。
どれもこれも素人でも気付く、演出で手直し出来そうな部分ばかりが目に付き残りました。
学生劇団なら我慢も出来ますが、あれだけ宣伝をして規模を大きくしているのならば、勉強の途中を高額で提供しないで欲しいです。
星一つは、主演の役者さんに。
満足度★★★★
濃い~
最前列だったから、というわけではなく。
小劇場だから、というわけもなく。
ものすごく、濃い、作品でした。
観劇後、決して楽しい気持ちにはなれないのは、私好みではないけれど。
でも、いい作品でした、とは思います。
ねっとり濃い、人間のどろどろした部分をえぐるような作品が好きな方には、とってもお勧めです。
そして、子役が素晴らしい!
魑魅魍魎の住む金魚鉢
男児の「遠くへ行きたい」という声が押したのは、サスペンス狂想曲をセットしたままのCDラジカセだった。
坂上忍氏プロデュースの今作『溺れる金魚』であるが、映画を舞台化した作品らしい。
私は 映画館のスクリーンに映された方を知らないので、対比で あれこれ語ることなど 至難の技だ。
ただ、同じ下北沢の地図を広げれば、つか こうへい脚本の『蒲田行進曲』が舞台化され、評判を得たばかりである。
『溺れた金魚』にも『蒲田行進曲』にも 共通するのは、展開において「節」という区切り が存在し、終盤へ向けて 緊迫が高まる点だろう。
豊島区の遊園地で遊んでいた父親、母親、子供の、若い一家団欒。子供=男児が、突如として“誘拐”された「事件」を機に、その狂想曲は始まる。
CDラジカセのボタンを押したのは、やはり 男児の「遠くへ行きたい」であった。
人間を、単純な在り方として決して描かない演出を徹底していた。
あらゆる登場人物に複数の顔が見え隠れし、「演説」のような絶叫する姿さえ 一つに過ぎなかったのである。
これほど、「ぶつける」ことを否定し、混乱させるものと位置づけておきながら、しかし それに“賭ける”演出も ない 。
悲壮感漂う ラストには、思わす呑み込まれてしまった。
この読後感を 何と表現すれば いいのか。
漠然とした感情は、観客へ仕掛けられた狙い なのだろう。
満足度★★★★★
デリケートな世の中
ふと発した無意識な人の言葉に人生を大きく変えた事件、そして変わってしまった事件を取り扱っている。
そんなデリケートな世の中で生きる私たちへの警鐘であろう。
話としてはサスペンス好きには見逃せない迫力満点臨場感あふれる作品でした。
役者さんたちの演技も素晴らしかったです。私的にはお宮の松(たけし軍団)が特に好みです。