14日の土曜日 公演情報 14日の土曜日」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.2
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  • 「観客がいないと、舞台は成立しない」

    「観客がいないと舞台は成立しない」という当たり前のことを、見事なドタバタ・コメディーで教えてくれた。

    シチュエーションは、葬儀場である。それなのに、上階にはライブ会場「スタジオライフ」が営業中のため、常に激しいロック音楽が鳴り響く。
    「あえてミスマッチな劇場にしたのは何故か」を考えたが、答えは その形状に見つかった。

    開場30分間のうちに使われる“通路”を、茂木(キーマン)が他の来場者を退けさせなければならない、または劇的な展開を含むシーンにとって不可欠な舞台装置として利用していたのである。

    葬儀場の「清め処」で、死んだはずの男(小野寺拓郎)が現れ、しかも生命保険2億円がかけられていた事実が発覚する。
    前に務めていた会社の社長は“未亡人”の妻(小野寺早紀)へ「会社の金3000万円を返してくれ」と懇願し、元同僚は「1500万円を貸していた」と告白してきた。他方、舞台の要そのものである死亡した(?)拓郎妻(早紀)の実妹は、姉が保険金目当てに謀略したものだと考える。
    この設定なら、普通は(集合体としての)「人間はいかに金に嫌らしい存在か」というスタンスでも、「実は人間は澄みきった存在である」というスタンスでも、どちらにおいても描くことが可能だ。

    しかし、『14日の土曜日』は、そうしたメッセージ性を もたらすことなく、極めて等身大の「人間社会」を描くのである。



    シチュエーション・コメディは、登場人物の入れ替えで“笑い”が起こる。
    軸となるのは、事情を把握する巻き込まれA。
    今回、その大役を務めたのが、死亡した(?)拓郎の元同僚にあたる茂木だった。

    その慌てぶり、女だろうが容赦しない強引さは コメディ・アクションとして面白い。一挙手一投足で ここまで 笑える舞台も 他にないだろう。

    やや、茂木のオーバーリアクションが過ぎた結果、先に示した“等身大の「人間社会」を描く”ことからは遠ざかってしまった。
    もちろん、シチュエーション・コメディとキャラクターの関係は、自転車のペダルと同じであり、それが「面白い」と観客に感じさせた功労も併せて記す。


    最も特徴的だったのは、会場から笑いが耐えなかった点だ。葬儀場に笑いが起こる、それもまた、笑えるシチュエーションではないか。

    一部の観客から 大きな笑いを貰えるケースは、どんな舞台においても あり得る。
    しかし、私が観劇した回は「20代」から「50代」まで、実に多様な世代の観客が 途絶えることなく笑ったのだ。
    最初は、特定のキャスト=葬儀場従業員だけに笑いが生まれているのだと認識したが、しばらく経過し、むしろ作品、舞台に対しての“返し”だと気付く。

    舞台は、「観客がいることで成立する」ジャンルである。
    密室のパフォーマンスをYouTubeに投稿しユーザから反響が得られることがあっても、舞台 では聴かない。「テニミュ」(ミュージカル・テニスの王子様)がニコ生配信される際、観客を入れずに流すのか。いいや、違う。


    そして、“通路”が舞台の一部になるのと同様に、“観客”が舞台の像なるものを形造るのである。
    改めて、考えさせられた。

    私が観劇した回は、元同僚の彼女が彼氏に向かい「(あなたに)他に“男”ができた時、使えるかも」とほくそ笑んだ。“女”と言うべきところを なぜか変更してしまった。間違えたのではない、あくまで変更したのである。(おそらく)

    仮に台詞を間違えたとしても、このような 面白い間違え方があるか。

    可愛く照れる姿の反面、むしろ即興であり、そうカウントできなくもない出来だった。












  • 満足度★★★★

    ひとつぐらい・・・・
    アーバンフォレスト時代から穴吹氏の芝居を拝見しているが、
    リアルで捻りがあり、退屈させない。
    今回も役者さんたちもレベル高く、随所に笑いがあり楽しめた。
    ひとつだけ、茂木くんほぼ出ずっぱりでお疲れ様でした。
    彼にもひとつ愛を与えてほしかった。

  • 満足度★★★


    客が来るたび芝居のストップがあり、それに対応できない演者の拙さには興ざめしたが、それを補う演出家の対応が手助けし、脚本、演出、が良いのであろう、徐々に引き込まれ笑っていたが、隣のの女性が何故か怒って床をガンガン踏み出しやがった…

  • 満足度★★★

    前作が良かっただけに
    実力的にはワンランク上の劇団であるとは思いますが、今回は後味が悪くて残念でした。

    ネタバレBOX

    起業話に騙された男が、旅行中に中国で死んだことにして保険金詐欺を目論む話。

    前作『floors』は凄惨と思われるシーンがありながら後味の良さが際立っていましたが、本作品は詐取が成功するという後味の悪いものでした。

    男が途中で、お金のことより故人のことを偲ぶべきだと正論を吐いたのは余計でした。全員が微動だにせず直立している中での演説は古臭い人情コメディのようであり、彼が会社の金を使い込んでいなかったり、同僚から借金をしていなかったのなら説得力はありますが、本当にその通りだったのですから、そりゃ当事者はお金のことを心配しますよ。当然でしょって。

    一生他人になりすまして生きていくことができるのか、男が哀れでした。

    ところで、南海キャンディーズの山ちゃんに似た俳優さんを見て、つくづく山ちゃんがモテない理由が分かりました。
  • 満足度★★★

    コメディ
    遅れて来た人がいて面白かったな。途中、誰か手をあげてトイレに立たないかしらと思ったけど、そういう強者はいなかったようで。もちろん僕にはそんなことできません。

    稲田さんの喋り方とかすきだなあ。でもあんなのが実際にいたら、鬱陶しいんだろうけどね。

    靴が脱げたら、ちゃんと履いてから、階段あがっていって欲しかったな。余裕あるようで、結構余裕なかった?

    ネタバレBOX

    ん? 結末が。
    あれでは、あの人がわざわざ葬儀場の従業員に変装する意味がないような。
    あ、知り合い達の様子を見たかったんですね。

    最後、稲田と山本(だっけ?)が中華食べにいくことになるんだよな、どうするんだろうと思ってたら、そういう方向には行かず。

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