満足度★★
伝えたいことの混濁
いわゆるコロシアム型というか、観客が舞台を取り囲む形式の舞台。
音楽はベースのみ、あとは歌や踊りあり。
なんていうか、ポイントがどこにあったのかが
全くつかめずに終わってしまった。
母殺しをテーマにしているのに、怨念は説得力ないし
裁判は形式的なもので、どうも・・・
裁判を批判している劇ではないので、その部分も良く分からない。
そして、何より様々な細かい試みが、ことごとく邪魔になっている気がした。
カオスを表現したいものは陳腐に映ったし
コスモスもまたこれ然り・・・・
そして役者さんに目を向けることもなかった。
うーん、個性を発揮しにくい舞台だったかな。
満足度★★★
平栗あつみは良かったが。
事前情報を全く入れず、19時半開演@シアターXとだけ確認して劇場へ。実際、出演者に平栗あつみと生方和代がいることと、作品はギリシャ悲劇で演出家が外人さん(ルティ・カネル)ということぐらいしか知らずに。あと、真那胡さんが出てるんで、たぶんそっち系だろうと予想して。
「21世紀ギリシア芝居」と銘打たれているが、そんなにギリシャ悲劇を知ってるわけでもなく(普通の人よりは知ってると思う)、原作者のアイスキュロスも知らないし、テーマは「母殺し」のようだから、きっと暗いんだろうと勝手に予想。演出家の人のことは知らないが、外人さんだからきっとアート系だろうとも。どういう偏見なんだか>オレ。
で、始まった。正味75分の芝居。ユニークな舞台装置で、音楽はベース一本だし、芝居の途中には陪審員席が登場するしで、けっこう斬新なことをやってる。かなり楽しめる作りだ。台本は確かにギリシャ悲劇(紀元前に書かれた)だが、自由度の高い演出で次々といろんなことをやってる。声と身体を駆使して。母殺しが裁判にかけられる。
オープニングがかっこよくて、そこから続く平栗さんの芝居もいいんで引き込まれた。が、芝居が廻り始めると、普通の芝居になってしまい、ちょっと退屈。たぶん、いろいろと演出としてやられることが、私には「普通」に見えてしまい、楽しめなかったのだ。アレを面白がれる人なら楽しめる。私には、ユニークな装置や陪審員席やあれやこれやが「普通」に思えてしまい、楽しめない。
思うに、私はギリシャ悲劇とかは嫌いじゃないほうなんだけど、今を生きる普通の人からすれば「どうでもいい」んじゃなかろうか。もっともっと今のコトバで話すべきだと思うが。今なら親をクソババア呼ばわりしてるし、クソババア(母親)を殺すなんて、ありがちなんだから。
平栗さんはよかった。ほかは、もっともっとテンション上げないとダメでしょう。型どおりの芝居になってたような・・・。
しかし、平栗さんとか生方さんとかを見るのって何年ぶりだろうか。お元気そうで、なによりです。(別に知り合いじゃないですが)