満足度★★★★
原作の感動をそのまま伝える良心作。
あのジブリのアニメ「もののけ姫」がイギリスの劇団によって舞台でよみがえった!
大量のビデオテープでタタリ神を表現するなど、廃材を使った素朴な手作りの舞台。
コダマはパペット、とはいっても人が小さなぬいぐるみを手で支えているだけで表現。
ストーリーも音楽、歌も、アニメ・オリジナル作品をそのままま舞台化。
原作の意図をうまく表現していて、感動、面白かったです。
ただ、観て感動したのも、良きも悪しきも、アニメ・オリジナルの力と言える。
忠実だったから伝わったけれども、その分、オリジナリティや独自にはみ出した部分とかがなかったということだ。
それでも、海外では、アニメは子供が観るものという認識が強いらしいので、
アニメではなく演劇なら、海外で大人も見てくれるのだろうから、原作の精神を広げる意味での役目は大きいのかもしれない。
表現を楽しむ
最前列中央ブロックの席でした。
役者さんの表情や息遣い、舞台装置にパペットたちの素材などよく見えました。
両端の字幕は首を傾けないと見えませんでしたが、皆さんストーリーはほぼ頭に入っていての観劇だと思うので、問題ないと思います。
ミュージカルなど大掛かりな舞台装置を駆使して表現するには舞台が小さすぎるし、かと言って観客全員に役者の表情や身体で終始観客を魅了するには会場が大きすぎる印象です。
原作ありきの舞台というのはどこを抽象的に表現するか、具体的に見せていくかのバランスがとても難しいなあとしみじみ感じました。
大規模な装置が無い分あらゆるシーンの表現を役者の手で行います。
パペット、ダンス、エンターテイメントや現代アートからヒントを得た表現方法もあったと思います。