音楽演劇「光かもしれない」 公演情報 音楽演劇「光かもしれない」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.3
1-7件 / 7件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    飲食OK、アルコールとおつまみあり、途中入退場OK、開場時からスタッフや来場者が談笑することもあり、席につく前からライブハウスにいる感覚に。その雰囲気のなかで、自然と演劇を観に来たという身体ではなくなっていきました。

    ネタバレBOX

    それは最後まで変わりませんでした。結局、途中退場する人はなくみんな客席に座ってステージを観ていて、その光景はやっぱりいわゆる観劇なのですが、なぜか身体のなかは音楽ライブのままなのです。
    ミュージカルやライブ公演を模したものなど音楽×演劇の作品は数ありますが、今まで経験したどれよりも音楽ライブでした(演劇でもありました)。ミュージシャンは全員が団体メンバーだということに加え、作・音楽・演出である神保治暉さんの中に様々な文脈が並列で入っているんだろうかと想像します。

    ひとりの旧人類(徐永行)は、かつて友情を結んだアンドロイド(堀春菜)と再び出会うため、ロボットY-3PO(原雄次郎)とともに長い長い宇宙の旅に出ます。3つの種それぞれの関係と、そこで繰り返される「友情」という言葉はいったい何を表すのでしょう。あまりにも長い年月が過ぎ去るなか、思いが変わらないことと変化すること、友達という価値観についてはもうすこし多層的であるといいなと感じました。その方がより多くの観客に自分事として手渡せるし、演劇性が高まるかなと。
    多彩な表現の個々がストレートであるぶん、価値観に共感できないと、自分のなかで演劇よりも音楽の比重がどんどん大きくなってしまい、物語がただの筋になってしまうからです。

    それらライブ性の強さもあり、今、上演することの意義が色濃い公演だと思います。台詞だけではなく、過ぎ去るスピードやリズムなどが今の世の中に流れる感覚に対してビビッドだと感じました。たとえるなら、音楽を流してなにかを飲みながらスマホのSNSアプリを同時に立ち上げまくってショート動画やタイムラインを渡り歩きながら同時進行している感じ。たまには投稿もするし、突然BeRealの通知がきたりもする。そんな心地よさがありました。
    そんな身体感覚は、あと2年くらいたてば「遅いな」あるいは「速いな」になるかもしれません。それでもこの数年、社会と表現の距離感が変化していく中で、今この題材をどう扱うか、上演に対して何がリアルなのかという感度が高かったと感じました。

    エリア51は「音楽演劇をより多くの方に届けていくことを目指しています」とのこと。ジャンルに縛られず、独自のムーブメントを起こす未来を期待してしまいます。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    You can't fake the groove

    ネタバレBOX

    高度に発達したテクノロジーによって人間の存在価値が変容した世界で、相棒のロボットを伴い果てしない旅を続ける姿を描いた本作。一見すると既視感のあるスペースオペラでありながら、言葉や音楽、映像が独立せず一体となって生み出す圧倒的な「グルーヴ」というべき推進力が、作品を貫いていました。その劇的構造が、客席で静観していることすら不自然に思わせる高揚感を伴って、世界の不穏さや記憶の切実さを浮かび上がらせていたように思います。

    音楽演劇という構え方が、図らずも演劇が音楽を包括しうるという部分と、音楽は演劇の中においても独立しうるという部分を両方示せているのは興味深い点でした。同時に、ここで指す演劇とは何か、問いたくなる作品でもありました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    オリジナル楽曲のバンド演奏と俳優の身体表現を同じ地平で立ち上げること。これが、エリア51が標榜する「音楽演劇」の形です。しかし、そこには、単なるジャンルの融合や横断だけではなく、観客が劇場という場や観劇という機会に対して抱える緊張や不安をできる限り解そうとする、演劇におけるアクセシビリティやケアへの観点が忍ばされていました。

    ネタバレBOX

    日本において「劇場」という場所はまだまだ多くの人にとって緊張を余儀なくされる場所であると感じます。もちろん、その緊張感も時としては濃密な劇体験の一部ではあるですが、体質や体調など様々な事情を持つ観客にとってはその数時間が喜びどころか苦痛に感じられてしまう。
    そんな中で、本公演では飲食しながらの観劇やスマホでの撮影、ゆるやかな退場時間の設定や途中入退場がしやすくなるようなアナウンスと、状況や文脈が異なる他者とともに芸術や文化の喜びを体験する上での様々な工夫が凝らされていました。まるでライブやフェスに来た時のような体感で劇場での時間を過ごせること。そうした演劇公演が決して多くない中で、エリア51はこのフォーマットを追求し続けており、実際に多くの観客の方が前のめりかつ自由に楽しんでいる様子が伺えました。

    物語としては、人類が「旧人類」と呼ばれるようになった未来のお話で、旧人類である主人公がかつて深い友情を築いたアンドロイドを探し、ロボットと旅に出る、というスペクタクルな宇宙冒険譚でした。そこにギター、マリンバ、ベースの生演奏とボーカルの歌声が並走していて、時には演劇が詩的なMVのように音楽の魅力を引き出し、またある時は音楽が劇伴として物語に流れる変化や予感を引き立てたりと、効果的な相互作用を生んでいました。会場はいわば、音楽と演劇を相乗りさせた一つの宇宙船。そんな風にも思えてくるパフォーマンスでした。

    星を越えて紡がれる友愛を描いたこの音楽演劇は、圧倒的に異なる出自や背景や性質を持つ私たちが他者と生きていくことの困難と、それを越えた先にある喜びを伝えるものでもあったのかもしれません。同時に、アンドロイドやロボットといったAIとの共存という喫緊の社会現象を盛り込んだ劇作でもありました。そうしたメッセージを受け取るにあたって、音楽と演劇という異なる文化が同配分で混ざり合うフォーマットは理に叶うものであるとも感じました。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    「音楽と映像で彩られた宇宙旅行」

     スペース・オペラを音楽の生演奏や映像を交えて描いた作品である。

    ネタバレBOX

     人類が電力など生活インフラを生産するための家畜のような扱われ方をされ「旧人類」と呼ばれるようになってしまった遠い未来、旧人類の主人公(徐永行)は、かつて地球でアンドロイド(堀春菜)と友情を育む。しかし旧人類とアンドロイドは敵対関係にあった。自身の記憶を外部装置に移したアンドロイドを探しもとに戻すべく、主人公は自作したロボットのY-3PO(原雄次郎)とともに旅に出る。道中では、主人公が会いたがっているアンドロイドとよく似たウェイトレス(堀春菜・二役)が加わる。高度に技術が発達した未来では、肉体と記憶を引き継ぎ生き続けることができるようになっていた。ようやく2001年目に目的の星に到着したが……

     映画「ブレードランナー」のような世界観を想起させる本作は、前提としている設定がなかなかに入り組んでいるため、作品に没入するには相応の時間がかかってしまったことが残念である。またボーカル入りの生演奏に負けないためか、俳優三名の芝居が上演会場の空間にそぐわない過剰さであったため、細かな台詞のニュアンスが聞き取りづらかった点も惜しい。

     ジャズテイストものからラップ、竹内まりやの「プラスティック・ラヴ」のカバーなど演奏家たち(ボーカル:鈴木美結、ギター:神保治暉、マリンバ:中野志保、ベース:廣戸彰彦)による生演奏は聴き応えがあり、進行に合わせた映像を舞台奥に投射するなどの工夫が光った。特に主人公がアンドロイドとともにスパゲッティを食べた思い出を回想するくだりの静けさ、ほろ苦い甘さが印象的である。他方で主人公の行動が宇宙検閲なる人物に管理される場面では、その検閲官がただ台本を読んでいるように見え残念に思った。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/05/24 (日) 16:00

    開場から退場までゆるやかで暖かい空間で観劇出来ました。飲食OK、撮影OK、途中退出OK。
    この空気感に最初はビックリするかもしれませんが本当に心地良くて好きです。
    大掛かりな舞台装置などがない環境でのSF的な作品…どうなるのかなと思ってましたが全く問題なしでした。
    役者さんの演技に小道具、演出、そしてバンド演奏でスタジオ空洞は宇宙船となり宇宙を駆け巡りきみとぼくの物語を紡いでくれました。
    バンドや演出の方、舞台上にいる全員が演技を繰り広げて一つの舞台を作り上げるのが本当に見事だと思いました。
    要所に入るバンド演奏による楽曲がこれから始まる物語への没入感を高めたり、気分を盛り上げてくれてたり、登場人物の心情に寄り添ってくれたりでこちらも凄く良かったです。
    更にバンド演奏に合わせてのダンスも素敵でした。
    1度で終わるのが勿体ない。何度も何度も見たくなる、見て良かった作品でした。

    ネタバレBOX

    2001年の宇宙の旅やY-3POなど随所にSF作品を元ネタにしたであろう小ネタが盛り込まれているので詳しい方はニヤリとするかも?
    更には第4の壁など物語終盤の出来事を思わせるワードが序盤から散りばめられていて複数回観た時にはそこに気づくようになっているのかなとも思いました。

    ぼくは「他人の人生を生きてるみたい」だと言う。
    そうだとしても。
    ロボットや「きみ」と同型のアンドロイドの友情の力を借りて「きみ」ともう一度会うために行動をする。

    ストレートな言葉を使って真っ直ぐに「友情と宇宙と冒険譚」を盛り込んだ素晴らしい舞台だったと思います。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    飲食も撮影もOKな、出演者も含めてよい意味で自由な演劇でした。
    演技を楽しむも良し、演奏を楽しむも良し、後ろに控えた出演者のわちゃわちゃを楽しむも良し、色んな楽しみ方ができるなと思いました!

    ネタバレBOX

    会場のスタジオ空洞を物語の中に取り込みつつ、SF+メタ要素で、演者と奏者、物語と現実、それぞれが混ざり合って一体感を生み出していて、とても魅力を感じました!
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/05/20 (水) 19:00

    座席1列

    価格3,500円

    初めてエリア51の公演を観てきました。
    演劇と音楽が見事に調和した『音楽劇』、個人的にハマりました。演者の汗だくの熱演、楽曲の完成度、ストーリーも面白く、最前列で至福の時間を過ごしました。
    次の公演もまた行きます!!

    ネタバレBOX

    人間、アンドロイド、ロボットの友情、絆、エゴ?の物語を、AIとどう共存していくかを悩める現代社会に重ねて観てしまいました。
    公演後の対談も面白かったです。

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