ゴドーは待たれながら 公演情報 ゴドーは待たれながら」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.4
1-7件 / 7件中
  • 満足度★★★

    最終日観劇
    待てど暮らせど、いっこうに現れず。大倉さんの舞台で発奮する姿勢は狂いつつも裏寂しくも見えるが、チャップリン風のユーモラスさに通じる様にも見える。見えそうで見せない演技の凄さというか。
    正直、不条理劇はよくわからない。でも、不可思議で面白い舞台だった。

    ネタバレBOX

    野田さんの少年役は安定してますね、扉の前で半ズボン履いて喋っているみたいだったw
  • 満足度★★

    分からない
    私には難しいお話でした。一人芝居は初めてでした。。ゴドーを演じている大倉さんは、とても熱演していたけど、部屋を行ったり来たりで、話が同じことの繰り返しで、よく分かりませんでした。客席に古田新太が来ていたのには、驚きました。最後にケラさんが登場して、人笑いあって、そこは見に行ってよかったです。

  • 満足度★★★★★

    「待たれること」の絶望
    大倉さん演じるゴドーは延々と大きな声で、この家から出て行けない、行かない、出られない、出る気がない言い訳を言い続けます。おかしなリアクションをしたりして笑いを提供しながら。
    そのうちに段々と空想から妄想へと変わっていき、焦燥、不安から狂気に変容していきます。このくだりがなんとも言えない気持ちになるのです。こちらまで不安と焦燥感に煽られるような。。 歯車が微妙に微妙に、少しずつ少しずつ、噛み合わなくなっていくような、居心地が悪い感覚。
    「待つこと」の希望。「待たれること」の焦燥と絶望。「待たれること」は「待つこと」よりもっと絶望的なのだと。

    大倉さんは心身共に酷使した熱演でした。白髪にするための化粧品の白い色が汗で流れて、首筋に何本も白い筋を作っておりました。休憩を入れて2時間、出ずっぱりしゃべりっぱなし、動きっぱなしの一人芝居。たった一人で板の上で戦っている姿に感動しました。

    声の出演だった野田秀樹さん。子供という設定とはいえ、無邪気なきょとんとした声の調子がゴドーと対照的で、笑いを誘いながらもゴドーの狂気さが際立つようでした。声だけでニュアンスを表すのは難しいと思います。野田さんもすごいな。。と。

    ネタバレBOX

    客入れは吹き荒れる風の音。
    美術はシンプルですが、細部にまでこだわって作られていて繊細でリアル。中央奥には、フレーム状の古びた木材の構造物が少し斜めに傾いてあります。その上部に小さな開口部と窓。開口部からは大きな梁が客席側に向かって突き出ています。この斜め具合といい、張出し加減といい、不安な気持ちにさせられます。
    舞台前面にも同様のフレーム状の構造物があり、下手側にはドア。ハンドル状のドアノブは錆て茶色に変色しています。構造物の下部は所々素材が剥がれ落ち、蔦が絡んだ跡が見受けられます。
    今回、最前列のセンター席だったので、かなり細部まで観てとれました。ほとんどの観客席からはここまでは観えないだろうと思われるのに、ここまでリアルな質感を再現してあるこだわりに脱帽。
    窓からは、ぐるぐると渦巻く雲が映像で映しだされています。よく西洋絵画で見かけるような色合いと雰囲気の雲です。この雲がなんとも言えない不安や焦燥感を煽っておりました。
    中央に大きな古びた蓋付きの木箱。その手前に同じく古びた木製の椅子が1脚。上手にマンダラゲ(実際には枯れた?エンゼルストランペット)の大鉢。
    衣装は黒いフェルト帽、黒いジャケット、黒いパンツ。基本、裸足ですが、ダークブラウンの革靴もあります。どれも見事に埃で白っぽくなったり、ほつれたりしています。ゴドーというと連想するいでたちそのものです。

    ラストシーンで椅子に座り、足を組み、顎に手をやり、無言、無表情で固まったような姿のゴドーはもはや仙人のようでした。

    カーテンコールは2回。1回目は大倉さん登場。2回目はケラさんが客席側から登場。以下のようなお話をされました。記憶のみを頼りにして書いているので、記憶違いはご容赦のほどを。
    ケラさん「え~大倉は今、袖で死ぬ前の力石になっていて。ちょっと待って。楽屋見舞いが病院見舞いみたいになっていた」
    大倉さん登場。
    ケラさん「やり終わってよかった?」
    大倉さん「それほどでも。。」
    というような、壮絶だったであろう公演のお話をされておりました。本当にお疲れさまでした。
  • 本の力
    初演がみたかったと思わされた。
    ゴドーを題材にした作品は多数あるがいずれも魅力的に感じられるのは
    ゴドーという作品の底力か。
    KERAさんらしくないと感じたが、もっとこういう作品に取り組んで行ってもらいたいと思った。

  • 満足度★★★★

    不思議な体験できた
    観ているうちにどんどん引き込まれ、自分が出口のない箱の中にはいっているような感覚に。。。イライラしたり、開き直ったり、…。ここはどこ?わたしはだれ?的な舞台と客席が逆転しているような…。そんな体験。野田秀樹さんの声の出演も良かった。一人芝居に圧倒されたようで圧倒してやった的な?不思議な体験をした演劇でした。

  • 観てきた
    4/9

  • 満足度★★★

    思索的な堂々巡り
    サミュエル・ベケットの代表作『ゴドーを待ちながら』では最後まで現れないゴドーのその時の様子が描かれた一人芝居で、コミカルな雰囲気の中に人生やアイデンティティーについて考えさせられる要素も見え隠れする作品でした。

    自分を待ってる人の所へ行こうと思いつつも、いつどこで誰が待っているのかが思い出せず、一人ボケツッコミを繰り返しつつ話が堂々巡りして、いつになっても部屋を出ることが出来ない状況が延々と続く物語で、『ゴドーを待ちながら』を知らなくても楽しめて考えさせられる内容でしたが、裏話的エピソードや引用が巧みに用いられていて、知っていると洒落た趣向をより楽しめると思いました。

    大倉孝二さんは緩急自在な演技で素晴らしかったです。台詞の語尾の言い回しや妙な動きがユニークで、引き込まれました。大きな声も小さな声も劇場のサイズに合っていて、聞き取りやすかったです。

    ナイロンお得意の映像は用いられず、音楽や効果音もほとんど使われず、照明もごく限られた場面以外は変化のない、ストイックな演出が演技を際立たせていました。
    録音による野田秀樹さんの声の出演は音響オペレーターさんの会話の間の取り方が上手く、スピーカーからの音の聞こえ方も自然で、まるでそこに野田さんがいるかのようでした。

    戯曲の2割程度をカットしての上演とのことでしたが、休憩込み2時間でも飽きることなく観られたので、カット無しのフルヴァージョンで観てみたかったです。

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