片鼻 公演情報 片鼻」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2026/03/29 (日) 14:00

    座席1階

    中島淳彦作品にハズレなしという私の勝手な法則は今回も維持された。演出は嶽本あゆ美。少し異色の顔触れだ。とても上質な舞台に仕上がっている。

    主人公の女性は2年前に母親を亡くし、母が営んでいたタバコ屋の家をそのまま相続した。タバコ屋自体は閉じていて、近所の同級生女性も含め波風立たない普通の生活を送っている。この同級生と結婚紹介所の集まりに参加したところから物語が回転していく。

    中島作品は軽重併せ持った絶妙な会話劇が魅力。今回もクスッと笑えるシーンが盛りだくさん。さらに、主人公を取り囲むメンバーそれぞれの人間ドラマが同時に進行するのも楽しい。今作も中島作品の楽しみが詰まっていて、お得感がある。

    プレオムは基本的に女性だけの舞台だが、今作も世界観が広い。将棋とか釣りとか、男性が好むようなアイテムが登場し、女性がそれにのめり込んでいく場面が舞台を豊かにしている。

    決してハッピーエンドではないが、なんとなくさわやかな空気をまとって劇場を出ることができる。本日は千穐楽。桜が満開となった好天だったがシモキタに来てよかった。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    故・中島淳彦作品の上質な鑑賞機会を提供してくれるプレオム劇、今回3回目。重宝である。
    女性オンリーが特徴。立ち上げた2016年に打った演目を10年目に再演。固定メンバー&常連メンバーに、ゲストメンバーを迎えて。劇団に近い空気感も親しみが湧く。演出に嶽本あゆ美女史を迎え、毛色の違う芝居をどう演出するかも気になっていたが、中島淳彦芝居の世界が違和感なく立ち上がっている。
    本作は四十過ぎの独身女性を見舞った、痛いお話。彼女の負傷や損失の分だけ、周囲は少しばかり幸せになっている構図で、一人だけのアンハッピーエンド。そして失敗はこの主人公の心根がもたらした報いにも見え、不遇の者が獲得する観客の同情・共感からさえも見放された姿、所謂痛い女性のモデルケース。
    ただ、「苦労なく」過ごして来た様子の彼女に、抱きしめるべき不幸が与えられた事の方が僥倖なのかも...と。四十過ぎた身に癒えがたい傷を刻まれた事は確かで何だかリアルで、しかし作者は彼女をそのように遇する事で、結果的に希望を投げかけている。主人公役の小林美江が、目が離せない立ち姿。近所のお節介おばさん役の矢野陽子も引きつける。他特徴的キャラが美味しい役者たちが噛んで味がするスルメ。ディテールにこだわった具象の装置も美味しい。スズナリでの上演資格十分あり。

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