ドッグヴィル 公演情報 ドッグヴィル」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
1-4件 / 4件中
  • 満足度★★★★

    踏み出しつつ乖離させない
    前回公演があまりにも面白かったので、
    今回は、ちょっと気合いを入れて、
    観劇前の通勤中、ニコ動で元ネタの映画を鑑賞。

    で、舞台を観て、
    映画からのニュアンスとの取り込み方や
    重ね方、さらにはそこからの踏み出し方のセンスに
    舌を巻きました。

    ほんと、おもしろかったです。

    ネタバレBOX

    会場に入って、床の図形をみてにんまりw。

    で、舞台が始まって物語に導かれるまでのラップが、
    すでにガッツリと面白く、
    本編に入ると、
    舞台上の表現と
    映画の世界とラップで紡がれるシーンの
    つながりのバリエーションの豊かさにさらに取り込まれていく。
    映画のシーンにしっかりと重ねられる部分も多くあるのですが、
    ニュアンスがラップで語られることによって
    置き換わったり、裏を取られたり、
    さらにはそこから踏み出して、
    広がったりするのがガッツリと面白い。

    結構律儀に原典のニュアンスを描き込む力と、
    意訳の如く別の表現を引っ張り込んでくる部分と、
    シーンを踏み台にして、
    とんでもない方に舞台を運ぶセンスが
    絡み合って、
    観る側にぐぐっと効いてくる。

    役者たちも上手いのですよ。
    実力派といわれ実績もしっかりの役者さんたちなのですが、
    守らずにしっかりと攻めてる感じがあって、
    ラップの態が崩れないだけでなく、
    個々に異なる色や切れがのっかっているし、
    観る側を引き入れるテンションを担保しつつ
    映画の世界に足を置き、
    でもそこに閉じ込められない演技の手練があって。

    原作の映画とテイストは違う・・・、
    というか素敵に大きくはみ出しているのだけれど、
    でも、要の部分の処理のセンスが
    舞台を観る側が感じる映画のコアから乖離させない。
    で、ニュアンスを手放していないから、
    可愛い子犬でシーンを置き換えたり、
    鎖の先のボールのお題を語ったり、
    フレッドアステアのダンスと屋外への展開というような
    大小の荒技・小技が
    ことごとく観る側を巻き込み、
    作品の広がりへと昇華し、
    映画で語られるものと舞台にあるものが
    立体感となってやってくる。

    こういう面白さって、
    作る側は自らの感性を全開にしつつ、
    遊び心と緻密さを抱き合わせて
    つくっていることの果実なのだろうし、
    観る側にとっては
    なにか理屈では語れないような、
    センスにはまり込んでいくような部分があって。

    ナカゴーの主宰さんがご出演で、
    出番は多くないのですが、
    何とも言えない良い味をだしていたなぁ。
    こういうキャスティングも旨いなぁと思う。

    前回公演とは異なった印象の作品でしたが、
    映画の流れと共に歩みつつ、
    でも、映画の世界に留まらない
    厚みを強く感じたことでした。








  • 満足度★★★★

    ダンシング・イン・ザ・ダーク
    家や道路が床に白線で書かれただけの空間の中で人間のおぞましい面が明らかになって行く様子を描いた映画『ドッグヴィル』(ラース・フォン・トリアー監督)を、全編ラップの台詞でヒップホップテイストにカヴァーした作品で、癖になる脱力感と時折見せるエッジの鋭さが魅力的でした。

    映画と同様に白ビニールテープで家や道路が表され、壁面に映画の各章の冒頭から数分が映された後、役者達の演技に引き継がれる構成で、時には映像をチラチラ見ながらシンクロして演じる場面もありました。
    レイプシーンや主人公が大事にしていた人形を壊されるシーン等、エグいシーンはカットしたり可愛い表現に置き換えられたりしていて気楽に観ることが出来ました。時事ネタや演劇業界ネタが楽しかったです。

    最終章の主人公と父が車で街を出る場面で急にミュージカル映画『バンド・ワゴン』の『ダンシング・イン・ザ・ダーク』のシーンが映され、それに合わせて役者2人が外に出て夜の公園で踊るのですが、『ダンシング~』の最後が馬車に乗り込んで終わるのと『ドッグヴィル』のラストシーンが繋がり、さらにトリアーさんの前作のタイトル『ダンサー・イン・ザ・ダーク』を想起させつつトリアーさんが偽善的な「良きアメリカ」を嫌っていることにも繋がり、幾重にも意味を重ね合わせた見事な演出となっていて素晴らしかったです。
    ちなみに外の公園ではサイリウムを持ってヲタ芸の練習をする若者達が沢山いて、その中を駆け抜けていく様子がシュールでした。

    ラップがビート乗り切れていない箇所が結構あったり、マイクがハウリング気味でリズムトラックとのバランスも悪くて台詞が聞き取りにくかったのが残念でした。

  • 満足度★★★★

    キエる鎌田氏(別に消えはしないが
    途中からのノッてきた?感し。

    最初は割と硬めだったかも。体の動きとかも。観客が多かったから照れもあったのかもね。

    途中、画面(会場前方にスクリーンで映し出されているドッグヴィルの映像がある
    見て、ガラスの向こう(フリースペースなんですぐ外が元校庭の広場)に眼をうつすと
    「部活動でUFOを呼んでるっぽい」うる星やつらのオープニングに出てきそうなちびっ子たちがサイリウムを凄い勢いで振り回したり何本も放り投げたりして、
    「をっ、UFO近づいてきたかな?」
    とか思って、ふと舞台上に眼をもどしたら、
    「あ、なんかぽくなってきてる」
    て、なってた・・気がする(笑

    なんでかな、て思ってたら、ラスト(以下ネタバレへ

    ネタバレBOX

    ネタばれってほどでもないのかもしれないけど、
    ラスト50年代ハリウッドミュージカルっぽく
    微妙な(上手くないことはハッキリ分かる(笑)ステップを踏みながら
    外のUFO少年アブドラジャンたち(皆若そうだがたぶんラムちゃんも好きなのだと思う)のなかに飛び込んでいくあたり、
    たしかに体が鈍ったまま外に飛び出ていくと
    よっぽど葱を日ごろから大量に摂取していない限り
    風邪ひきの憂き目を見るのは明らかなようにも思われたので納得
    (別にそんな理由だけじゃないのかもしれないが

    面白かったけど、
    体の中にHIPHOPが染みついた男肉B-BOY(クラブでアンビエントでバク転するちびっ子たちを日ごろから苦々しく思っているなど)たちは
    「チェっ、なんでぇ(こんなのがもてはやされるのか」
    など、ど根性ガエルに出てくる登場人物みたいなボヤキを口に出すことは必至と思われる(すべて想像(妄想)だが

    場所がほぼアキバなだけに2次元のたとえが頻出してしまったがご容赦願いたい。

    帰りに近くのハナマサで泥葱を山盛り買って帰ったらお袋が大層喜んだ(もうないと思う

    ・・ちなみに最後の方で出てきたナカゴーの鎌田氏が
    キエるマキュウの某氏の体型にほんのりと似ているような気がほんのちょっとだけしたりした。
  • 満足度★★★★


    原作未見。

    ネタバレBOX

    ギャングのボスの娘・グレースが山村「ドッグビル」に逃げてきて、村人トムの提案で労働をはじめ、村民に受け入れられるも、次第に妬みや蔑み、レイプの対象に落ちていく。結局、トムの通報でやってきたギャングの父のチカラで、村民を皆殺しにする…という重い話を、なぜかのヒップホップ調なセリフまわしで、別なテイストに仕上げた快作。

    ヒップホップだかのBGMのせいか、ヒップホップな発声のせいか、セリフがききとりにくい。映画の映像を芝居の合間に映すけども、なんの話なんだかわからないまま。話が見え出したかと思えば、本編に関係ないような話を挟んだりしてストーリーがどうでもよくなる。
    原作は、人の本性を晒しだすとかってテーマらしいけども、本舞台はそんなのどーでもよくって、ひたすらヒップホップな声が耳に残る。そして、グレース(佐々木幸子)と男の屋外でのダンスシーンが目に焼き付いた。

    最後の佐々木幸子の言葉(作者の言葉)は、アフタートークって括りなのかな。久しぶりによくわからないけど、不思議とさっぱりな舞台をみた。次回も観たいと思った。

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