少年少女 公演情報 少年少女」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    深井邦彦氏は何か業界内人気が高い感じ。次から次からオファーが来て次から次からそれに応える。全ての作品に通ずる人間観、人生観は同じだ。ずっと同じ方向性の歌を歌っている。引きこもりの自殺志願者が生きていくにはどうしたらいいのか?死のうと決めた奴に届く言葉はあるのか?それは作家の自分自身への言葉なんだろう。赤の他人へのエールなんかどうとでも作れる。生成AIでも適当に与太れるだろう。だが自分自身に届く言葉はそんな安いもんじゃない。一体、どうすれば自分は生き直す気になれるのか?それともやっぱりなれないのか?

    「あわぷれ=our pray(私達の祈り)」とは深井邦彦氏と演出助手の朝倉エリさんの二人ユニット。役者が絡まないのは珍しい。よっぽど二人でしか見れない光景があるのだろう。(今作は2017年にHIGHcolorsで上演した作品の一部を切り取ったものなのだろうか?)

    磯部莉菜子さんは上品なイメージの役が多い気がしたが、ぽこぽこクラブの『あいつをクビにするか』ではサイコ女だった。
    八頭司悠友(やとうじゆうすけ)氏の使い勝手の良さ。『反応工程』から『モモンバのくくり罠』から『少年Bが住む家』から記憶に残る存在。内面を外面に投影する技術が優れているんだろうな。

    ネタバレBOX

    いつもの奴はラムネ菓子なのかな。一番重要なアクションはビンタ。ガチビンタ2発で客席も慄く。自殺しようとする女と張り合う宅配便の男。不幸自慢でマウントを取り合う。男の話はガチ話なのか?それとも策略なのか?「タイプです。飲みに行きませんか?」と執拗に迫る男の恐怖。『ターミネーター3』の名台詞、「怒りは絶望に勝る」を思い出す。何故、この見ず知らずの女の自殺を止めようと思ったのか?何も出来なかった惨めな自分をそこに見たのか?それは誰にも分からない。

    客席は業界人で溢れ返った。有名女優がそこらここら。一体、作家は何処へ向かうことになるのか?

    The ピーズ 『残念賞』

    ひねもす、馬鹿の相手
    死んだ方がマシだって
    やっぱそう来ると思った
    そのうちでいいじゃねえか

    カビの生えた頭
    花咲くまで引きずって
    眺めてれば生きれんだ
    割と誰も咲いてんだ
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白かったです。深井邦彦さんの作・演出は昨年のHIGHcolors『或る、かぎり』が初見で、構成力、台詞に感心しました。なので、今回の「あわぷれ第0回旗揚げ公演」の第0回の意味がわからないまま、観劇。不幸な設定の芝居ですが、状況と展開の面白さに思わず「くくくっ」と笑ってしまいます。若い俳優二人の集中度が高い演技も気持ちよく、満足な30分間でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    ありそうな情況の中でフッと陥る人間の寂しさ 孤独、それを笑いを交えて描いた珠玉作。
    あわぷれ の旗揚げ公演(作品)であるが、先日の「若手演出家コンクール2025」の最終候補作(優秀賞受賞者)の1つで、前後しての上演になっている。

    上演時間が短く、ワンシチュエーションにも関わらず 男女2人の面白おかしい会話の中に強烈な癒しを感じる。少しネタバレするが、冒頭 女がスマホを打ちながら独り言を言う、それによって瞬時に情況が解る。そして説明にある宅配業者の男との奇妙な触れ合い?が見所。
    (上演時間30分)

    ネタバレBOX

    舞台は3面客席。会場入口と反対側、壁側面に沿って2列。壁側客席から見るとベット、ソファとミニテーブルが置かれ、服やゴミが散らかり雑然としている。その乱れが 女の心を表しているよう。

    暗がりの中、スマホの液晶光だけで女の顔が浮き上がる。30歳 ニート 処女 (パチンコ)ギャンブル好き 借金300万、そして母一人…ずっと母一人だったがその母が昨日亡くなった。女がブツブツ物悲しい独り言を言っている。そこへ宅配業者(男)がやってくる。女の首に太い輪ゴムが巻き付いている。自殺しようとしたが 輪ゴムが足りなくアマゾンで購入(936円)した。この状況を男に話 代金を払ったが、男はとっさに1円を隠し935円しかないと言い掛かりをつける。

    女にもう金が無く、男に(金を)負けろ とか1円を貸せと迫るが…。女の繰り言に対し 男も3か月前迄は引き籠り それも17年間。もちろん童貞。どちらが不幸なのか競い合っているような可笑しみ。男は突然 女を飲みに誘う。あなたは「タイプなんです」。そして女の顔をビンタする。女の痛いという言葉に反応して、「痛い」と思うのは生きたい証だという。ほんとうに死にたいのか自分に向き合うように言い、それを宿題とし1円の支払いを猶予した。

    1人の女が自分のことを話しているだけ、それなのに一気に引き込まれてしまう面白さ。孤独な空間に放たれる言葉は同情を誘わず、むしろ傷だらけになっても何とかなる。そんな開き直りを温かい眼差しを持って描いている。この作品は魂を救済する。ラストの余韻が見事!
    次回公演を楽しみにしております。

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