満足度★★★★
テーマが◎
「罪とその償い」「被害者遺族の心情」に始まり「復讐の連鎖の虚しさ」に至るテーマが◎。
また、幻想と現実を往き来する構造から実は彼らは既に死んでいて地獄で永劫苦しみを繰り返しているのでは?とも思ったり。
さらに、舞台両脇に置いたドラム缶や打楽器を出演者が叩き鳴らしながらの暴力シーンの迫力たるや…。
満足度★★★★
宙吊りという拷問
欺瞞や擬制を排し、己の中心性を見出すべく格闘する若い精神とその苦悩を描いた作品と取ることも可能である。若者が日々感じている閉塞感、空虚感を宇宙空間に於ける絶対的な無根拠、即ち居所の無さと捉えた時、彼らの苛立ち、焦燥、耐え難さ、宙吊りになったままの拷問を生きる虚ろな存在感のあやふや。そんな総てが、彼らの精神を襲うのである。幸か不幸か、多くの若者は対処する術を持たない。その結果、前半部では暴力が全面に出てくるのである。