『消費と暴力、そのあと』 公演情報 『消費と暴力、そのあと』」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★

    見えない側が気になる
    演技スペースを上下に分けて観せる作品のなっているので、若干見にくいと感じる部分があったり、見えてない側がどうなっているのか気になる部分はありますが面白いと感じました。
    物語は一人の女性の心情を描いてるのかなと感じた。

  • 満足度★★★★

    三段階に変容?
    吹き抜けによって繋がってはいるが、それぞれの客席からもう一方のフロアの演技エリアはほぼ見えないという大胆な使い方をした会場で始まるのは「立体詩」のようなパフォーマンス。
    下の階を選んだ身にはまるで「言葉が降ってくる」感覚。
    が、階上から下りて来た男の実体験も入っているかと思わせるモノローグ以降は虚実の境界があるようなないような語りが中心となり、ブルーノプロデュースのドキュメンタリーシリーズを想起したりも。
    そうして迎えるラスト、人によって解釈は異なると思うが、多くの女性たちは結局1人の女性の様々な内面(=思考・性質的なもの?)であった、と捉えて納得。

  • 満足度★★★★★

    完成度に裏打ちされた一期一会の空間の呼吸
    吹き抜けのある空間の上と下から
    観劇をすることができて・・・。

    最初に上から覗き込み、
    その世界に圧倒的に浸りこんで
    翌日急遽下から観劇。

    座る場所によってそれぞれに見えるものが異なることにも
    また、公演ごとに舞台上に育まれる色の
    新しさにも驚嘆。

    初日を観ることができなかったことや
    楽日を観れないこと、
    さらには全部の座席を体験できないことが
    とても残念に思われました。

    ネタバレBOX

    会場に足を踏み入れると、
    もうそこには世界があって。
    1Fと地下を貫く大きな吹き抜けがある空間の
    上と下に客席がしつらえられていて、
    少し迷った末に、全体の見切れが一番少なそうな
    座席に腰を下ろすと
    忽ちに場の空気に取り込まれる。

    作品が始まり
    役者たちが描く刹那が
    空間に置かれ重ねられていきます。
    そのひとつずつは、
    ふくよかで強いニュアンスを持ちつつ、
    シンプルで、ピュアで、
    色を滲ませることなく、その想いの肌触りとともにあって。
    そして重なりは決してタイトではなく、
    でも密度を失うほどにルーズに散ることもなく、
    空間に繫がれ、満ちて、引いて、呼吸し、
    愛憎の質感を剥ぎだし、昂ぶり、沈む。
    役者達がその身体とともに描きだすものが、
    生々しく美しくあからさまに、現れ、隠れ、
    何度も揺らぎ解かれつつ、
    やがて一人の女性の
    質量から解き放たれたような想いに束ねられ、
    さらに踏み出していく。

    その心風景の息を呑むような解像度に圧倒され、
    終演とともにゆっくりと霧散していく空間の残像に暫し呆然。
    そして、ゆっくりと、でもとても強く、
    1Fで得た女性の心風景を
    もっと内側で眺めたいと思う・・・。

    で、偶然時間がとれたので
    翌日、地下の最前列の座席で観劇。
    そこには、前日に焼き付けられたものとは異なる、
    地に足のついた役者たちの身体の実存感がより強くあり、
    置かれていく想いの移ろいも
    身体からやってくる生々しさにより深く染められていく。
    様々なフォーカスのなかに浮かぶもの、
    いくつにも異なる鈍い痛みの感覚、
    執着、足掻き、禍々しさの混濁、
    前日の如くたゆたう想いの肌触りを感じつつも、
    同じ高さで正面から見据える地下にある身体には、
    上から降りてくる想いとは異なる
    そのなかに生きる感覚のリアリティを伝える力があって。
    上から見ていると、心風景の向こうにあった
    一人の女性の生きる姿が、
    下にいると、その位置関係が逆転して
    一人の女性の、生々しく禍々しくさえある
    生きる姿から、その内心を覗き見ているような風景に変わり、
    その想いを抱く女性の、
    強さも脆さも、美しさも醜さも、その呼吸の強さや深さまでもが
    観る側にしなやかに残り、驚愕。

    さらには、個々の役者が表すニュアンスの切先も
    一晩でしなやかに変化していたように感じて。
    それぞれの醸し出すものが、他の空気の色や質感と対応して
    空間全体のなかに置かれていく感じ。
    そこには、単にロールを語り演ずる力にとどまらに
    舞台の時間を共有することの、
    とてつもないふくよかさがあって、
    ガッツリ巻き込まれてしまいました。

    一番コアというか大外にあるものは、
    ありがちな、ありふれた、男女の別れ話なのだけれど、
    多分、何回観ても、
    一期一会のごとく異なり、
    飽くことなく惹きつけられ閉じ込められてしまうであろう
    舞台でありました。

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