青少年版 フランケンシュタイン 青田の影 公演情報 青少年版 フランケンシュタイン 青田の影」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.7
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    初見の劇団さん。役者さんは皆さん頑張っているし,そもそもメアリ・シェリーのフランケンシュタインは何度も読んだ作品だし,たぶん家族をテーマにこのようなことを言いたいんだろうなと思いながら観劇していたのであるが…残念ながら自分的には物語に入り込めなかったなぁ。まぁ劇場の椅子が硬くて,最近ますます肉が落ちてしまったケツには痛くてたまらず,集中力が著しく欠けてしまったことも原因ではあるが,冒頭では主人公と話していた姉がいつの間にか母となり,しかも既に亡くなっていることが判明したり,場面の転換が唐突で,現実と物語の世界の境界が曖昧となったり,観劇後に振り返っても感動や思いが伝わることもなく,ただ芝居を観たというだけになってしまった。悪くはないんだが,満足するには至らない観劇時間でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    物語は説明通りで
    舞台セットは高低差や見た目がユニークな
    作品世界感を十二分に表した
    見応えのあるものでした
    バイクの免許とバイクの購入資金欲しさに
    叔父の居る田舎でバイトをしにきた主人公が
    「時を戻そう」みたいなビジュアルの
    フランケンシュタインモンスターの息子と
    巡る作品世界をなぞる物語でした
    111分 全席自由
    ただ最前列の方がスマホの着信音鳴らして
    直ぐに切らないわ 電源切れやボケ!
    ガラケーをひたすら数分単位で何度も弄るわ
    観劇マナーが欠けまくってたのには
    閉口しきりだったわ

    ネタバレBOX

    色々と詰め込んでて とても楽しめた♪
    原作の説明やツッコミに愛も感じたし
    フランケンシュタインズ
    ホントに複数形で合ってるんだよ
    モンスターさんは楽しめたし
    リアルに飲み食いしながら田舎生活を
    らしく表現してて作品世界を良く表現してた
    ラストはフランケンシュタインの息子さん
    風船持って浮き上がりましたしー
    仕込む仕込む('-')
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。東京に来て2回目の公演らしいが、今後 注目していきたい団体。
    物語の設定というか 構成は少し複雑で なかなか全体像が掴めないが、それでも観(魅)せる 力 はある。タイトルにある「青少年版 フランケンシュタイン」は、人の生と死の比喩であり、「青田の影」はそれを意識し始めた主人公 健一と彼の心に忍び寄る得体の知れないモノに思えるが…。心にある生と死に関わる複雑な思い、それを色々な角度から捉え <芝居処 華ヨタ>らしい独特な世界観を構築しようとしている。当日パンフに演出の内田達也氏が「面白い演劇を全部詰め込みまして」とあるが、これ以上盛り込んだら物語が破綻するのでは というギリギリのところまで攻めた公演のよう。

    少しネタバレするが、物語は小説「フランケンシュタイン」の概観(手紙という形式<枠物語>)に準え、過去と現在の情況、生者と死者の(魂の)共鳴といった異なる世界観を錯綜させ展開していく。そのため役者陣は皆 複数役を担っている。勿論 演技で違う人物像を立ち上げるが、衣裳替えや小物(例えば帽子など)も活用する。また魅せ聞かせる 女優2人による歌と振付も楽しめた。そして何より舞台装置とそれを活かした情景描写の演出が巧い。
    (上演時間1時間50分 休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は段差を設え、上部に街(ビル)の風景 高架送電線に雑草、天井部には豆電球による星々。遠景を表現するかのようなミニチュア造作。中央に電柱/街灯、上手/下手には変形の障子戸があり、特に下手にはウッドデッキのようなスペースが張り出している。そこで食事の光景や自動車内を表す。全体的に古材を使用した古民家のよう。

    健一は、夏休みに オートバイの購入と免許取得の資金稼ぎのため 叔父の家でアルバイトを始めた。3時起きの農作業、田舎ゆえ早く閉まる店(カラオケ)。眠れぬ夜とゼミ課題の「フランケンシュタイン」の読了と研究。小説を準えるように 博士によって創造された怪物は、醜い容姿によって迫害を受ける。孤独感から怪物は伴侶となる異性の怪物をもう1体創ってほしいと頼むが先送りし…。

    冒頭 健一と話している姉がいつの間にか母になり、しかも既に亡くなっていると。物語を繋ぐ 世界と世界の境界が曖昧となり、健一の現況が浮き彫りになる。健一とフランケンシュタインの息子が重なり、孤独を抱えている。一方、従兄弟とカラオケに興じるが 22時が閉店という田舎の地域性、舞台美術と相まってノスタルジアが感じられる。カラオケによる女優2人(畑中咲菜サンと森岡朋奈サン)の歌と振付が楽しい。従兄弟 拓哉との会話は現実、しかし 健一の心は 虚実の裂け目を彷徨っている という奇怪さ。

    物語の世界観はそんなに暗澹・憂鬱ではなく、坦々としている。むしろ演出の過度な盛り込みが気になった。<影:柴野航輝サン>が デーモン閣下のような怒髪と異様なメイク、<影の影:北中僚介サン>が スティルトに乗って不安定に歩く、唐突な歌謡シーンや 上手/下手から扇風機を使った紙吹雪など、その見た目の派手さが印象的。また至近距離で そうめん を実食するなど、諸々の試行を共振させるかのような。表面的な演出は目立っているが、肝心な物語の世界観に入り込めないのが惜しい。
    次回公演も楽しみにしております。

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