ながいみじか〜い 公演情報 ながいみじか〜い」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    キルハトッテの短編集、実にイイですね。かなりシュールなのですが、妙にリアルな感覚が好きです。

  • 実演鑑賞

    「時間」がテーマの短編3演目を連続上演する企画公演。ナンバリングは「vol.5.5」。劇団員の吉沢菜央が3作全てに出演し、そのうち1作は一人芝居。こういう機会だからこそ、改めて「目を引く俳優さんだなぁ」としみじみ。会場が王子スタジオ1ということもあって、シンプルな舞台セット、シンプルな舞台機構、コンパクトな空間性で上演され、そのことが作品と観客の一体感を生む効果もありました。日常的でありながら非日常な世界観。小劇場らしい上演と言えます。

    ネタバレBOX

    沢山のアルバイト歴を誇る女性が、新たな入社面接で自身の職歴を語る。他界した愛犬の弔い方を共に考える女子学生たち。等々。私たちの日常に近い世界観だが、そこに想像力・妄想力を注入させ、魅力的な非日常に変換させる。表現として、リアリティとデフォルメのバランスもよく考えられており、好感や共感の抱きやすい上演だと感じます。作・演出を担う山本真生の内面性や物事の見方、こだわり方なども感じられ、過剰な背伸びをすることなく、でも、少しだけ成長した姿を見せようと「つま先立ちをする」ような演劇、この団体が等身大で向き合おうとする表現に魅了されました。余談ですが、愛犬の弔いをモチーフにした『ダックスフンド』を観て、自分の死への恐怖が少し溶けた気がします。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    (笑えた度)4.08(今感)4.08(完成度)5.10(平均)4


    コミカルシニカルテクニカル
    あなたの人生に関する抽象演劇。

    よくできた文学というものは、道化師のような姿でやってきて、しばし笑いがまきおこり、
    その後一瞬で豹変して、鮮烈な読後感を残して去っていく、
    そんなことを考えました。

    ネタバレBOX


    (抽象演劇にかこつけて、どんなにピントハズレなことを発言しても、まあまあ許されるかな、と甘えて、ホンも読まず一度見ただけのうろ覚えで勝手な妄想を書かせていただきます)

    まず、短編ではない。
    それに気づいた時に、1段目の衝撃が来る。

    少人数の公演。同一人物が何役もやるのはよくあること。
    短編集だし。とわかった上で、その慣性を逆手にとって素直に同一人物が演じているから同一人物だよね、と考えると転換が訪れる。
    「ながいみじかーい」と天の声。人生?

    第1幕 面接で職務経歴書をミュージカルに仕立て上げる主人公。

    チェーン店がマルチの人々でいっぱいの様相は、ジャストな今を照射しているわけではないが、今に続く現代の普遍的な光景。
    やり手に見えるダメンズに恋して勝手に失恋。よくある「一人芝居」の比喩を「一人芝居」でやるウィット。

    壁を押すバイト。筒井康隆?安部公房?星新一?あるいはベケット?

    アイドルも経験し、いい日旅立ちを歌う。「私を待ってる人」「がいる」と歌うが、(実際には)「いない。」

    私がいなくても、ミラーボールは回っている。
    星の数ほど幾多の職業を経験するが、一つもうまくいかない自分の一生。

    第2幕 誰ともコミュニケーションがうまくいかない姉の一生。

    本人がサンタの砂糖菓子なら、元カレがケーキだったので、姉も何かの菓子だろう。
    共食いは流石に出来ず、吐き気がするから。
    元カレとケーキが別人なら砂糖菓子と妹が別人であってもいい。
    まあ、姉が人間であってもなくても私は妹だし、元カレは父。
    でもそういうのは、もはや意味を持たない。合わせ鏡の騙し絵だ。
    姉は私の分身で、彼も私の分身だ。だから食べられないのは当たり前なのだ。
    思い出の品々を残して、姉は死んだ。
    それは自分だ。誰ともコミュニケーションがうまくいかないまま。

    第3幕 こちらに向かって念仏を唱え、木魚もどきを叩いている。

    これはデジャヴ。遺影の目線? 
    死ぬと腐って臭くなると言っている。匂い? 
    この会場は皆靴を脱いで、ひな壇の上の客席から見下ろしている。
    靴を脱いで、匂いは気になっている。
    人間を犬になぞらえるのは、○フトバンクのCMで慣れっこになっているし、、、

    死んだのは観客である自分たちだと感じる瞬間が訪れて、2段目の衝撃が来る。

    葬儀の方法論を舞台縦横に仕込まれた呼び出しチンベルを鳴らしながら考察。
    チーンていうのはさ、これって、まんま仏具だよね。
    自分の葬儀を四女が親友と共に仕切る最高の人生のシュミレーションは妄想だ。
    姉である自分の遺物を弔う。第2幕とは地続き。
    誰の思い出? 
    仕事も全くうまくいかず、他人との関係も築けないまま一生を終えたのは誰だ?

    ラストシーン、朝になり、地明かりがつき、キャストが入り口から公道へ出ていく。
    あの入り口の向こうには何があるのだろう。
    地明かりの白色を背景にして来世への案内カウンターにバカリズムがポツンと座っている姿が脳裏に浮かぶ。

    そして、数分後に私たち観客は間違いなくあそこから外へ出ていく運命なのだ!


  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    すごくよかったです。短編ですが、就職や結婚、はたまたご葬儀を問題にしていますし、ときに笑えて、時に人生の節目を考えさせられました。みんな良い人ばかりで最高ですね。舞台の演出ですが、冷蔵庫やサンタクロースの袋から色々出てきて面白かったです。小劇場ならではの一体感がありました。ただ、役者さんが自分で音を流すの大変そうでした。素敵な時間をありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/10/10 (金) 14:00

    105分。短中編3本。休憩なし。

このページのQRコードです。

拡大