虫 公演情報 」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.2
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  • 満足度★★★★

    新鮮な驚きあふれる
    この、つかみどころがなくて、何考えてるかわからなくて、突拍子もない非現実的な行動を取るかと思うと、すごいシビアで、寄る辺なく立っている感じが儚く危なっかしいのに、とてつもない生命感に満ちてもいる。何より、とてつもなく魅力的な存在感。これが女性かぁ、という新鮮な驚き。正直、他の方達の劇評を見て劇中の構成を理解した口なので、観劇後の素直な感想は「よくわかんないけどスゴイもの見たな」という感じ。映像と独白と踊るような動きの妙。言葉のセンスが秀逸。これを体現できる女優さん達すごすぎるっっ!

  • 女≠男
    舞台にありがちな”大事件”も起きなければ、大きな”感動”も”笑い”もない極々ありふれた日常のお話。感動こそないけれど、不思議と心が動かされるというか。そんな感覚の作品でした。

    ネタバレBOX

    『男=虫』って、女性の視点から観るとそう感じるときがあるのかなぁ。
  • 満足度★★★★★

    初見なんで割とザックリと観ちゃったけど・・
    女の子のリアルの男性のイメージ=虫?と、
    テレビ画面の上での虚構の男性のイメージ=関ジャニ∞との対比がとても面白い(笑

    ちょっと極端かなーと思ったりもするけれど、
    劇的にするにはこれくらい両極端にした方がちょうど良いのかもしれないなと思ったりした
    (ただ、2年前にもほぼ同じ脚本で上演したようなので、
    個人的にはちょっと不安にはなってしまったけど

    ネタバレBOX

    弁当屋さんで10年以上働いているジャニオタの女性(30代と思われる)
    の存在感がどんどん増してくる様子が個人的にはとても面白い。

    普通、男性の女性アイドルのオタクというのは、
    個人を偶像化する傾向にあるように思うんだけど、
    女性の男性アイドルのオタクの方々というのは
    まぁ、確かに偶像化する人も多いんだけど、
    それとは別にグループの中での人間関係にあこがれている人が多い気がする。

    ラストの方で、
    ジャニオタ氏(女性)が冴えない女性落語家氏に、
    「関ジャニ∞のような人間関係を!」(たしかこんな風な台詞だったと・・
    と話しかけるシーンが個人的にはクライマックスだと思う。

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    それまで、役者たちの後ろの背景には幾度となく
    関ジャニ∞の画像が大写しに映されれている。

    今まで現実の男性との接点のない一人の内気な30代の女性が見ているとなれば、
    通常の男性なら、ジャニーズ=白馬の王子様
    として夢見る女性の姿が容易に想像できるんじゃないのかな・・と思う。

    ところが、実際には女性は男性に対するあこがれと言うよりは、
    男性アイドルの人間関係にあこがれているのだと明かされる
    (女性観客にとっては当たり前のことかもしれないケド

    虫=現実の男性?に襲われることによって、
    今まで自分に見向きもしなかった(と思われる)男性に対する
    若干の希望めいたものもスッパリと断ち切り(多分。これには異論もあるだろう
    女性同士で男性アイドルグループのような友情を目指すことに切り替える様子は、正直、とても凛々しく見える気もしたり・・
    (でも、気のせいかそういう女性って結構多い気もするんだよなぁ・・自分自身、女性以上に気持ち悪い(苦笑)現実の男同士の嫉妬とか、なんかそういうものに、もう辟易してしまった。確かにそういった現実の男の相手をするよりか、女性同士で男らしい(というか男性の虚構の友情へのあこがれの共感でつながる)人間関係を育んだ方が合理的かもしれない・・


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    こんな奇妙な誘いかけをされて
    通常なら戸惑うところを、
    「私、関ジャニ∞にはおこがましいかも知れないけど、関ジャニ∞より努力していると思うから、私の落語会に来て!」
    (この台詞で、この噺家も実はジャニオタなのでは・・という感じがちょっとしてみたり・・あくまでちょっとだけだけど
    と迷わず誘いかえす噺家も(凄い誘い文句だ(笑
    「アレ、この女性、結構男前だね!(ジャニオタっぽいけど」
    という雰囲気がまた漂う。

    殆どカオスな登場人物群のなかで、
    いちばん男っ気なさそうな二人が
    最後に群を抜いて(他人から見るとどうか知らんが
    眩い人間関係を構築する予感を漂わせるあたり・・
    作者、何にも考えてなさそうで実は凄く考えているのかな、と言う気もした(最後になって。初見なんで、ホントザックリっす(汗

    他にもいろいろエピソードはあったんだけど、
    特に心に響いたのはこの辺りということで・・。

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    でも、まぁ、男性も虚構なのは承知でジャニーズや宝塚を観て、
    なんか、女性が憧れる男性っぽい人間関係
    (ちびっ子の頃には成立してたように思うんだけど・・なんでいつの間にこんな男だけ女々しく(その割に暴力的に)なっちゃったのって思うよ
    を子どものころの記憶から思い返した方が良いと本気で思う。

    ・・イヤ、ホント男の女々しいのはホント苦手っす
    (ゴールデン・ボンバーの「女々しくて」は大好きだけど
      ♪あんまり女々しいと目の前で踊られちゃうんだっ♪

    (また個人的な意見を書いちゃったなぁ・・(懲りてない
  • 満足度★★★★

    熱演
    意味を前面に押し出さないが、飽きが来ない展開だった。出演者の皆さんは素晴らしい熱演。

  • 満足度★★★★

    初演から約2年
    初演から約2年。約1時間50分。若いダメ女子たちがダメダメな日常を赤裸々に語る。出演者の身体や発語に強度があるから最初から最後まで高密度。女性性を突き放して描くセンスが鋭くて小気味良い。ただ、初演と比較する視点から言うと、彼女たちには空間が狭過ぎる気もした。

    市原佐都子さんの演出は戯曲のテキストを素材として突き放してとらえていて、コンテンポラリー・ダンスのような切れ味があり、ポップでもある。だから観客はギョっとするようなセリフについて冷静に思考したり、あまりの滑稽さを笑ったりできる。

    登場人物が増えて脚本も変わってた。初演に続いて出演してる女優さんたちが、とてもたくましくなっていた。演出も、観客に頼らない、甘えない姿勢をさらに強くしていて。2年間でこれだけ人間(若者)は変わるのだと確認。とはいえまだ20代前半だよね…若い。強い。

    ネタバレBOX

    ニノがヒナになっていた。
    美容カウンセラーの番組は凄みを増していた。
    あの落語はすごい(笑)。
    「がんばれ!」は無責任な言葉。でも、あんなに他人(テレビドラマ)に感情移入できるのも才能かも。

    空間を狭く感じたのは作り手の成長のたまものだと思うけど、小さな空間に合わせることも重要じゃないかと思った。アトリエ春風舎はさまざまな傑作を生み出してきた劇場だから、あの空間ならではの観客との距離感や関係性を、もっと利用してもいいんじゃないかと。

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