こんなにもあなたが愛おしい 公演情報 こんなにもあなたが愛おしい」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-5件 / 5件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ノスタルジックな家族ドラマ、グッときました。家人を癌で亡くしているので、こういう展開には滅法弱い。子役の少年よかったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    しみじみと叮嚀に描かれる家族愛。演技もよかった。最後は号泣でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    あなたが愛おしい、というセリフが胸にこみ上げます。

    ネタバレBOX

    やさしい気持ちになりました。博多弁が心地よく、ものがたりのあたたかさと調和していたように、感じました。過去と現実との間の往来のタイミングがすばらしいです。少年がほんとうに骨折していたことには驚きです。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     タイゼツ、ベシミル! 華5つ☆。脚本、演出、演技、舞台美術、効果何れもグー。演技では成人後の亮を演じた丹波 隆博さん、少年時を演じた及川 鉄之典くん、現在の八重子を演じた瀧澤 千恵さんの演技が特に気に入った。尺は約120分。終盤の急展開も見事である。但し、これはネタバレにも書いて居ないから是非、劇場で観て頂きたい。

    ネタバレBOX

     板上、下手は手前に3段の階段、踊り場奥は福岡のFMラジオ放送局スタジオのブース。上手は、このスタジオでパーソナリティーを務める加島 亮の実家の一室。部屋中央に卓袱台、その上には小さなラジオとTV用リモコン。卓袱台の北西には整理棚に載せられた小さな仏壇。部屋手前の客席側にはTVが置かれているという設定である。出捌けは両側壁に設けられており上手の部屋の上には2階の一部が見える。オープニング早々亮が義母・八重子が入居する前日に発見し読んだ産みの母の日記を通して、36歳になった亮と子供時代の亮が交感する形で描き、物語の時代変遷と亮の子供時代の様子をこの2つの空間を巧みに使い分けながら重層的に描くが、この演出が実に効果的だ。また実母や父の死後には父の霊も幽霊として登場させ、あの世と此の世の境を脚本の描く世界(実母と生きた世界への執着、八重子が来てからの実母への囚われ故に苦しむ生活)を霊という曖昧を通して合体化する手法も見事だ。
     物語は小さな頃に産みの母を失い、その後再婚した父(大二郎)の連れ合い八重子にどうしてもなじめず、優しく美しい八重子に惹かれる自分の、自然に生まれてくる思慕の念が産みの母を忘れさせることを恐れる余り、つれない言動を繰り返す亮と、食事を供しては拒まれ、心を込めて作った遠足に持ってゆく弁当を放り出される八重子の日常に延々と募る苦しみ。長じて折角入った大学も1年で中退、演劇をやると父の反対を押し切って東京に飛び出しずっと実家に戻ろうとすらしなかった息子が、実は仕事も思うようには貰えず地元に戻りラジオパーソナリティーを始めた息子の生放送番組をずっと聴きながら時に“あんたのおかあちゃん”のラジオネームで投稿し始める。それは父の三回忌に亮が実家に戻ったことがあったことが契機となったのだろう。同じように愛した二人の妻の一方を頑なに拒み続ける一人息子に決定的な手立てを用いることをその生来の優しさ故に実行できなかった父の悩みをも深く理解していた八重子故の行動であった。リクエスト曲は坂本 九の「上を向いて歩こう」。
     このリクエストにラジオ番組のアシスタントで恋人でもある結羽は「お義母さんでは?」と鋭く反応するが、36歳にもなって己の臆病を克服できない亮は否定する。
     然し・・・。後(クライマックス)は、劇場で観るべし!
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    #あないと
    面白い。継母と息子を中心とした家族劇。最近観かけなくなったストレートな家族愛に、日本の良き原風景を見るようだ。平凡で小さな物語だが、そこに多くの人が共感するであろう優しさが滲み出ている好公演。脚本も良いが、それを描き出す丁寧な演出と確かな演技が物語を豊かにしている。
    登場しない実母と遺した日記が肝。
    (上演時間2時間 休憩なし)㊟ネタバレ

    ネタバレBOX

    舞台美術は、上手に家族の家 加島家の居間-卓袱台や仏壇そしてラジオ、下手は段差を設え 上に福岡のFMラジオ局のスタジオブース。この2つの空間を巧みに使い分け、加島亮(36歳独身 同棲中、ラジオパーソナリティ)の心情を表す。シーンに応じて上手 二階部や客席との間の空間を街路と見做して行き来する。それほど広くない劇場内に、行橋市の実家と福岡のラジオ局(職場)という地方都市の風景を表す。

    舞台は 或るひと夏の地方都市、台詞も方言交じりで都会とは違った雰囲気を漂わす。この舞台全体の世界(観)が優しく温かくホッとする。説明にもあるが、亮は 幼い頃に母を亡くし、父 大二郎が再婚し新しい(継)母 八重子がきた。しかし 亮は八重子が嫁いでくる前日に亡き母が遺した日記を見つけた。さらに八重子も日記の存在を知ることになる。日記には、亮への愛情に溢れた言葉が綴られていた。一方 八重子は自分の子は産まず、亮へ愛情を注ぐが無視され馴染まない。遠足の弁当を作っても放り投げられる始末。亮は優しく美しい八重子を慕うことは、亡き母を忘れてしまうのではないか こわかった。長い間 胸の内に隠してきた思いを激白することに、それは八重子が末期癌で余命わずかということを知ったため。この遺された日記は実母の<想い>が詰まっているが、同時に亮の心を縛り付ける<重い>ものになっていた。日記に翻弄された家族。

    長い間疎遠だった2人の気持が簡単に通じ合うことはない。それをラジオを介在させパーソナリティという職業で語る、さらに「あんたのお母ちゃん」からの投稿という形で繋げる巧さ。父も亡くなり、その三回忌に帰ったきり会っていない。その父も夏(お盆)時季に霊として現す。生前は亮と八重子の気持ちを理解しつつ、何とか2人の仲を取り持とうと腐心する。過去と現在を往き来きするが、それを亮と八重子は 夫々1役2名で演じ分かり易く展開していく。

    照明の諧調によって心情表現を印象付け、衣裳替えと相まって時間の経過も表す。また音楽はラジオから流れる曲、日常何気なく口ずさむ歌「上を向いて歩こう」。終盤、居間から見る 行橋夏祭りの花火シーンが美しい。ちなみに、行橋夏祭りは1989年(昭和64年/平成元年)から始まったらしいが、それは亮が生まれた年であり 元号が変わる。それは生みの母から育ての母へ という意に重ねているのだろうか。
    次回公演も楽しみにしております。

このページのQRコードです。

拡大