夜長月 公演情報 夜長月」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.3
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  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

     短編3作「ゲーマー、ふたり」「嘘と秘密」「初恋の記憶」(上演順)を連ねたオムニバス形式の朗読公演だが、何れの演者も技術力が高く安心して聴いて居られる。

    ネタバレBOX

    自分が特に上手いと感じたのが「ゲーマー、ふたり」で伊吹 香澄を演じた女優さん。パソコンゲームのスピード感に没入しつつ操作するゲーマーの緊張感溢れる心理的揺れを巧みな抑揚変化や細かい表情作りで活写しつつ朗読、見事であった。
     脚本に描かれたキャラで最も気に入ったのが2話目で描かれた“烏”。して烏とは、左目の光彩が極めて稀な為裏社会では途方もない大金に化けると半グレ集団に拉致された若い女性・陽葵があわや目をくり抜かれる危機を迎えた刹那彼女を救った情報屋と称する者の名だ。(実は該者の兄)彼女を救出後、烏は陽葵をセキュリティーの高いラブホに移し、安全を確保した後、この犯罪の首謀者の名を特定、始末した。
     第3話は幼馴染同士が思春期を迎え初恋に落ちたが男・光洋は高校を卒業したら都会へ出て美容師になる、と彼女・朱莉を故郷へ残したまま旅立ってしまった。年月が経った。残してきた初恋の相手・朱莉から結婚式の招待状が届いた。光洋が故郷へ戻った折もう1人の幼馴染・翔子の関わる高校野球チームにピッチャーとして登板した。(美容師として店は持ったもののリピーターが少なく自らの才能に疑義を持つ彼は高校時代地元ではかなり名を知られたピッチャーであった)、こんな昔の栄光を思い出させた翔子は言った「別れるならキチンと別れろ」と、朱莉とけじめをつけることを求めたのだ。翔子のサジェッションが功を奏したか結婚式は華やいだ空気の中で終始営まれ新郎新婦とも新たに良い関係を築くことができた。
     ところで、今作ラストに茶目っ気たっぷりな追記がある。この追記故に、相互に関連の薄い3作のうち2話が関連して成立しているといった塩梅である。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    初めての団体であり会場。
    9月だが、体感的には夜長と言うには まだ早い。それでも「夜」を思わせる内容とその照明効果がよかった。公演は、朗読3作品で ゆるく繋がっている。しかし内容的には独立しており、それぞれテイストが違う。全体的には丁寧な劇作といった印象だ。ちなみに2チーム(A・B)での(朗読)公演だが、当日パンフは別々に作成して配付。
    (上演時間1時間10分) 【Bチーム】

    ネタバレBOX

    会場は剥き出しのコンクリート壁と天井。舞台中央に椅子2つ、背凭れを背中合わせにしてハの字のように置く。

    物語はシンプルにして分かり易い内容、不要な形容詞や修飾的な言葉(台詞)は少なく、どちらかと言えばストレートにして端正といった印象の朗読。その意味では、伝えたい内容を簡潔に しかも的確に表現している。基本的に2人の対話、その人物造形と今の状況を簡単に説明し、夜という時間の流れの中に観客を誘うようだ。

    公演の魅力は、分かり易い---軽快で歯切れよく、それでいて安定感ある会話、それも現代の若者言葉でグイグイと押してくる。出来れば気の利いた言葉の1つや2つあったら、印象的だったと思う。またキャストは表情も含め感情を込めた朗読をしていたが、もう少し生彩ある情景がほしいところ。それが端正ー言葉を丁寧に読んでいるが、生々しさという実在感をまとった迫力、リアリティが感じられないの惜しい。

    初めて行った会場、比較的狭く 周りはコンクリート剥き出しの壁や天井だ。舞台技術…照明は 角度を微妙に変え、壁に照明(光)が反射しない工夫。しかも物語の情景に合わせて諧調し時間の経過を表す。また音響は、1話のゲームの出だし部分(音楽)だけ大音量にし、あとは台詞に被らないよう配慮している。公演全体が丁寧な印象を受けるのは、キャストの明確な朗読、舞台技術の工夫、そして制作(受付を含む)の対応等による。

    3作品は次の通り(朗読順)。
    1.「ゲーマー、ふたり」
    ゲームが趣味の女性 伊吹香澄がVTuberの小畑めぐるとオフ会で会う。香澄は めぐるが同じくらいの年齢の女性だと思っていたが、実際は年下の男の子。めぐるから格闘ゲームの勝負を挑まれ対戦するが容赦なく叩きのめすが…。

    2.「嘘と秘密」
    情報屋の烏は、不良集団に拉致された神崎陽葵を助けた。彼女の片目(神秘的な輝き)に価値があるようで、それを闇社会で売れば大金が手に入るらしい。彼女の危機を救うためラブホに入った2人の話、そして烏の正体とは…。

    3.「初恋の記憶」
    高校時代の彼女 星名朱莉の結婚式に出席するために帰郷した日向光洋。都会で美容師をしているが、順調とは言えない。日向に、幼馴染の矢島翔子が声をかける。彼女が率いる少年野球チームの練習で汗を流し、今の心境を見直すような…。

    当日パンフに主催挨拶として「立場や境遇の違いはあれど、誰かを思いやれる人達の話。何かに行き詰っている大切な誰かが、再び立ち上がるためのキッカケのひとつ」を記している。その思いは十分伝わる。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    Bチームを観劇しました。
    3つの短編、朗読劇でしたが、役者さん達の声が良く表現力もありました。
    それぞれのストーリーは、ちょっと切なかったり意外性があったり面白かったのですが、短編なので物足りなさも感じました。
    小さな会場で、濃密な時間を過ごしました。

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