かわたれの空 公演情報 かわたれの空」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.0
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  • 満足度★★★★

    かたわれの空
    かたわれの空の意味も判らず、恥ずかしい限りでした。とても大切な事、忘れていってはならないことなど改めて考えさせられました。大学生の甥っ子や若い後輩たちにぜひ観るように薦めたいと思います。いい時間を共有できました。

  • 満足度★★★★

    時代背景と深読み
     扱われているのは1952年。1952年といえば総評などもゼネストを決行していた時代であり、サンフランシスコ講和条約発効の年でもある。一方、朝鮮戦争の真っ只中でレッドパージ旋風の影響もまだ吹き荒れていた。済州島4.3事件の4年後に当たっている。
     GHQによる日本支配が公式に終わる前後でもある。これに先立つ1949年には、下山事件、三鷹事件、松川事件が立て続けに起こる。無論、アメリカのスパイ組織が関与したというのが、実際の所だろう。日本の共産化を防ぐ為である。

    ネタバレBOX

     このような知識は、当時を描いた作品を見る為には前提条件なのであるが、達夫が、記憶喪失の最中に自分が交通事故にあった原因として、「スパイだったのではないか」と自問する科白は、このような背景にリアリティーがあるからこそ活きてくるのである。
     また、この作品が現代に於いても多くの意味を持つとすれば、アメリカに対する日本の為政者の非合理的精神構造、何でもかんでもアメリカ反対vs追随の日本政府・官僚の姿勢が、民意をではなく、アメリカの施策にこそ重点を置いている近視眼的視点を明確に示していることである。結果、本当に苦しみを負うのは日本の民衆だという事実だ。
     ホームドラマ形式を採っている以上、露骨な形で以上のことを表現している訳ではない。裕仁の戦争責任についても、民衆の言い方として表現されている。だからこそ、観客は深読みする必要があるのだ。原発推進派の後ろに何が見え隠れしているか熟考してみるのも良かろう。本質は変わらない。

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