満足度★★★★
サラダとステーキ(謎)
料理が得意な友人が「メシ喰いに来ない?」と誘ってくれたのでおコトバに甘えたら、最初がさっぱりして美味いサラダで「次は?」と思っていたら厚さ2cmもある熱々のステーキ(もちろん味はイイ)が出て来た、みたいな2編と言えようか?(笑)
また、単に2編を見せるだけではない工夫もエンタメとして◎。
しかし秋にある(この少し前に公開稽古を観た)某公演、そして同時期に公演中の某公演とカブる部分があったのにはビックリ。
こういう偶然の一致、何故かよくある小劇場界、「七不思議の一つ」と言ってもイイかも?(あとの6つはゆる募(笑))
満足度★★★
辺縁系のネガ
objetをobjetとして扱うには、無論、物理的に扱うのが、一番分かり易かろう。だが、あるポテンシャルを越えればobjetは相転移を起こすのが普通である。そこには、カオス、安定した秩序・結晶層、その間の辺縁系とでも呼ぶべき層が存在し、各層ごとの素粒子の振る舞いは変化している。我ら生き物がどの層に属するか、と言えば、辺縁の層である。ここでしか、新陳代謝を含む流動性と組織化が同時に存在しえないからである。物理的な客観ではそうなのだが、生き物が神経や脳を持ち、心を持つようになったら、物理化学特性と、所謂精神の働きは矛盾なく、同時に存在しうるのだろうか? 2つの劇団が、中身を入れ替えたオムニバス形式で演じた「物」。先ずは「中間子論」。
物体相互間に働く物理的な力の影響下、心はどのように振る舞うか? である。他方、海の音にもまがう心音を聞くのが、大好きなホモセクシュアルな主人公は、愛する者皆を殺してしまうが、遺体になった愛人を物としても愛したと言う。実話をもとにしているだけに不気味さを覚える。2編とも、結果的には、物それ自体というよりは、物とそれにまつわる精神の狂い、或いは、アンビヴァレンツを描いていたように思う。