寺山修司生誕90年記念認定事業「盲人書簡◉上海篇」 公演情報 寺山修司生誕90年記念認定事業「盲人書簡◉上海篇」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 3.8
1-6件 / 6件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/07/28 (月) 14:00

    寺山修司による江戸川乱歩「少年探偵団」の二次創作を軸とした奇妙なキャラ大行進な幻想譚。半世紀も前のクラシカルな作品をイマの演出でという温故知新的コンセプトは庵野秀明・樋口真嗣による一連の「シン・○○」に通じ「シン・アングラ」なのではあるまいか?(真顔)
    で、改装前の Gallery LE DECO 4階を想起させるイントレの装置や、開演前の観客誘導などこの会場を知り尽くした使い方は特筆もの。
    なお、天井桟敷による初演(1973年)は暗闇の中で演者が渡したマッチを観客が擦って観る演出だったそうだが、かつてサブテレニアンで観たアムリタ「死に至る眼、光る(2015年)」の「観客がペンライトで照らす」演出は本作を知ってのことだったのか?という疑問を抱いた。
    あと、別役実「マッチ売りの少女(1966年)」との関係とか。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    PSYCHOSISの前に観た舞台は高取氏の作品で独自の文体を演出を駆使して飲み込み易く舞台化してくれた印象があった。アングラ劇世界の現代的上演という特色で集客を得、精力的に活動を展開(頻度も高い)と思しいが、さて今作。寺山作「盲人書簡」は初めてであったが、数組ある「登場人物/場面」が、順繰りに暗転を挟んで現れるが、組が多くて相互の関連がいまいち分からなかった。関連自体があるのかも・・
    その意味では、各場面の人物(ら)によって具現される存在(人物)群と、その象徴となる言葉と、それらの素材を通して寺山氏が透徹する人間というものの本質・姿を想起する劇・・・とはなっていた。少年愛の嗜癖に溺れる明智小五郎と、彼に利用されまた捨てられる盲目の小林少年、暗躍する黒集団、不在の母へのマザコン魂がある娼婦と出会いで妙な発展を遂げる少年、部屋にこもる少女・・特徴的な人物/場面が衣裳、歌、踊り、ギミックと飽きさせない趣向で繋いでいたものの、物語叙述の面では(恐らく題材によるのだろう)追えなさがあり、やはり観客は物語を追いたくなる。原作を知る人には、どう見えたか分からないが。
    今回も深海洋燈が美術を担当、音楽もレベルが高く、PSYCHOSIS初期(つっても何年か前)に比して全体に力量が上がったと感じさせる(人が入れ替ったのか人が変ったのかは不明だが)。ただ作品世界の精神を伝える目的に技術が先行する勿れ。
    次作を楽しみに待とう。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    これほどアングラらしいアングラを見たのは久しぶりな気がします。
    何も考えず、目の前に繰り広げられる世界を楽しみました。
    ご案内にあったように黒い服で行きましたが、ソワレにしておけば良かったと思った待ち時間の炎天下でした。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★

    昨日に引き続いて、公的な助成機関である劇団協議会の後援の(詳しい後援の内容は知らない)舞台である。寺山が亡くなって年にもなる。今や、若者の中には唐と寺山の区別も出来ない(同じような作家と理解している)人も少なくないと聞くが、そのような年月の流れを感じさせる上演でもあった。
    もともと、戯曲としては形が整っていなし、演出がダンス系の女性なのでいからやむを得ないが、やはりこういう風に劇場で上演を試みるなら、書翰とした寺山の言葉を意識して上演台本を作ったらいいのにと思った。シーンそれぞれの作りの意図は分るが、それがどう繋がなっていくのかがわからない、乱歩の少年探偵団はアングラ時代以降人気があって、いろんな扱い方をされてきたが、この作品の盲目の小林少年の置き方などはちょっと無理筋の感じがする。演出もシーンのなかで何か、一カ所決まりの形を舞台で見せればいいと、理解しているようなところがある。そこが、アングラ演劇でめずらしく「(詩の)言葉」を重視した寺山らしくなくしてしまったのではないか、とも思った。なんだか、ファッション化しているのは時間の流れでやむを得ないのだろうが。


  • 実演鑑賞

    満足度★★

    同じ演目でも劇団によって色々な表現あるものだなと思わされました
    因みに前回見たのは月蝕忌実行委員会の盲人です
    今年は念願の万有引力奴婢訓見てしまったので、以後どれを見ても霞んでしまう気が…申し訳ない

    公演とは全く関係ないが
    先払いと予約済み当日払いの入場に何の意味があるのか理解出来ない
    要するに当日清算だとドタキャンとかするからなのか?
    よく考えると他の劇団ではあまりないので不愉快になるかも

    この劇団自体は北斎とこれで2回目
    3回目見たいかと聞かれたら、もういいかなって感想ですね

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    鑑賞日2025/07/24 (木) 19:00

    スタイリッシュなアングラ、と勝手に呼んでいるユニットが寺山に挑む。鮮烈!!!(4分押し)84分。
     大人になれない少年探偵団の小林少年は盲目になり「支那」に行くが…、と物語がありそうなことを書こうと思ったが、爆音のBGMと閃光を含む照明のリンクが逆に心地好く、流れに身を任せる感じの90分弱。「面白い」という表現が適切かどうかは分からないけど、ワクワクしながら観ていられるところが本ユニットの特徴か。押しの大島朋恵は前説をして終わった流れで芝居に入るあたりの見事さ。

このページのQRコードです。

拡大