公演情報
「熱海殺人事件 - 1973初演ver.」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
今まで熱海殺人事件を色々と観てきた中で一番、しっくり来るお芝居でした。なにより観客の反応が明らかに違う。喜怒哀楽が大きかったです。つか作品が好きなのも有りますが次回作も見逃せないですね。面白かったです。
実演鑑賞
満足度★★★★★
鑑賞日2025/05/25 (日) 13:00
千秋楽の舞台も超満員。岸田国士賞をとった初演版を忠実に再現した作品で、つか作品を演じ続けてきた9プロならではの舞台だ。出演メンバーも北区つかこうへい劇団でつかに指導を受けた顔触れ。誰もが知るつか作品の名作だけに、アレンジを加えない初演版への取り組みは相当なプレッシャーもあったのではと拝察する。
9プロのホームページに、「白鳥の湖」が流れない“つか演出前の熱海”とあるが、他の劇団が繰り返し上演してきた「熱海」では、当然のことながら「白鳥の湖」は強烈な印象を残すポイントの一つだ。演出の渡辺和徳は昭和歌謡やニューミュージックの数々をうまくアレンジして4人の俳優の熱演を彩った。初演版は初めて見たが、とてもシンプルだという印象を受ける。ストレートにこの戯曲を楽しむことができた。
俳優が替わるたびにせりふが変わったという熱海殺人事件。さまざまな劇団が演じ、さまざまなバージョンが世に出た。熱海の浜で絞殺された山口アイ子と恋人であり犯人の大山金太郎の出自をアレンジした劇団もあった。このようにして元の戯曲が姿を多彩に変えて次の世代に受け継がれていく様子を、草葉のつかはどのように見ているだろうか。きっと楽しんでいるに違いない。
9プロのメンバー、高野愛はカーテンコール後のあいさつで感極まっていた。ミスの許されない「熱海」をやり切ったという涙だったのではないか。