かもめ 公演情報 かもめ」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.5
1-4件 / 4件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    実力ある俳優陣の優秀でオーソドックスな演技で安心して鑑賞できる。衣装はいささか違和感があるが、細かいところは気にしないほうがいいのだろう。生演奏が良い具合に視聴空間を埋める。本作品のクライマックス、ニーナがトレープレフに再会するシーンは、ふたりの内面を照らし出すかのような蝋燭ランプの明かりが効果的で印象に残る。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     長尺ものの脚本を用いている為、短いヴァージョンに比べチェーホフの作品の持つ奥深さ、繊細性、先進性と往時のロシア社会とのギャップとがより明確に出而も痛切に観客の魂に刺さる。流石に新人会の公演。東京演劇アンサンブルの志賀さんの演出、新人会役者陣の上手さも光る。華5つ☆(追記後送)

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    さすがです。贅沢で重厚な時間。しっかりとした演技力と普遍的なストーリー。血の通った人間の感情を表現する際のお手本みたいな舞台でした。

    ネタバレBOX

    チェロとクラリネットの音が所々に効いています。生演奏は良いですね。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い、お薦め。
    何度か観たことがある戯曲だが、とても分かり易い舞台として楽しめる。作中の人物像がしっかり立ち上がり、日常生活における会話や人間模様の織りなす関係が だんだんと盛り上がっていく。戯曲の持つ 力 もあろうが、四幕を実に巧みな手法で紡いでいく。戯曲の力、演出の技、演技の思いが調和した好公演。
    (上演時間2時間10分 休憩なし)

    ネタバレBOX

    舞台上の上手に客席を設えた 変形2面客席。舞台美術は 上手奥に階段、下手は、冒頭 幕が下りていて奥が見えない。登場人物の1人 トレープレフが、自作を家庭劇として上演するため仮設舞台を設えているため。床は 継ぎ接ぎ絨毯に椅子が無造作に置かれている。下手客席寄りに演奏スペース。演奏は星 衛さんでチェロや横笛の生演奏。
    シンプルな舞台美術だが、暗幕へのプロジェクションマッピングで光景を立体的に映し、生演奏で情感豊かに紡ぐ。幕が揺れると水の揺らめきのようだ。四幕ものだが、一瞬にして場景が変わりテンポよく展開していく。勿論、場景に応じて小道具の搬入/搬出や衣裳替えをする。ラストは ランプの灯りが情緒的で印象に残る。

    物語は、女優 アルカージナの息子トレープレフが従来の(古い)芸術を革新する作家を目指し、日々思い悩む。また女優になることを夢見て人気作家トリゴーリンに思いを寄せる娘ニーナ。閉塞した状況、その出口が見い出せない絶望と憂鬱が作家志望のトレープレフと女優を志し挫折したニーナを通して描かれる。若者2人のすれ違う愛は、この時代の変わり目に痛み悶えながらも希望の煌めきを放つ。ニーナだけは客席通路を使い、別場所(外の世界)や閉塞状況からの脱出を試みる、そんな暗示を感じる。

    チェーホフ戯曲の特長とでもいう静劇、静かな湖畔に建つ家で猟銃の音が鳴り響く。そのラストシーンに向かって だんだんと迫力と緊張感を増していく。とても雰囲気のある場景の中で繰り広げられる会話、その間(ま)が絶妙で生き活きとした人間の語らいがある。工夫し計算されつくしたような会話は、作者 チェーホフの人生観を垣間見るようだ。それを抒情豊かにしているのが生演奏、それを感情的な表現とすれば、効果音---例えば暴風雨などは物理的に聞かせる巧さ。さまざまな演出上の工夫や技巧が駆使されている。

    ラスト---トレープレフは、これから向かうべき道が見い出せず、夢とイメージの混沌とした中を さ迷っている。信念もなければ使命も解っていない。一方 ニーナは、絶望し挫折しながら、自分がどうすれば良いのか知っている。女優という仕事で大切なのは、かつて夢見た晴れがましい名声・栄誉ではなく<忍耐力>だと…。
    ニーナの言葉は 現代人へのメッセージ…世界のどこかで起きている戦争や紛争下にいる人たちへの希望(一刻も早い解決)に繋がるような。
    次回公演も楽しみにしております。

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