期待度♪♪♪♪
境界
所謂、臨死体験をしたことがある。心肺停止状態だったわけだ。死は全然怖くない。むしろ、自分の名を呼び続ける者の声を煩いと感じていた。まあ、この世は影が彷徨う憂き世。死との境界にいる方がましかも知れぬ。死そのものは、誰も伝えることができないが、大したことではあるまい。未練を残す者にとって残念なだけであろう。そうはいっても、悔しいのは、自分の死の瞬間を自分自身は認識しているともいないとも言えないことではないのか。つまりエポケーだ。更に言い募れば、死は常に他者のものだ。その程度のことではある。