アルカの板 公演情報 アルカの板」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 4.4
1-20件 / 20件中
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    年齢のせいなのか、必ずしも正論がいいわけでもないように感じながら観ていました
    問題提起も含めて面白かったです!

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白かったですがモニターで忙しかったです。AIを使った方が良い事の利便性などの具体的な例などを盛り込んでいただけたら人物への感情移入し易かったと思われます。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/04/27 (日) 19:00

     今回観た劇『アルカの板』のあらすじをCoRichで読んだ段階だと、旧約聖書の創世記の中に出てくる、ノアの箱舟のエピソードと、古代ギリシアの哲学者カルネアデスが出したとされる倫理学上の思考実験であるカルネアデスの板、面白いことにこの2つの話とも、人類が窮地に追い込まれ、究極の選択をしなければならないという意味では同じで、さらに2つの話とも舟が重要な要素となっている共通点があるが、この2つの話と現実的な日本の漁協組合とそれに属している九海丸の船員たちと経営者の井上柚、経営者の母井上花楓が過労で倒れたことを気に地元に戻り、九海丸の経営改革をしようとする経営者の妹の井上杏子の話が混ざって、観念的で哲学的、かなりファンタジックな作品なのかと、あらすじの抽象的、詩的表現が多々散見される事からも感じた。また、CoRichに載っていたチラシの雰囲気を見ても、非常に抽象的で幻想的で謎めいた雰囲気だった事からも確信していた。

     しかし、実際にこの『アルカの板』を観て見ると、良い意味で裏切られた。
     まぁ、確かに海難事故で漁に出たきり帰らぬ人となった九海丸経営者家族の井上家の父親の声が急に聞こえてきたりする多少の不思議はあるし、観念的で哲学的、詩的な言葉が舞台向かって右端、左端に備え付けられたモニター画面に移されたり、登場人物たちの独白も普通の劇より多い気がしなくはない。
     しかし全体としては、非常に現実的で、今の日本の漁協組合と組合から舟を貸してもらって漁をする漁師たちの切実で切羽詰まった問題と組合と漁師の絶妙に対等とは言い難い関係性、権威主義的で保守的な組合長と、それによって余計に前に進めなくなって、このままいくともろとも潰れかねない壊滅的な状況の弱小の漁師たちを束ねる九海丸経営者の井上柚とその母親で過労で倒れた井上花楓、その妹で東京から戻ってきた井上杏子を中心とした家族の絆と家族のような漁師たちとの関係性、組合長の娘の尾田レオナと杏子とのレズだけど、素直になれない関係性などが時にシリアスに、時にバカバカしく、時々笑いも交えながら描いていて、人間関係や家族のこと、今の漁業の悲惨な現状を何とか改善しようと組合長と対立しながらも変えようともがき、奮闘する話だが、その中で漁師たちを救おうと、井上杏子が提案する『ノアの箱舟計画』といったところでモチーフとして旧約聖書のノアの箱舟のエピソードを元にしつつも、漁師の救済計画といった別の形で導入されてきていて、幻想強めでは全然なかったが、非常に面白く、また感動する内容だった。
     また、この劇で井上杏子の『ノアの箱舟計画』に強力な助っ人になってくれる漁協組合副組合長の荒木康一が村を出ることが条件で、この計画が成功するという在り方は、まさにカルネアデスの板の意味と一致しており、哲学原理をこういった現実問題でさり気なく描く演出家の手腕が凄いと感じた。
     
     この劇をきっかけに、今まで以上にもっと日本の漁業の現状を正しく理解し、どうやったら物価も上がる中、漁師や農家等が将来に渡って生き残っていけるのか真剣に考えてみたいと感じた。

  • 実演鑑賞

    登場人物が多いわりに人物設定が分かりやすく、とても自然に観ることができました。スナックでこの話が全部完結するのも面白いですね!モニターによる演出も楽しかったです。

  • 実演鑑賞

    面白かったです。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    楽しい演劇でした。よく練られた作品だと思います。登場人物の立場に立ってよく考えられています。そこそこ明るかったのであまり重くは受け止めませんでしたし、今後の若手の躍進をお祈りします。

    ネタバレBOX

    最善席でモニターをみて首が痛くなりました
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    ハズレのない9-Statesであるが、これはグッとくる一作ですね。一筋縄ではいかないストーリー展開に引き込まれます。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    まちがいない劇団さん。暗転でのモニターも秀逸。考えさせられるフレイズ。ラストまで目がはなせない。すばらしー!

  • 実演鑑賞

    満足度

    4月28日観劇。

    ネタバレBOX

    舞台両端前方にモニターがあり、頻繁に文字が映し出されるのですが、最前列だとそれに気付かない&見にくいので、世界に入れませんでした。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    鑑賞日2025/04/26 (土) 14:00

    価格4,300円

    9-Statesの舞台は3回目。
    今回は漁師町と組合によるヒューマンドラマ2時間もの…分かりやすく舞台作りも丁寧。
    駅前劇場の両サイドに吊るしたモニターを場転で行う手法はおなじみかな。
    まるで実家に帰ってきたかの様なほんわかした物語に、作為的で本質的な問いを投げかけるギャップが最初はドキリとするのですが、3度も観ると徐々に慣れてきました。慣れって怖い笑
    本作も個性的な役者陣を迎え、時折クスリと笑みが魅えるBGMと小ボケは健在。

    ネタバレBOX

    当日パンフレットがQRコードになってました。
    経費削減にもなるしエコだけど、A4用紙1枚でも記念に欲しい…というのは私だけでしょうか。
    挟まれた他公演のチラシがメインになっている気がして少し残念。

    今回の漁協組合の話、以前ドキュメンタリーとして放送された事もある元ネタがありそうです。
    東京でコンサル系の仕事をしていたIT系の女性社長が漁業を通じて地方創生を行っていく…経済情報誌やTV放送から知見を得たのかな。ファーストペンギン!も女性が活躍する漁業経営の話だったと思います。最後のシーンの荒木さんと柚の関係が少しもやもや…続きが気になりますね!
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    観劇前はかなり特殊な気質をもった漁船の町をイメージしていたのだけれど、そんな事はない地方のどこにでもありそうなコミュニティー
    存続の危機に直面する中でそれぞれが主張する正義は、裏を返せばその主張が通らなければ自分にとって都合が悪いという事でもあり
    それぞれの立場になって考えれば納得できてしまうものだから、そうなると正義の行方が混とんとしてくるのがとても面白く目が離せない

    何っその言い方(笑)調子に乗り過ぎだろ(笑)などと沢山笑ったけれど、その笑ってしまう理由にはその人への共感が多分に含まれているので中々に味わい深い笑い
    生活が懸かっている登場人物達にとっては深刻なのは当然だけれど、客席からはそれぞれの衝突が広い視野で見えているので何とも興味深く人生勉強になる公演でした

    ネタバレBOX

    とっても意外な人が「アルカの板」の話しを持ち出したのでビックリ
    ミステリーでは「まさかこの人が犯人!」という面白さがあるけど、それに似た「まさかこの人が!」的な驚き
    一筋縄ではいかない人の心理も巧く盛り込んでいて、より一層深い話に
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    面白い。日本のどこにでもありそうな話、それを或る漁港(漁協組合)での出来事として描く。いや漁港だけではなく、色々な産業(界)や商店街等といった場所で見聞きするような内容。社会的であり一般的なことが描かれており、身近な問題として捉え易い。ドキュメンタリーとフィクションを行き来するようなドラマ、それをモニターを使った独特な表現が、物語に隠された もしくは伝えたいことを文字にして映し出している。ストレイトプレイ…そこに映像文字を添えること自体 斬新と思うが、それによって考えさせるのが 9-States の特長であり魅力。モニターの文字は短いが、その意味するところを瞬時に理解することは難しい。むしろ場面転換(暗転)時に映るから、その場面で伝えたいことの意。そう思えば理解も深まり、必要な演出と思える。

    少しネタバレするが、漁協組合の組合長などが悪役のようにして描かれているが、単純に新旧や保守・革新といった対立ではない。伝統を守ること、保身的になることは人間的な感情、そこに地域活性化といった社会的・経済的な背景を持ち込むことによって夫々の主張の衝突点が鮮明に浮き上がる。そして家族とは、その捉え方にも相違を持ち込み、物語の広がりと深みを感じさせる巧さ。ちなみに、チラシは内容とは逆に ハガキのような小さいもの。
    (上演時間2時間5分 休憩なし) 

    ネタバレBOX

    舞台美術は、井上家でありスナック「海の星」。壁は、縦や横に平板やレンガ組み。上手奥に ベンチ。下手に スナックのボトル棚やカウンター、腰高スツール。木製の箱を並べてテーブル代わり。天井には裸電球が吊るされている。 9-States公演は作り込んだ舞台で、分かり易く展開する。

    印象に残った台詞が「アンタの悪意やアナタの正義に ワタシはビクともしない」。そこに物語の肝が語られているようだ。夫々の主張は、その立場の考えであり思い そして真実である。勿論、個人的なエゴも存在するだろう。
    物語は或る漁港で「九海丸」を経営している井上家が舞台。父が海難事故死をして、長女 柚が後を継いで母 花楓、漁師の足立一平・青山豪・真島まひろ と昔ながらの経営をしている。母が病で倒れ、都会で仕事をしている妹の杏子(プログラマー)が帰ってきた。杏子は、AIを駆使し経営改革を訴えるが、柚は漁協組合の補助(金)を受けつつ、今まで通りの経営を主張。漁師もAI等使ったこともないし、新しいことに挑戦することが億劫になっている。表層的には、革新(最新)と保守(伝統)の新旧の主張といったところ。井上家の姉妹や従業員の主張や行動は、その地域の人々の思いを代弁している。それは、同時に 日本のいたる所で見聞きするような光景である。

    漁協組合は変化を好まない。今までの運営で大きな間違いがなかったこと。何より組合長が次期市長を目指していることから、新しい事をして失敗したくない。その個人的な保身が井上家の新しい試みを阻止しようと…。公私混同だが補助金の打ち切りをチラつかせといった企み。物語は、AIを使った新しい試みを地域の人々に受け入れてもらい、漁港の発展を目指すが 辞退する者もいる。何が有効な手立てか分からないが、何かに縋りたい。そこに救済の象徴である「ノアの箱舟」と「カルネアデスの板」の究極の選択を組み合わせたドラマにしている。

    ダーウィン曰く「・・・唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」などといった理屈を言うわけではないが、失敗を恐れて歩みを止めたら、それはジリ貧の始まり。翻ってみれば、歩み続けることが成功への道。ちなみに当日パンフの 9-States代表の中村太陽 氏のご挨拶を読むと、この公演にはマンネリに対する自戒を込めているような。そして本公演を制作するという試み というか意欲に敬服する。
    次回公演も楽しみにしております。
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    モニターの文字に共感を持ちながら、9-Statesらしいラストで見ごたえがありました。
    笑える部分もあったので重すぎずに楽しめました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    勧善懲悪でなく正義と言うより
    説明通りの主張のぶつかり合いで
    ある漁港の動向が揺れ動く様子を
    重厚に濃厚に描いてみせていた
    2時間5分の作品
    パンフがQRコードでデカくて驚いたのと
    紙チラシが全く何処でも
    入手出来なかったなぁと

    ネタバレBOX

    舞台美術は黒をベースに板を貼り付けた
    スナック店内を模した空間でした

    ノアの方舟とカルネアデスの板を
    混ぜ合わせた物語であるとパンフで説明
    珍しい事でネットのエッセイも読んでね
    とかもあった=読みましょう=

    父を亡くした長女が支える漁船団を中心に
    母が過労で倒れた事を機に
    都会に出ていってた次女が戻り
    AIを用いた漁港の再生を巡り
    漁業組合とその長や周囲等での
    様々な思惑で進んでぶつかりあう
    人間たちの物語でした

    横暴である漁業組合の組合長も
    市長の座を狙うが港を蔑ろにする訳でもなく
    極悪人とかの出ない
    どこにでもいる市井の人々の話で
    全体で大体の展開は読めたけど
    個々の動きが読めなく目が離せない進行で
    全く眠気等とかは無縁でした
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    面白かったです。
    分かり易いストーリーの中に、共感できる台詞や考えさせられる事が詰まっていました。
    役者さん達は個性豊かな登場人物を好演していて、とても良かったです。
    笑いあり涙ありの、素敵な舞台でした。                      

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

     衰退する地元、分裂し敵対する人間関係、窮すれば???も起こる? 

    ネタバレBOX

     今作では上演中に2か所に設置されたモニター画面上に様々なフレーズが表示され、観客への問い掛けが為されるが、この問い掛け内容が中々面白い。上演されている作品そのものが漁師町で衰退の一途を辿る一家と漁協組合との駆け引きを出汁に、伝統と革新、デモデとモダン、家族・共同体とよそ者、敵と味方等々の二元論的対立と各々の根源に在る存在の本質を丁度舞台上にサスを当てるように2つのモニターに表示する観客への問いとして投げかけつつ展開する。一家は事故で亡くなった先代の船長の後を継ぎ何とか細々と操業を続ける長女や乗り組み員、彼女のファンで何くれとなくサポートしてくれる自営農、父の死を観、今迄のやり方では対応できぬと東京へ出、プログラマーとして新たな目で改革を図る妹、漁協組合長というポジションを踏み台にステップアップして市長の座を狙い、副組合長に娘を登用している組合長。漁協内改革派のもう1人の副組合長、彼に憧れ自らも改革派として活動する組合員女性、船長の妻、彼女が体調を崩して入院した病院の医師らがやってくるスナックを舞台に物語は展開する。尺は約2時間。
     物語の詳細は観て頂くとして、サスのように社会の本質的要素をその存在の本質に、或いは二元的対立として照らし出す各フレーズの根底を探り出す旅への誘いこそが今作の深いテーマだと考えられる。タイトルからも明らかなように問題は我らニンゲンが生死を分かつ状況下で如何なる判断をし実行すべきか? ということがそもそもの問いであるからだ。それに応えるには存在とは何か? を考える必要があろう。存在は物質で出来上がっている。この点に異論の有る者は居まい。では物質はどのように出来上がったか? 現時点で我々が知っている物質生成の歴史は宇宙の始原から恒星が誕生して恒星の核反応の進展を通じて水素原子、ヘリウム原子等物質を構成する原子が誕生したことが知られているが、この後の諸過程詳細は自分で調べたまえ。何れにしろ存在そのものが誕生して長い時を経、アミノ酸等、生命の材料となる物が生成された。この後生命が誕生するが生命の3つの特徴は外界と己を隔てる隔壁を持つこと、太陽エネルギー、食物等のエネルギーを用いて代謝を行うこと、そして自らの後代を作ることのできる設計図を己自身の内部に持っていることである。この3つの特性を同時に持つ時、そのものは無機物と区別され生命と呼ばれる。そして生命となった時、生き死にの問題が発生し状況次第で生きるか死ぬかが問題とされることに意味が生じるのである。今作では、様々な利害関係や政治、経済や人間関係の諸々、歴史認識の差等々諸関係の差異及び存在そのものの存否可能性の分岐点に纏わり得る諸問題等がモニター上に表示される訳で、答えは観客個々人が出す他無い。そしてこの実際こそが実存なのである。宇宙の始原迄一先ず考え、翻って我が生に想いを致す。中々面白い趣向ではないか?
  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    難しいテーマで考えさせらえました 二転三転目が離せません

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★★

    安定のナインステイツですね^^ たっぷり満喫させてもらいました。プロジェクターに映し出されるフレーズの1つ1つに考えさせられました。話もシンプルでわかりやすく、それでいて人生訓のようなセリフもたたありすばらしかったです。すてきな時間をありがとうございました。

  • 実演鑑賞

    満足度★★★★

    漁港にて。改革は方舟か泥舟か。反対派がわかりやすく悪い奴なのと、芝居で現せばいいコトをいちいちモニターにテキストで見せるのは、ちと気になるなぁ。

  • 実演鑑賞

    見応え十分、十二分。
    すごい重量感。

    ネタバレBOX

    正が邪に。
    善が悪に。
    利他が利己に。
    真が偽に。
    信が疑に。

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