公演情報
「アルカの板」の観てきた!クチコミ一覧
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったですがモニターで忙しかったです。AIを使った方が良い事の利便性などの具体的な例などを盛り込んでいただけたら人物への感情移入し易かったと思われます。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/27 (日) 19:00
今回観た劇『アルカの板』のあらすじをCoRichで読んだ段階だと、旧約聖書の創世記の中に出てくる、ノアの箱舟のエピソードと、古代ギリシアの哲学者カルネアデスが出したとされる倫理学上の思考実験であるカルネアデスの板、面白いことにこの2つの話とも、人類が窮地に追い込まれ、究極の選択をしなければならないという意味では同じで、さらに2つの話とも舟が重要な要素となっている共通点があるが、この2つの話と現実的な日本の漁協組合とそれに属している九海丸の船員たちと経営者の井上柚、経営者の母井上花楓が過労で倒れたことを気に地元に戻り、九海丸の経営改革をしようとする経営者の妹の井上杏子の話が混ざって、観念的で哲学的、かなりファンタジックな作品なのかと、あらすじの抽象的、詩的表現が多々散見される事からも感じた。また、CoRichに載っていたチラシの雰囲気を見ても、非常に抽象的で幻想的で謎めいた雰囲気だった事からも確信していた。
しかし、実際にこの『アルカの板』を観て見ると、良い意味で裏切られた。
まぁ、確かに海難事故で漁に出たきり帰らぬ人となった九海丸経営者家族の井上家の父親の声が急に聞こえてきたりする多少の不思議はあるし、観念的で哲学的、詩的な言葉が舞台向かって右端、左端に備え付けられたモニター画面に移されたり、登場人物たちの独白も普通の劇より多い気がしなくはない。
しかし全体としては、非常に現実的で、今の日本の漁協組合と組合から舟を貸してもらって漁をする漁師たちの切実で切羽詰まった問題と組合と漁師の絶妙に対等とは言い難い関係性、権威主義的で保守的な組合長と、それによって余計に前に進めなくなって、このままいくともろとも潰れかねない壊滅的な状況の弱小の漁師たちを束ねる九海丸経営者の井上柚とその母親で過労で倒れた井上花楓、その妹で東京から戻ってきた井上杏子を中心とした家族の絆と家族のような漁師たちとの関係性、組合長の娘の尾田レオナと杏子とのレズだけど、素直になれない関係性などが時にシリアスに、時にバカバカしく、時々笑いも交えながら描いていて、人間関係や家族のこと、今の漁業の悲惨な現状を何とか改善しようと組合長と対立しながらも変えようともがき、奮闘する話だが、その中で漁師たちを救おうと、井上杏子が提案する『ノアの箱舟計画』といったところでモチーフとして旧約聖書のノアの箱舟のエピソードを元にしつつも、漁師の救済計画といった別の形で導入されてきていて、幻想強めでは全然なかったが、非常に面白く、また感動する内容だった。
また、この劇で井上杏子の『ノアの箱舟計画』に強力な助っ人になってくれる漁協組合副組合長の荒木康一が村を出ることが条件で、この計画が成功するという在り方は、まさにカルネアデスの板の意味と一致しており、哲学原理をこういった現実問題でさり気なく描く演出家の手腕が凄いと感じた。
この劇をきっかけに、今まで以上にもっと日本の漁業の現状を正しく理解し、どうやったら物価も上がる中、漁師や農家等が将来に渡って生き残っていけるのか真剣に考えてみたいと感じた。
実演鑑賞
登場人物が多いわりに人物設定が分かりやすく、とても自然に観ることができました。スナックでこの話が全部完結するのも面白いですね!モニターによる演出も楽しかったです。
実演鑑賞
満足度★★★★
楽しい演劇でした。よく練られた作品だと思います。登場人物の立場に立ってよく考えられています。そこそこ明るかったのであまり重くは受け止めませんでしたし、今後の若手の躍進をお祈りします。
実演鑑賞
満足度★★★★
鑑賞日2025/04/26 (土) 14:00
価格4,300円
9-Statesの舞台は3回目。
今回は漁師町と組合によるヒューマンドラマ2時間もの…分かりやすく舞台作りも丁寧。
駅前劇場の両サイドに吊るしたモニターを場転で行う手法はおなじみかな。
まるで実家に帰ってきたかの様なほんわかした物語に、作為的で本質的な問いを投げかけるギャップが最初はドキリとするのですが、3度も観ると徐々に慣れてきました。慣れって怖い笑
本作も個性的な役者陣を迎え、時折クスリと笑みが魅えるBGMと小ボケは健在。
実演鑑賞
満足度★★★★★
観劇前はかなり特殊な気質をもった漁船の町をイメージしていたのだけれど、そんな事はない地方のどこにでもありそうなコミュニティー
存続の危機に直面する中でそれぞれが主張する正義は、裏を返せばその主張が通らなければ自分にとって都合が悪いという事でもあり
それぞれの立場になって考えれば納得できてしまうものだから、そうなると正義の行方が混とんとしてくるのがとても面白く目が離せない
何っその言い方(笑)調子に乗り過ぎだろ(笑)などと沢山笑ったけれど、その笑ってしまう理由にはその人への共感が多分に含まれているので中々に味わい深い笑い
生活が懸かっている登場人物達にとっては深刻なのは当然だけれど、客席からはそれぞれの衝突が広い視野で見えているので何とも興味深く人生勉強になる公演でした
実演鑑賞
満足度★★★★
面白い。日本のどこにでもありそうな話、それを或る漁港(漁協組合)での出来事として描く。いや漁港だけではなく、色々な産業(界)や商店街等といった場所で見聞きするような内容。社会的であり一般的なことが描かれており、身近な問題として捉え易い。ドキュメンタリーとフィクションを行き来するようなドラマ、それをモニターを使った独特な表現が、物語に隠された もしくは伝えたいことを文字にして映し出している。ストレイトプレイ…そこに映像文字を添えること自体 斬新と思うが、それによって考えさせるのが 9-States の特長であり魅力。モニターの文字は短いが、その意味するところを瞬時に理解することは難しい。むしろ場面転換(暗転)時に映るから、その場面で伝えたいことの意。そう思えば理解も深まり、必要な演出と思える。
少しネタバレするが、漁協組合の組合長などが悪役のようにして描かれているが、単純に新旧や保守・革新といった対立ではない。伝統を守ること、保身的になることは人間的な感情、そこに地域活性化といった社会的・経済的な背景を持ち込むことによって夫々の主張の衝突点が鮮明に浮き上がる。そして家族とは、その捉え方にも相違を持ち込み、物語の広がりと深みを感じさせる巧さ。ちなみに、チラシは内容とは逆に ハガキのような小さいもの。
(上演時間2時間5分 休憩なし)
実演鑑賞
満足度★★★★★
モニターの文字に共感を持ちながら、9-Statesらしいラストで見ごたえがありました。
笑える部分もあったので重すぎずに楽しめました。
実演鑑賞
満足度★★★★
勧善懲悪でなく正義と言うより
説明通りの主張のぶつかり合いで
ある漁港の動向が揺れ動く様子を
重厚に濃厚に描いてみせていた
2時間5分の作品
パンフがQRコードでデカくて驚いたのと
紙チラシが全く何処でも
入手出来なかったなぁと
実演鑑賞
満足度★★★★★
面白かったです。
分かり易いストーリーの中に、共感できる台詞や考えさせられる事が詰まっていました。
役者さん達は個性豊かな登場人物を好演していて、とても良かったです。
笑いあり涙ありの、素敵な舞台でした。
実演鑑賞
満足度★★★★★
安定のナインステイツですね^^ たっぷり満喫させてもらいました。プロジェクターに映し出されるフレーズの1つ1つに考えさせられました。話もシンプルでわかりやすく、それでいて人生訓のようなセリフもたたありすばらしかったです。すてきな時間をありがとうございました。
実演鑑賞
満足度★★★★
漁港にて。改革は方舟か泥舟か。反対派がわかりやすく悪い奴なのと、芝居で現せばいいコトをいちいちモニターにテキストで見せるのは、ちと気になるなぁ。