「定家」 公演情報 「定家」」の観てきた!クチコミ一覧

満足度の平均 5.0
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  • 満足度★★★★★

    無題382(12-125)
    19:30の回(晴、風が強い)。19:15会場着、半蔵門線を逆に乗り、飯田橋で降り、とダブルで間違えたので少々焦る。もちろん開場時間は過ぎているので…受付はと…入口にはない、今夜はカウンターなのかな…と思った、けど舞台にありました。当日券である旨お伝えします。ドリンクはトマトジュース、今まではコーヒーをお願いしていましたがそろそろ冷たい物に切り替え。角本さんにご挨拶、席につきます。改めて舞台をみると鏡、照明が床に置いてあり、天井から黒いコード、床にも這っています。壁際にスツール、足の金属部分が照明を反射。譜面台+衣装が3セット、ペットボトル、台本、今夜は役者さん3名+お客さんも参加。先月の公演を見逃しているので、なんとかやって来ました。3作目になります。見えるもの(照明、椅子、衣装)、聴こえるもの(BGM、声、口調)、そのどれもが「和(あるいは古風)」ではない「洋(あるいは今風) 」を示しています。※一部、和的なトーンあり。「サダイエ」…「冷泉家 王朝の和歌守展」で観たのは2009年@東京都美術館。そこにあったのは「文字」、明月記は1235年。「言葉」と「文字」の違いはテキストを渡されたときに痛感。読む前に目で像を捉えようとするのでした。それにしても刺激的。舞台の変化と自身の感覚、これがたまらない。

    ネタバレBOX

    あらかじめ、日常の会話とは違い内容をつかめないことがあるというお話がありました。いままで何度か「古典」の原語版を読んでみようと思ったことがありましたが成功したことがありません。事前にテキストを読んでおいたほうがよかったような気もしますが、そうでない場合どうだったかという体験なのでこれはこれでよしと。

    となると自身の体験や感覚に対してどのような反応が生じるのかがLiveの楽しさ。たとえば照明、壁にぼんやりと、緑、黄、赤。今、「巨大ブラックホールと宇宙」という本を手にしています(毎週、図書館から数冊借りていて、自然科学/社会科学系のものが多い)。ハッブル望遠鏡やさまざまな最新機器がとらえた数億年先(=前)の像は、壁に映っているものと少し似ています。可視光線、エックス線、私たちには見えない波長でとらえた像などはどれも美しいものです。そんなものが私の目に映っています。その前で語られているのは「鎌倉時代」...定家は没1241年とあったので約770年前...星の瞬の間の出来事のようでもあります。遺された「文字」を通じて伝える「3人」、そんな設定にしてみました。

    聴こえてくる音楽は「洋」、聞き覚えのあるものは2つ、それ以外にもこれは好きだなと思うものがいくつか。曲調が変われば口調も変わる、風景までもが変わって見えてくる。会場を対角線上で切ってあり、横をみると座っているお客さんのお顔、角本さんの様子がよく見えます。何が起こるかわからない、即興、壁の色、お客さんの色、上手の受付。

    客席に座って、お客さんにテキスト渡して読んでもらう、手を引き舞台へ、空気が動くようです。明かりの強弱、場所によってはシルエット、また壁に映る影絵、みんな動いています。こうやって今は過去へ流れつつ何百年も前の様子を想像します。

    語り終わると'何か'が抜けた(去って行った)ように佇む3人。


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