満足度★★★★★
泡ニナル、風景
やっぱりマームとジプシーは凄いと再認識させられた作品でした。電車の事故までの人間の描写をリフレインで行なう手法は毎回だが、どんどん作品として進化しているように思える。素晴らしい作品だった。
満足度★★★★
マームとジプシー「ドコカ遠クノ、ソレヨリ向コウ 或いは、泡ニナル、風景」観ました
縦長の舞台上で、薄い鉛筆で何度も重ねてなぞるように、淡々とリフレインし交錯し角度を変えて語られる、数人の男女達ひとり一人の人生。舞台の形が象徴するある場所で一まとまりとなり、変えられない結末へ向けてゆるゆると収束。予想外に社会性が強く、走馬灯のように切ない舞台。たわけたDJブースや他愛ないラップが、不思議に切なさを際立たせる(笑)。20年安泰。の短編以来1年ぶりに観ましたが、力強い舞台でした。
満足度★★★★★
前衛
今回見て、藤田作品は、つくづく前衛劇だなあ、と思った、今更ながら。
冒頭の尾野島の台詞の間合いが素晴らしかった。
直後の召田のリズム感、手拍子が素晴らしかった。
成田さんはマームの中にあって感情表現担当という感じ。
高山さんも良い感じ。
役者の演技の完成度は、もっと高くできるし、そうして欲しい。
私は横から見た。走るシーンがすごく良かった。
2回、泣いた。
満足度★★★★
「あの時こうしていれば・・」に関するお芝居
最初、「鉄道事故」のことを取り上げられているのを知り
私の後輩がJRの鉄道事故に遭って亡くなっているので、
あまりお芝居として安易に扱われるのは違和感があったのですが
「あの時こうしておけばよかった」「あの時あんなふうに言えていれば・・」など
あの時にこうしていればまた違った未来があったかもしないのに、という分岐点と後悔は
だれにでもあって、それを「鉄道事故」が象徴的に示しているのかな?と思いました。
(そういう意味では、ままごと「あゆみ」やバタフライ・エフェクトなどを髣髴したりもしました)
マームが「身体の酷使」を提示し始めたのは「帰りの合図、」以降だったかと思います。
なのでこのお芝居の初演は、今回のように役者の肉体をここまで酷使してはいなかったのではないでしょうか?
私は未見なので、初演と見比べてみたい気持ちになりました。
音楽の使い方や照明もセンスよくステキでした。
3方に座席がある中、今回私は正面から見ましたが、
横の座席からも見てみたくなりました。