キチンとした作品が見れそう
プロジェクト大山(日本) X Ambiguous Dance Company(韓国)
日韓のレベルの高いカンパニーの、それぞれ40分ぐらいの作品の上演は、見応えありそうで、楽しみ。
ただ、舞台が高い大博多ホールではダンサーの足元が見えにくい。ぽんプラザホールで2ステージやってもらいあた。
期待度♪♪♪
虚のダンス、実のダンス
日韓共同の、と冠詞が付くと、どうしても文化や歴史や差別の壁を越えてってのがテーマになりがちで、いくら演劇が時代性と不可分だと言っても、肩肘張った押しつけがましい芝居ばかりを見せられ続けたら、正直な話、もういいよって気にさせられてしまうのである。
そういうものが全くない日韓ドラマ、国境を越えたラブロマンスとか、そんなのも嘘くさいのだが、だからと言って観る映画、演劇が全て「『パッチギ!』モドキ」であっても、困るのである。差別を二項対立の単純な認識で描けば、かえって反発を抱く人間が現れるのも、致し方のない反作用なのだ。
その点、ダンスの競演なら大丈夫だろう。両国とも何となく「アジア」を意識してはいるようだが、それならば日韓だけに視点を置くのではなく、アジア全体に眼を向けてほしい。アジアの多種多様な文化は、もっと感情豊かな世界を内包しているはずだから。
“AMBIGUOUS”とは「曖昧な」という意味だが、惹句を読む限りでは、これも「虚実皮膜」をテーマにしているようである。嘘から出た真の世界を楽しもう。それぞれ40分という短さもいい。