満足度★★★★★
演劇作品としては秀作
たまたま先日観たサスペンデッズの芝居と被る部分のあるストーリーですが、舞台が全く日本とは違う社会環境だから、どんなに、役者さんが熱演されて、壮絶なシーンの連続でも、心のどこかで、対岸の火事を見るような気持ちの余裕がありました。
新劇の劇団は、ともすると、ご老齢のベテランばかりが健闘して、ちっとも若い人材が育たず、行く末が心配になる団体が多いのですが、青年座は、その点、全く心配無用な気がしました。
ミア役の尾身さん、ヘンリー役の宇宙さんの、役者としての目覚しい成長ぶりに目を細めました。
那須さんは、期待通りの好演ですが、酩酊状態の時の動作に、役になりきった動作ではなく、女優としての防御本能が勝った躊躇いを感じる場面が何度か目につき、その点だけはやや残念に思いました。
ただ、これは映像と違い、毎日、無事公演を務めなければならない柵もあるので、那須さんの役者としての責任感の表れでもあるわけで、こういう壮絶なシーンを演じる舞台役者さんの匙加減はきっとさぞ大変だろうとは察して余りあるものがあるので、難しい注文だとは、自覚しています。
演技力のある役者さんばかりだったせいか、イジィ役の女優さんだけ、ちょっと芝居っぽさが過剰に感じられ、惜しい気がしました。
満足度★★★★★
ボッコボコ。
観終わった後、ヘロヘロでした。どういう感想を持とうかなと頭を動かそうとしても動かないっていうか。ノーガードの心臓を俳優さんの演技でボコボコに殴られた気分っていうか。感情を爆発させるシーンでお客さんに引かせない演技がさすが。あー、思い出しても疲れる(笑)。前半もうチョット軽快に進んでもいいかなーと思いますが…いや、ラスト30分で全てもっていかれましたね。あれでもういいや。舞台美術秀逸。メインの舞台は勿論、周りを囲む白い壁が素晴らしい。
満足度★★★★
THAT FACE
母と息子が暮らす家に娘が帰って来て、離れていた父もやってくる、ロンドンのある家族のお話。面白かった。やっぱり“依存”が問題なんだよなー。いつも思うことだけど子供の方が親を愛してるよね(例外あるでしょうけど)。約2時間10分休憩なし。
満足度★★★★
ポリー・ステナムの処女作が観られるうれしさ。
イギリスの若き天才女流作家、現在24歳くらいだろうか。そのポリーステナムの19歳のときの処女作。この作品を上演するというだけで意義深い。私は大学演劇とか、若い人の演劇をよく見るので、日英の作風の違いに興味を持って観させてもらったが、やはり面白い。日本の若手演劇人、特に20歳前後の人に是非観てもらいたい作品だ。那須佐代子と宇宙(たかひろ)がこれぞ熱演という演技で魅せる。舞台美術がまた素敵だった。